ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

トライアスロン合宿でガタガタ震えた話 最終章

time 2014/03/28


※トラブルソン日記が出走前にまごついて進まないので、直近の出来事に関するエントリを先に。
 
すんごい長いです。トライアスロン合宿総集編。
 
8月に出場するアイアンマン・ジャパン対策で、トライアスロン合宿に行ってきました。今日は振り返りその3。(その1その2はこちら)
 
 
普通の見た目をした異常者なパイセンたちの中に、3日間身を置いて学んだことは沢山あります。そしてそれを初心者の今のうちに言語化しておきたいなと思って、これを書いています。
 
三日間で得た結論は
 
経営者はすべからくトライアスロンをやるがよろし
 
です。
 
幕之内一歩の師匠である鴨川会長もこんなことをおっしゃっています。
 
トライアスロンをやった経営者が全て報われるとは限らん。しかし!成功した経営者は皆すべからくトライアスロンをやっておる!!
 
鴨川
 
※1 『経営者』とあるところを『組織のトップ』と読み替えても、『事業主』と読み替えても、『男』と読み替えても、『漢』と読み替えても、『家庭の長』と読み替えても、『自分の人生にリーダーシップを発揮する人』と読み替えても、『世紀末の覇者』と読み替えていただいても構いません。要は男子であればマストですね。女子はどうでしょ?
 
※2 『すべからく』という言葉の定義が、実は『全て』を表さないということを最近知りました。でもカッコイイのでそのまま誤用を承知で使います。鴨川会長の名言を汚したくない。
 
 
なぜか?という点について、順不同、極めて非ロジカルでMECEでもなんでもありませんが、思うところを述べていきたいと思います。
 

【トライアスロンは大人のスポーツである】

なんとなくの印象ですが、トライアスロンは『大人のスポーツ』であると感じています。その2にも書きましたが、旅程の手配からマシンの分解、梱包、組立、レース中のトラブル処理に至るまで、全部自分でやる必要があります。誰も手伝ってくれません。経営者も取締役も部長も課長も平社員も、全部自分のことは自分でやります。
 
自分で走破することが至上とされているため、例えばバイクで他の人の後ろに付いてラクをする行為は禁じられています。(プロでは一部解禁)1m進みたかったら、自分の力で1m進むしかありません。
 
種目が三つに渡るため、その練習のための時間を捻出するためのタイムマネジメントも必要です。時間がないのはみんな一緒。それをどう作るかが問われてます。特にトライアスロンをやる世代の方というのは、家族を抱えている方も多い。家族の失望と反撃を買わないようにコントロールし(?)、どうパフォーマンスを出すか、がキモです。
 
レースの運営も、概して緩い場合が多い。JTBの旅行のように全てお膳立てで何も考えずに旅行そのものを堪能できる、というのとはワケが違います。必要な情報は自分で取りにいくしかない。インド人のように、聞く人聞く人が全て明後日明々後日の回答をくれるということはありませんが、必要な情報は待ってても来ません。
 
現場感が磨かれるのも魅力です。大体、経営者が現場を忘れるところから組織の衰退は始まります。創業社長と二代目社長の最大の違いは、創業社長の多くが現場技術者として後に経営を学んでいったのに対し、二台目社長は初めから経営者として経営を学んでいくという点にあります。勿論擬似的にキャリア形成の一環で営業部や技術部を歴任することはあっても、創業者のパワーに大抵の場合二代目が勝てないのは、そういう『現場』を死ぬほど経験するという経験に劣るからではないかと思います。
 
しつこいようですが、1m、1km、100kmを進むためには自分でなんとかしなきゃいけないのがトライアスロン。その創意工夫も他の誰かがやってくれるわけではありません。その現場感は、必ず仕事で生きることと思います。
 
あー、ちなみに。
 
僕はトライアスロンではなく、一人でクアトロアスロンをやることになりそうです。今回の合宿でも、皆がスイム、バイク、ランと戦っている間に、僕一人だけそれとは別に尻の括約筋と戦ってました。内括約筋と外括約筋をどう制御し、パフォーマンスに影響しないようにコントロールするか。他のトライアスリートにはない戦いです。アナリストはツライぜ。
 
 
 

【最後は感覚にいきつく、そして感覚こそが経営】

幸運なことに、今回の合宿の教官は、トライアスロン業界のレジェンドと言われる宮塚英也さんでした。
 
宮塚
 
(※注 小田和正さんではありません)
(※注 参加要項をよく読まずに師匠に連れられて参加したため、教官が土着のプールセンターの先生ではなくレジェンド宮塚さんだと気づいたのは、二日目でした。)
 
例によって貪欲さでは他を圧倒する僕は、せっかくの機会ということで質問しまくりました。勿論初心者なので的を得た質問であったかどうかは疑問ですが、面白かったのが以下の発言。
 
『結局ね、最後は感覚なんですよ』
 
恐る恐る意味を訪ねてみたところ、こういうことでした。
 
(意訳)
『僕が30年に渡って研究してきた結果、こうすればトライアスロンが強くなる、速くなるというなんとなくの方向性は見えてきたと思う。勿論完璧ではないが、それなりの精度だと思う。だけど、最後のところは、結局僕が理解できていてみんなが理解できていない、理論を超えた感覚の部分を、みんながどう理解できるように伝えられるかが僕の仕事だってことに気づいた。昔は骨盤を動かせとか、関節を締めろとか色々なことを言っていた。今と言っている内容が変わっているかといえば、そういうわけではない。だけど、伝え方は変えている。骨盤や関節と言ってもみんな僕のいう感覚を理解できない。だから最近は骨というようになった。実際に骨を使って走るとか泳ぐとか、そんなこと出来るわけないんだけど、ニュアンスとしてはそれが僕の伝えたい感覚に一番近い。そしてこの感覚を伝えることが出来れば、みんな間違いなくブレイクスルーするはず。それを研究してたらいつのまにか30年になってしまった。』
 
 
本当の一流の人たちというのは、まさにこの『感覚』で動いてます。
 
これは、やや格好よく言うと『無意識的有能』と呼ばれる状態です。
 
例を挙げます。
※有能/無能=優秀/優秀じゃないではなく、Can/Can’t
 
1、無意識的無能(意識してなくて出来てない:免許を必要だとも思ってないし当然運転も出来ない)
2、意識的無能(意識してるけど出来はしない:免許を取ろうと思って教習所に通ってるが、マニュアル通りやってもクラッチがうまくハマらない)
3、意識的有能(意識して出来ている:バックミラーを見て、サイドミラーを見て、右後ろ45度を見て、そして右折!と考えながら右折が出来る)
4、無意識的有能(意識しないで出来ている:運転マニュアルがいちいち脳内にオーバーラップしなくてもふつうに運転出来る)
 
この4の『無意識的有能』な状態が、まさに『感覚』です。圧倒的な修練を積んでいると、最後はこの『感覚』にたどり着きます。で、この『感覚』というのは、『守破離』で言えば『離』の境地になります。その境地は、たどり着いた人にしか分かりません。
 
たどり着いた人にしか分からない『感覚』という『離』の境地にどう最短でたどり着くか?それは、この『感覚』という『離』にたどり着くための『守破離』を学ぶことです。そしてそこへの最短距離が、なにを隠そうこのトライアスロンなのではないかと僕は思っています。
 
なんで?それは感覚なので説明できません。できませんが、トライアスロンをやってる人ならば、この『感覚を手に入れていくという感覚』が鍛えられ、磨かれていくのが分かってもらえると思います。
 
 

【慣性の法則が一切働かないのがトライアスロン】

普通に生きてると本人が意識する意識しないにかかわらず『慣性の法則』が働きます。
 
良い中学高校を出れば良い大学に入りやすいでしょうし、良い大学に入れば良い企業に就職しやすいです。良い大企業に勤めている人であれば、自分の力というよりは会社の看板でビジネスをしていることが多いでしょう。そもそも、日本の、しかも東京に生まれたというだけで、世界的に見れば人生にかなりのアドバンテージがあると思うのは僕だけじゃないはずです。
 
この『慣性の法則』、便利なのですが、これにかまけるとロクなことになりません。学歴でついた差が、本人の努力次第で逆転し始めるのが30代ですし、この世の春を謳歌した日本経済や日本製品の強さは、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の慣性に乗ってた頃と比べると目も当てられない状況になっています。
 
持論ですが、慣性に寄生するようなやつが増えてくると、組織にしろ国家にしろ衰退していくように思います。逆に、全員が『慣性の法則』を無視して自分の力で前に進もうと行動する組織こそが最強だとも思います。
 

例によって『慣性の法則』が全く効かないのがトライアスロン。

社会に蔓延る『慣性の法則』に全く頼れないトライアスロンをこそ、組織のトップはやるべきだと僕は考えています。経営者がそんな人だったら、社員も『慣性の法則』なんて期待しないでしょ?

 

【異常を日常化するのが経営】

何度も書いているとおり、トライアスリートには異常者が多いです。異常だと言われることにエクスタシーを感じるような異常者ばかりです。『お前おかしいよ』とか、『あんた狂ってるよ』ともし言われたとしたら、小学生時代に悪口だったそれは、今は華麗なる褒め言葉と言えます。
 
仕事ではその道の専門用語を駆使してるはずなのに、三日間の合宿で聞いたのは体幹と骨と筋肉の話だけ。あんたらどんだけ限られたボキャブラリーで暮らしてんだ・・・と言いたくなります。
 
10年近く前になりますが、僕は前職のIT企業で某最強自動車会社のT社を担当してました。そこではリーダークラスだけではなく、末端の社員さんまで、いつも『やばいやばい』と言いながら、細かい数字の入った資料を何度も何度も推敲を重ね、修正を要求してくるのが当たり前でした。
 
傍から見てるとなにを焦ってるんだ?と、一種異常な光景に見えました。彼らは経常利益2兆円を叩き出す企業です。もっと鷹揚に構えててもいいはず。しかし、その『異常さ』が、彼らの『日常』だったことに後で気づきました。紆余曲折、毀誉褒貶あっても、T社が日本最強企業なのもわかる気がしました。
 
経営者の仕事とは、自身も社員も顧客もまだ見ぬ付加価値という『異常』を開発し、提供し、再現し、そしてそれを『日常化』していくプロセスです。
 
とするならば、経営者自身が『異常を日常化』することを、自分の心の中に落とし込んでいる必要があります。なので『異常を日常化』している人たちと一緒にいることで、自分もなんだかそんな人間になれる気がする、そんなもんじゃないでしょうか。
 
『とりあえず100kmいっとく?』と軽く言える人たち・・・ 傍から見たら単位を間違えてるだけの異常者ですが、彼らは日常だと思ってるみたいです。
 
 

【勝率30%の戦いに挑むメンタリティ】

戦争に関するあるデータでは、軍司令官に上がってくる戦場の情報は、起きていることの30%が限度だとされています。つまり、70%は把握できないまま、戦局を左右する決断を迫られるということです。
 
人生も同じです。『未だ来ていない』未来は、どんなに調べても、勝率なんて30%以上に上がることはありません。夫のスキルを全て手に入れてから夫になるのではなく、子育ての経験を通信教育で全て得てから父親になれるわけでもありません。そうなってしまってから、そうなっていくのです。
 
早口言葉みたいになりますが、『経験したことがないことを経験することが人生を切り拓くコツであるということを経験として知っている』ことは、未来を創り出す以外に選択肢のない経営者には必須要項になります。
 
勝てる可能性はあるけど現時点では勝てる保証はない相手に挑むメンタリティ、それを鍛えられるのは、大自然を相手にするトライアスロンです。
 
まだ500mしか泳げないけど、3.8km泳ぐアイアンマンいっとく?みたいな。冷静と情熱の間、無謀とチャレンジの間のギリギリのところで、自分の限界点を伸ばしていくのです。
 

【単純作業に眠る競争優位の源泉】

単純作業にこそ、競争優位の源泉はあるということを学べる点でも、トライアスロンは優れています。
 
全く泳げないという人は日本人であればあまりいない、自転車に乗れないという人はもっと少なく、走れないという人はほぼいません。それは、テニスが出来ない、アメフトが出来ないというのとは違って、運動の中でも極めて単純作業に近く、必要条件が少ないからです。
 

でも、それぞれの単純作業には、やはり追究すべき『守破離』があります。修練を積むことで、常人ではまず耐えられないような距離を、ありえないようなスピードで泳いだり漕いだり走ったりすることが可能になります。初心者の僕が全力でバイクを漕いでいる時に、前の晩にギャハハハと宿で大笑いしていた見た目普通のマダムなお姉さまが、恐ろしいスピードで僕をぶち抜いていきました。心が折れた瞬間でした。

人間は慣れる生き物です。それがどれだけ過酷でも、環境に慣らしてさえしまえば、さして苦労しないで済みます。経営者の仕事は、社員に対してその慣らすべき(それなりに過酷で、他社に対して競争優位を保てる結果を生み出せる)環境さえ用意すればいい。重力10倍の惑星ベジータを用意してしまえば、そこに育つサイヤ人は勝手に強くなるのと同じ。経営者の役割は、その惑星ベジータをつくることです。重力の弱い地球で、各戦闘員に負荷の高い修行を積ませることではないです。

 
日頃の単純作業ですら、守破離をきちんと学び高い負荷の下で行えば、それなりの競争優位の源泉になるってことです。
 
詳しくはこちら。(最近の経営関連の本では群を抜く名著です)
 

【トライアスロン業界の欠点と長所から学ぶ】

こんなこと言ったら怒られるかもですが、僕の見たところ、トライアスロン業界はビジネスが下手です。コンビニや旅行、電機、ネットなどの痒いところに手が届く、というか過剰なほど情報が溢れてる業界と比べると、ホスピタリティはないに等しいし、またそれを不快に感じない顧客の強さがあります。
 

つまり、自主的で能動的で自立した大人がトライアスロンの主な顧客であるからして、トライアスロン業界がなんとかもっているのであり、例えば僕のような素人から見ても、トライアスロン業界のアラや改善点は、100や200はすぐに見つかります。経営者でありながら、顧客の立場で行き届かない業界の改善点を見たり体感するのも大事な感覚だと思います。だって、同じことを自分が仕事でやらかしてるかもしれないから。

だいたいにおいて、日本のような成熟社会で求められるのは、サービスではなくホスピタリティです。トイレに紙が設置されてさえいればOK(=サービス)なのではなく、その紙がお尻に優しく、腰を捻らずに取れる位置にあり、そして紙を切るギザギザで手が切れない配慮(=ホスピタリティ)が必要なのです。

反面教師として、トライアスロン業界からそういうところを学ぶのもアリかなと。

また、反面教師ながら正当な教師としても学ぶべき点があります。これだけ素人目に見ても欠点だらけの業界ではあっても、やってる人をみればわかるとおり、ハマる人はとにかくハマります。いわばロイヤルカスタマー。

 
アップル製品も欠点だらけですが、ハマる人はハマります。つまり、小手先の技も大事だけれど、他で得られないパンチの効いた付加価値を、トライアスロンもアップルも提供してるから、ハマる人はハマるのである、というのが僕の結論です。機能一つとっても、他社より足りないことを恐れる過度に恐れる日本の電機業界にも見習ってほしいですね。
 
では俺は経営者として、この欠点だらけのトライアスロンの何にハマっているのか?を研究するのも、大事なことです。
 
欠点よりも長所、よく言われるとおりですが、数多くの欠点をさらに超える膨大な長所がトライアスロンにはあります。それが何なのか?をそのままにせず、因数分解し、抽象化し、再現性を持った状態で本業に移植すれば、それは強烈な個性であり競争優位となるのではないでしょうか。
 
 
そないなわけで、
 
経営者はすべからくトライアスロンをやるがよろし
 
と思います。Let’s Try!
 
世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただけたことを感謝します。
 
引かぬ媚びぬ省みぬ!
 
我が生涯に一片の悔いなし!

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「ラオウを目指す羅王のブログ」にようこそ。修羅が蔓延る世紀末の日本を、「北斗剛掌派」という思想体系を以て変える活動をしています。我が生涯に一片の悔いなし!と言える人生を送るため、101回目のダイエットに励んでいます。