ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

帰ってきたウルトラマン〜柴又ウルトラ100km列伝その2〜

time 2014/06/12


コンディションは表面上、8割ほど戻った。もちろん、中身は分からない。走ったら早々にボロが出るかもしれないし、どこかの時点で急にガクンと来るかもしれない。

それでも、『帰ってきたウルトラマン』たる矜持をもって、完走を改めて誓った俺は、予定通りの時間に起きて予定通りの電車に乗り、しかし乗り換えの渋滞に捕まりやっぱりギリギリになって会場の柴又駅に到着した。

ちなみに前日、ウルトラマンになるためのアドバイスをもらいたいということで、一緒に走るメンバーに野辺山で学んだ限りの完走のコツをメールで伝授しておいた。思えば後でこれが効いたような気がする。

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会場到着、スタート

途中、レース前で殺気立った集団に飲み込まれていた俺に、モンタさん(仮)が声をかけてくれた。FB上で知り合った方で、医師で、トライアスリートで、フルマラソンサブ3.25(3時間15分切り)で、かつ初対面という、つながりがあるんだかないんだか分かんない状態でつながった方だ。

俺のこの薄口で目立たないどこにでもいるサラリーマン風の冴えない顔を、よくこの人ごみで見つけたなと感心してしまう。会ったことないのに。

FBの写真でしか知らなかったので細身の方かと思っていたら、実物はアゴはしゅっとして胸筋はぶ厚く盛上がり、ロッキー4のドラゴみたいな人だった。

『僕なんて全然普通ですよ』という、こういう人が一番危ない。自分が普通だと思っている異常者は、ウルトラマラソンやトライアスロンの業界には結構多い。『全然普通』と言ってる間にも、胸筋がピクピク動いている。

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5時45分頃会場に到着すると、そこからは出走の6時半まで瞬く間に時間が過ぎていった。55km地点にドロップバッグが1つ置けるので、その中に何を入れるか、何を入れないのかを考えなければならない。

前回は、これだけの量を準備した。旅行初心者が、何でもかんでも持っていくのと酷似している。(結果的にこの1/4も補給できなかった。)

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今回は、これだけに減らした。少し大人になったようだ。(結果的に使ったのはこの2/3ぐらいだった。真ん中は4歳の娘が作ってるアナ雪のパズル@途中)

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恒例の、仲間たちとの出走前写真。全員でウルトラマンになることを誓う。ちなみに、この時点でウルトラマンは俺一人。プレッシャー。

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簡単に紹介しよう。右から。

教官:見た目普通、語り口滑らか、脂少なめ、中身が異常。ストイックという意味では、西の横綱がイチローなら東の横綱にこの漢を挙げたい。『習慣を習慣化する』名人で、朝4時起きから始まり、様々な成功者の習慣を体得している。確か30個ぐらい資格を持ってた気がする。話し方が穏やだが二の腕が幕ノ内一歩のように太く、丸太のよう。常勝、山王工業にいそうなタイプ。愛する家族に対する誓約と、愛するが故に家族から受ける制約の狭間で揺れている。胸筋が揺れている。

ネバッティ:俺と同じ松坂世代。柔和な語り口からは想像できないが、小学校の教師から一念発起、塾を起業/経営している。こういう漢みたいな先生ばかりだったら日本の教育業界も変わるだろうにと思うが、そんな単純な理想論では何も変えられないことをネバッティの話から理解するに至る。自称『ダメダメな学生時代を過ごしてきたからダメな子の気持ちが分かる塾講師』。ほんとにダメかは知らないが、需要も多く供給もそれ以上に多い塾経営を軌道に乗せている時点で、辣腕なのは間違いない。ハーフマラソンは1時間43分。結構速い。

ザック:W杯に湧く日本でザックと言えばサッカーの監督だが、俺たちの中でザックと言えばこの漢。俺たちのランチーム’Admiral’で最速で、サブ3.5(3時間半切り)まであと8秒というギリギリさ。あまりに速いため、Admiralのトップである元帥閣下(俺のラン、トライアスロンの師匠)の御頭脳の中では、次期組織変更にて馘首の対象の首位に挙っている。元帥閣下は、自分より速い人間を決して許さない。チャラい見た目に反して公認会計士という真面目な職業。昨年の柴又ウルトラ100kmで無念のリタイヤをしており、今年は雪辱に燃えている。自称『諦めの悪い男三井寿より、少し諦めの早い漢』。

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出走前から心に折り目をつけにくる主催者

そうこうしているうちに、スタート時間がどんどん迫る。気温は高め。というかめっちゃ高い。最高気温33度の予想。既に20度を超えている。

『今日は暑くなります!リタイヤする勇気も、また立派な勇気です!』みたいなアナウンスが出走前から何度も繰り返される。なんだかかっこ良く聞こえるけど、それって結局負けってことじゃねーか。暑さは、今回立ちはだかることになる大ボス級の敵のツートップの片割れであることに、このあとすぐに気づくことになる。

(『大人になるってことはな、夢を一つ一つ諦めていくってことなんだよ!』と格好よくカッコ悪いことを言ってた人を思い出した。)

結論から言うと、今年のエントリは男子で1500人程。完走したのは600人弱。若干のキャンセルがあったにせよ、完走率、50%切っとるやん。

暑さともう一つの敵が、このあと間もなくカサにかかったように攻め込んできて、参加者の心を次々とへし折っていくことになる。(なお、世の中には完走率が3割を切るような激烈なレースもあると、このあと知ることになる。ハードなレースほど、主催者がドSになっていくようだ。)

この出走前にさんざん流された『リタイヤも勇気の一つ!』なる間違ったポジティブ用語が、参加者のうちかなりの人数の心に折り目をつけていたように、後から考えてみれば思える。

薄い金属板に折り目がつくと、もう二度とそれ以前と同じ平面には戻らない。どれだけ戻そうとしても、小さな山が出来てしまう。『リタイヤも勇気の一つ!』という折り目が付いた人たちの心からは、終始リタイヤという文字が離れなかったことだろう。そしてそれは、結果にダイレクトにつながっていく。

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ともあれもう6時半、さあ、出走だ!帰ってきたウルトラマン、行きまーーーーーす!!!

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出走直後に現れたもう一つの敵

出走時点で20度以上、最高気温33度。ゴールが20:30とはいえ、そのほとんどを真っ昼間に走ることになる今回の柴又では、暑さが最大の敵のように思われた。

だが上述の通り、敵は双頭の竜だった。立花兄弟は、単体ではあまり怖くないが、ツインシュートやスカイラブハリケーンなど、二人揃うとシュナイダー君もびっくりの力を発揮する。

同じことだ。

暑さだけならなんとかなる自信があったが、双頭の竜のもう一つの頭の方が、もしかするとやっかいだったかもしれない。

では双頭の竜の片割れとは、何者だったのだろうか。ヒントはこちら。

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それからこちら。

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お分かりだろうか?水泳金メダリストの北島康介風に言うと、

『・・・なんもねぇ。。。』

のである。

スタート地点は葛飾区は柴又。江戸川沿いを葛飾〜埼玉〜茨城と延々と北上し、そして同じ道を延々と南下してくる。

遮蔽物は一切なく、日光が14時間の制限時間中12時間ぐらい直刺し。変化があると言えば陸橋が数キロおきにあるぐらい。景色はほぼ変わらない。横を見れば川、土手、川、土手、ゴルフ場、川、土手、川、土手、野球場、川、土手、川、土手・・・。

33度の最高気温のなか、死にそうになりながら行った道をもっと死にそうになりながらただ戻るだけ。『フラットで走りやすいコース!』とこれ見よがしに書いてある。

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愛の反対は憎しみではなく無関心と言われる。絶望に最も近いのは平易で単調な人生なのかもしれない。走りやすい柴又が、走りにくい野辺山よりもずっとツラいものであるということを、このあとがっつり思い知ることとなる俺であった。

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はてさて、とにかく今回はタイムを狙わない。とにかく完走し、ダブルウルトラマンになることが一番大事だ。

フルマラソンであれば、タイムを狙っても良い。しかしウルトラマラソンで何より大事なのは、まず完走だ。野辺山で痛みきった身体で、果たしてどこまで戦えるのか。その限界を見極めるためにも、完走は絶対にしなければならない。

制限時間は野辺山と同じ14時間。そして平易で単調とはいえ、どがつく程フラットなコース。制限時間どころか、関門にひっかかることすら、想定する必要が全くない。これが、俺の事前のレースプランだった。

そしてもろくも、その目論みは前半戦で崩れさることになる。

前半はキロ6分半、エイドでの休憩を入れて7分程度のゆっくりしたペースで進んで行く。

賽は投げられた。そして地獄の釜は、その口をたっぷり開けて、俺たちを待っていた。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

引かぬ媚びぬ省みぬ!

我が人生に一片の悔いなし!

 

 

 

 

 

家族とか教育とかの話

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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