ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

日本一赤裸々な野辺山100kmウルトラマラソン日記 その7

time 2014/05/29


第一関門の42km地点。序盤ゆえに超ヨユーの6時間の制限時間のところを、多少セーブしたとはいえなんと5時間40分以上も使ってしまう。

ヤバい、ヤバ過ぎるぜ野辺山。ナメててごめん。謝るから完走させてください。

そんなことを思いながら、42kmの関門の休憩場所を一顧だにせずに走り始めたのであった。

ここから先、関門という死神が鎌で素振りをしながら、俺が諦めるのを待ってる姿を10時間近く見続けることになる。

 

42km〜59km

次に目指すはまずは50km。半分だ。『あと半分以上ある』のと、『あと半分以下だ』と言えるのとでは、気分が天と地ほども違う。

何度でも言う。

限界を超える闘いでは、『気休めの積み重ね』が大事だ。

『心技体』と日本語ではリズミカルに言うが、個人的には

心>>>>>>>>>>>>>>>体>>>技だ。

テニスの世界トップ100ともなると、技術的には実際はあまり変わらず、メンタルがフェデラーやナダルとそれ以外の選手では違うと聞いたことがあるが、おそらくそれは本当だ。最後は心がすべてを決める。(あと、100kmで言えば技術云々の前に42kmぐらいは走れる体がないと意味ないため、心の次は体かなと。)

42kmからは、なだらかな下りが続く。想定ペースではキロ6分半ぐらいで走れればいいなというところだけれど、何せユルめの予定からすら30分以上も遅れている。

俺は少し頑張ることにした。

頑張ることにした。

頑張ることにした。

・・・んだけど、脚がもう前に出ない。しっかりフルマラソン一回分疲れている。それって、普通に考えれば俺の限界値ってことだ。

仕方ないので、下りは少し早めに、上りは歩くのよりちょい速い程度で、結局足して引いたらキロ6分半ギリギリのスピードで進むことになった。

ほんのちょっとでもペースメーカーになりそうな人を見つけるとその人にしばらく付いていき、振り切られたら次のペースメーカーを探して・・・なんてことをやりながら、気休めを積み重ねながら、50km地点を目指した。

ようやくたどり着いた50km地点には、チームメイトの何人かがいた。やった。なんか元気が出る。

エイドにはこの地方特製のおそばが並んでいる。俺はそばアレルギーのため、重要なエネルギー補給が出来ないまま、旨そうにそばをすする熊を嫉妬のこもった目で睨むしかできなかった。

次の目的地は59km。中にジェルや着替え、よっちゃんやヨックモックやうまい棒などの食べ物をどっさり入れたドロップバッグが待っている。

50km地点のエイドで合流した熊と小僧とともに、少し一緒に走ることにした。

が、途端に熊が離脱。足先の血豆が潰れたようだ。ウルトラマラソンはこういうことが平気で起きる。そして、そういうことが起きたとして、織り込みながら走ることが要求される。トラブルがあったからといってリタイヤを許されないのは、ウルトラマラソンも人生も同じだ。

済まん熊。俺も全く余裕がないため、仕方なく小僧とともに熊の健闘を祈って先に行くことにする。

しばらく小僧と走る。59kmまでは平坦な道はあまりなく、走っては上り、走っては上り。普段ヘラヘラしていて、走る時は軽快に進む小僧も、歩きが多くなる。途中で先に行ってくれと言われたので、頑張って先に行くことにする。

フルマラソンを一回しか走ったことのない小僧には、距離的にキツいものがあるのかもしれない、なんてことをこのときは思っていた。まさかこの後、小僧が6人のチームメイトのうちMVP級の走りをするとは想像だにできなかった。

55km地点手前で、バイク仲間の『うっちゃん』を見かけた。彼は自らが所属するロードバイクのチームメイトが野辺山ウルトラに参加するとのことで、わざわざ東京から応援に駆けつけているとのことだった。

そんな予定だという話を一週間前に聞いていたのだが、まさか見かけるとは思わなかったので、嬉しくなって思わず『うっちゃーーーん!!!』と叫んでしまった。

うっちゃんはなんと自身のバイクで俺と並走してくれて、写真まで撮ってくれた。

並みいる強豪ランナーに囲まれ、背筋は縮こまり自信なさげにうつむく俺。

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気の弱さが全面に出て、クラスで確実にいじめられるであろうオドオドした空気を醸し出す俺。

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『いいじゃん!いい位置にいるよ!この時間でこの位置なら、完走は間違いないよ!』

序盤の遅れが響きここまで何一つ思い通りにいかず、制限時間の完走はちょっと無理かもとだいぶ真剣に思っていた俺に言ってくれた言葉。

こんな遠いところまでわざわざ来て、私心なく全力で他人を応援できる。本当のスゴいヤツというのは、こういう漢を指すのかもしれない。うっちゃん、ありがとう。元気でた。

59kmが近づくにつれ、うっちゃんに引き続き何度も元気をもらえることがあった。

『羅王ぅ〜元気だせオラぁ〜!!!!』

と、うつむく俺にいきなり反対車線から叫びかけてくれたのは、なんと会社の同期だった。ややゲイっぽい濃い風貌だが、野辺山ウルトラの完走経験のあるヤツ。59km地点まで行って休んで折返して今俺に声をかけたということは、相当速いペースで走っていることになる。

スゴいヤツだ。

59kmのドロップバッグを楽しみにしていると、今度は『AKB!!!』とまたまた反対車線から声をかけられた。

『兄さん』だ!

トライアスロンチーム『ポセイ丼』のチームメイトで、一緒に8月のアイアンマンに出る予定の兄さん。開始5分のOPPで俺が戦線離脱したっきり一度も目にすることがなかったが、59kmの休憩所を経てきた兄さんがここにいるということは、正味30分近く差をつけられているということだ。

兄さん、やるでねーか。

いつもそつなくいろいろなことをこなす兄さんに、今回もまた圧巻のそつのなさを見せつけられて、俄然火が点いた。

そうして、開始から8時間経過した13時少し前に、59kmのビッグエイド、北相木村役場に駆け込んだ。

59kmエイド、北相木村役場の罠

ここでは20分休憩する予定だった。予定だったがとにかく遅れを取り戻さないといけないので、10分ぐらいで出ることを決意。

とにかく水とヴァームので喉を潤し、筋肉疲労の軽減と回復に効果のあるアミノ酸、グルタミンを叩き込む。『ハンガーノック』と言われる空腹状態になると、脳の身体に体する停止命令が軍令クラスに厳しくなるので、アンパンやバナナも水と一緒に流し込む。

さて、ドロップバッグの中身を見てみる。ジェルやサプリ以外にはヨックモック選手、よっちゃん選手、うまい棒選手、ミートボール選手、おにぎり選手、クリームパン選手、CCレモン選手、レッドブル選手、コールドスプレー選手など、大リーグオールスター級が勢揃い。

ここで腹を満たし、とにかくハンガーノックだけは起こすまいと考え、用意した選手団だった。長期戦に兵站は不可欠。戦争論に精通した俺にとって常識とも言える作戦は功を奏すかに思われたが、いかんせん食欲が全くない。

結局アンパンとバナナとみそ汁以外全く喉を通らず、食事に関しては諦めることにした。ハンガーノックになる前に、俺の溜めに溜めた脂肪類が目を覚ましてくれるのを期待するしかない。

さてそして歯磨き。思ってた通り、スッキリする。これだけでもめっけもんだ。

身体の調子を確認する。うん、限界。

いわゆる体力の限界というのは、きっちりこの59kmで迎えていた。もう無理。ここで止めても自分を褒められる。それぐらい身体が痛い。脚を前に出すための股関節が、過体重のせいかギシギシ痛む。

そうしてふと目を向けると、あ!と思った。

『リタイヤ受付』の看板が目に入った。エイドの中でもひときわ大きく、誰の目にも留まるように作られたリタイヤ受付の看板。ほかのどこよりも立派に作られたリタイヤ受付のスペース。

俺は、俺は、俺は・・・正直に告白するとこのとき、恥ずかしながらリタイヤを本気で考えた。

もういいじゃないか。よくやったよ。どうせお前、ウルトラマンになるには重すぎたんだよ。シュワッチ!とかいって空に飛び出すにも、重力に負けてんだよそもそも。野辺山は日本一の大会、しょうがないじゃないか。どうせ脚を痛めた仙人だって無理、同じ過体重の熊も無理、うすっぺらい小僧も無理、ハラルはいろんな意味で無理。兄さんだけは完走だろうけど、ほかのみんなが完走できなければそれに隠れられるし、いいじゃない。ウルトラにチャレンジしたってだけでかっこいいよ。アイアンマンに出ればハクはそっちでつけられるし、別にツラい思いしてあと40kmも走んなくたっていいよ。いい、いい。もう止めよう。アイアンマンが本番だ。身体が取り返しのつかないダメージを負う前に、やめとこう。

俺は文字にすればこんなにも長い言い訳を真面目に考えながら、少しずつ自分がリタイヤ受付の方に自分が引き寄せられてるのを感じた。

だけどもだっけっど。

エイドの奥の方を見ると、チームメイトが見えた。

しょっぱなから脚を痛めてるはずの仙人がいる。

血豆を潰したはずの熊がいる。

こんなときもタバコを吸って肺を鍛えてる小僧がいる。

とっくに脱落してしまったと思ったら、まだまだやれまっせみたいな顔してるハラルもいる。

俺は考えた。

俺がここでリタイヤしたら、きっと他のメンバーの誰かもリタイヤしてしまうだろう。そうしてそれがさらに他のメンバーにも飛び火し、最終的にはみんなリタイヤしてしまうだろう。

・・・

・・・

否!!!

ここまで一緒に頑張ってきた仲間が、俺のリタイヤを言い訳として同じようにリタイヤする姿だけは見たくない。彼らの敗北のきっかけや理由に、俺がなってしまうことだけは絶対に避けたい。彼らとともに、難しいかもしれないけれど、ゴールしたい。リタイヤしたあとにあーだこーだーその理由をヘラヘラしながら語るよりも、ぐちゃぐちゃになりながら涙を流して完走を喜び合いたい。

俺は

決めた。

完走することに

決めた。

ほんの少しの余裕もないなか、まだかろうじて残存兵力の残っている箇所を見つけ出し、仲間に先んじて走り出すことにした。

もう、諦めない。

一旦着替えて気分をリフレッシュし、補給が多く必要になることを鑑みて小さめのバッグを担いで走ることにした。

あと40km。フルマラソン一回分以下だ。知ってる距離だ。

死ぬ気で行け。

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

引かぬ媚びぬ省みぬ!

我が人生に一片の悔いなし!

 

 

 

家族とか教育とかの話

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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