ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

帰ってきたウルトラマン〜柴又100kmウルトラ列伝その3〜

time 2014/06/17


 

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柴又100kmウルトラマラソン最大の名物は、暑さと単調さという双頭の竜だった。上りと下りとそれに伴う各所の筋疲労がありつつも、景色が次々と変わっていった野辺山とは敵の種類が違う。

『最高気温33度』は最高気温ではなくただのアベレージで、ずっと33度だった。瞬間最大風速の33度ならまだしも、なかなか33度のバーを、お天道様は下げようとしなかった。単調さは見ての通り、ほんとに『なんもねぇ・・・』

ただ、平坦な道のりということで、野辺山ウルトラのように関門ギリギリにはなるまいと思って『1、野心的タイム(あわよくば13時間切り)』、『2、予定タイム(13時間半)』、『最低限タイム(13時間58分、野辺山と一緒)』の3種類をアンドゥトロワと準備した。

結果からすると、すぐに野心的タイムと予定タイムの計画は脆くも崩れ去り、またまた最低限タイム、すなわち制限時間ギリギリでの戦いを強いられることになる俺。

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スタート〜42km

さて、今回は野辺山と違って、景色の変動がほぼない。土手、川、土手、川、土手、川、土手、川、たまに草野球場。以上だ。

なので、『この上りがキツかった!』とか、『この下りで脚が砕け散ってしまった!』みたいな、環境に因る武勇伝が一つもない。

野辺山であれば、『序盤の上りで脚を使い過ぎると、後で響くぜベイベー』、『上りはとにかくケツで上るんだ!脚じゃない!』などといったにわかカッコいいことも言えるのだが、今回はそんな格言は一つも生まれそうもない。

ある意味、14時間ずっとただ二つの敵、すなわち『暑さ』と『単調さ』の双頭の竜と戦い続けていただけだった。

普段の俺であれば、ここに『肛門の狼』との戦いが間違いなく入ってきて四面楚歌、満身創痍での戦いを強いられるのだが、野辺山以来愛用している『ストッパ』なる鉄板ドーピングのおかげで、今回も双頭の竜との戦いのみに注力することができた。

勝負に勝ちたければ、まずはディフェンスを固めることだ。昔のサッカーのように、点をただとっていれば勝てるというほど、人生は甘くない。失点を抑えること、その後攻めること、これが肝要だ。

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柴又のシンプル過ぎるコース概要

序盤は、同志であるネバッティ、そして教官と走ることにした。スピードスターのザックは、先に行ってしまった。

柴又ウルトラのコースは、最初の5kmを南に下り、そこで折返し、あとはひたすら北上するという仕組みになっている。すなわち、10km走ると、スタート地点に戻る。

あとは55km地点までずーっと北上し、そこでまた折り返し、残り45kmをひたすら同じコースを帰ってくる。

昨年は少し違ったらしい。スタート地点からずっと北上していき、45km地点で折り返し、ひたすら戻ってきた後に『スタート地点を通り過ぎて』さらに5km南へ。そしてまた折り返し、ゴールに戻ってくる。

どちらも一本の南北に長く伸びる道を、地点のズレはあれど、ただひたすら南北に走るだけだ。

が、

①、スタート〜南に5km〜北に5kmでスタート地点へ〜北へ45km〜折返して南へ45kmでゴールへ。これが今年。

②、スタート〜北へ45km〜折返して南へ45km、ゴールを通り過ぎてさらに南へ5km〜最後は北に折返して5km、ほんとにゴール。

この、あるのかないのか分からないような些細な違いが、後でがっつり効いてくることになる。昨年トライしたスピードスターのザックはそのせいでリタイヤし、今年チャレンジした俺は今回の折り返し地点変更のおかげで完走できたとも言える。

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繰り返しになるが、とにかく序盤はネバッティと教官と、ただただひたすら並走した。

これには理由がある。

『気を紛らわすため』だ。

ふざけているわけでも、適当に言っているわけでもなく、かなり本気の理由。

100kmもの距離を走るにあたり、文字通り100kmを耐えようとすると、なかなかに厳しい。投げ出したくもなるし、途中でイヤになる。

こういうときは、出来る限り気を紛らわすことがとても大事だ。10kmでも20kmでも話をしながら走れば、気づいたときにはそれなりの距離が積み上げられている。

あれ?もう◯◯km走っちゃったじゃん、なんてことになれば理想的。

単純作業には、二つ大事なことがある。

『いかにそれを楽しむか?』が一つ。ゲーム性を持って峠を上った野辺山などは、このテクニックを使った。

そしてもう一つが今回の、『いかに気を紛らわせるか?』だ。

言葉にすると難しいのだが、要はいかにその単純作業をしているという自覚のない状態に身を置くか、が勝負。ダイエットのための腹筋はツラいが、アブトロニクスを使えばテレビを見ながら腹筋が鍛えられます!みたいな感じ。

今回はネバッティの塾経営の話、教官の習慣形成の話を入念にヒアリングし、学びながら走ることができた。おかげで、気づいたら、20kmを超えていた。

走りながら話すということで呼吸器官を酷使しすぎた教官は、ここで離脱することになる。後から考えれば、悪いことをした。

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褒める人、うなだれる人、倒れる人

10kmでハイタッチ、20kmでハイタッチ、30kmでハイタッチと、並走するネバッティとは10kmごとにハイタッチをした。長期戦ほど、各プロセスごとに自分の歩んできた道のりをきちんと評価してあげることは大事になってくる。

受験生にとって、本番前に何度も模擬テストが存在するように、自分がどの程度進んでいるのかを確認し、それを承認するということは、大きな目標を達成するときこそ必要な考え方だ。

100kmを丸ごと捉えるのではなく、小さな塊の集合体として見る。それだけでも、達成ごとに自分が自分を承認できる回数が増える。こういうのは、合理性だけではなく感情も考慮して考えると良い。

合計が一緒でも、ただ分けるという作業をするだけで、途端に目標は自分の守備範囲に収まってくる。

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で、何はともあれコースに抑揚が一切ない。行けども行けども変わらない。

そして暑い。とにかく暑い。

別に手を抜いているわけではなく、真面目に走っているのに、約2.5kmごとに現れるエイドで給水なりストレッチなりをちゃんと行うと、どんどんタイムが食われていく。

そして30kmぐらいになると、エイドごとにこういう人たちが現れる。

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エイドのボランティアの人たちが用意してくれた椅子は満席になり、そして何人かに一人は、必ずうなだれている。

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うなだれているだけではなく、時に結構な人数が倒れている。

暑さと単調さ、暑さと単調さ、暑さと単調さ、暑さと単調さ。

人間の精神に『諦める』という文字を刻み込むには、絶好の条件が整った大会のようだ。

どこのエイドだか忘れたが、土手に人が倒れていた。その人は電話をしていた。どうやらリタイヤしたいからバスを回してほしいという要請を運営側に出したようだが、『中間地点までは自力で来てくれないと、回収できません』とでも言われたのだろう。

『だから動けないっつってんだろが!』

倒れている地点と中間地点までは、まだ10km以上も離れている。叫んだ彼は悪くない。だが、叫べる体力があるという時点で、てめーまだ元気じゃねーか、という証拠である。走れ、お前。

フルマラソンと違い、リタイヤする場所は自由に選べないのがウルトラマラソンだなと思った次第。

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51対49の法則

俺は、エイドごとにきっちり休むことにしていた。股関節はいずれ動かなくなるし、脚も売り切れ始めることは自明だったから、ストレッチに時間をかけることにしていた。

しかし一方で、休みすぎないことも決めていた。上の人たちのように完全に休んでしまっては、走り続けることは出来ない。

休むか休まないかは、結構な確率で51対49になっている。どういうことかというと、表面だけ見れば休む=100、休まない=0だが、心の中は休む51対休まないが49で、わずかに休むが勝っているに過ぎない。

差はわずかに2である。そう大した差ではないように思える。

でも、それぞれのエイドごとに、心の中で休む=51対休まない=49となって休みの勝利=結果的に毎回休んでいる人と、休む=49対休まない=51となって休まないの勝利=結果的に毎回休みを短時間で切り上げられる人との間には、パフォーマンスということで言えば絶望的なほどの差ができる。

たった『2』の差が、圧倒的な差になるのだ。

ランの経験でも、仕事の経験でも、痛いほどこの『2』の差を知っていた俺は、ネバッティとともに必要最小限の休憩で切り上げて、走ることにした。

***

10km、20kmまでは話をしていたおかげもあってあっという間だったが、30kmを過ぎる頃には会話がなくなっていた。野辺山ウルトラを2週間前に走ったときの疲労は、やはり徐々に顔を見せ始めていた。

身体がどんどん重くなっていく。柴又の疲労もさることながら、野辺山の疲労が身体の奥底からにじみでてくる。

まだ70kmもある。まだ70kmもあるのか。ん?残り70kmか。70kmごときかこの野郎。

断言してみたり疑問符を付けてみたり、抑揚を変えてみたり軽口を叩いてみたりしたが、結局残り70kmという距離は変わらない。

うーん、長いぜ。30km地点で既にスタートから4時間以上を使っている。(スタート:6時半)

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42km地点でとりあえずフルマラソン1回分を走破してまたネバッティとハイタッチしたが、この時点で5時間半以上を費やしていた。

フルマラソンでサブ4(4時間切り)をするとそれなりに疲れるが、ここまでの42kmでもしっかりフルマラソン1回分疲れていた。

ウルトラは疲労感もウルトラなのである。

ここで、ネバッティと別れることになる。正確に言えば、ネバッティのペースが暑さのためか上がらなくなってしまった。折り返しの55km地点まで、そんなに余裕はないのでペースは上げざるを得ない。がんばれ、ネバッティ。すまん、ネバッティ。

このクソ暑いなか、厚着をしていた牛さんも、懸命に走っていた。IMG_0075

 

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

引かぬ媚びぬ省みぬ!

我が生涯に一片の悔いなし!

 

家族とか教育とかの話

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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「ラオウを目指す羅王のブログ」にようこそ。修羅が蔓延る世紀末の日本を、「北斗剛掌派」という思想体系を以て変える活動をしています。我が生涯に一片の悔いなし!と言える人生を送るため、101回目のダイエットに励んでいます。