初体験の2.5kmのスイムを無事終え、初体験の激坂2.0を瀕死の状態で終え、なんとかランまでたどり着いた俺。
しかし、あとはラクできると思った俺が間違っていた。
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のぼりざか、くだりざか、まさか

完璧に見えたみやじまトライアスロンのエイドにも、強いて言えば一つだけ穴、というか改善してほしい点があったような気がする。
それは、エイドの『飲み物の順番』である。
大抵のエイドでは手前から、水→スポーツドリンク→コーラ
となっていた。
これだと、俺の飲む順番も、水→スポーツドリンク→コーラ、となる。それも毎回。
するとどうなるか?最後がコーラで終わり、すっきりしゅわしゅわに恍惚としながら出発したのもつかの間、あっという間に喉が渇く。
そうしてたどり着いた次のエイドでは、まず乾いた喉に水を流し込み、次により喉越しの良いスポーツドリンクを飲んで、最後にすっきりすべくコーラを飲んでしまう。
コーラは少量であればカフェイン効果で覚醒し、疲れた身体にドーピングが出来るのだが、この流れだと際限なく飲んでしまう。分かっているけど止められない。この日は約30度。たぶんコーラだけで1Lぐらい飲んだだろうか。
結果どうなったか?
2PPである。因数分解すると、2回×OPP。直前に大量に飲んだストッパ様も、俺の肛門を閉め切るには至らなかった。このせいで18分ぐらいのロス。
人生に三つある坂とは、このレースですべて直面することになった。ストッパには全幅の信頼を置いていたのに、これでまた招集するメンバーを考えなければならない。国産か海外組か。
俺の尻にカテナチオをかけられるのは、一体どのメーカーだろうか。
人生にはのぼりざかとくだりざかとまさかがある。
ストッパ2錠で止められなかったコーラの残党の勢いは、俺をまさかに突き落とした。
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素敵過ぎるジモティたち

2回目のOPPでは、なんと民家にお邪魔することになった。道ばたで応援しまくっていたじいちゃんに、顔を引きつらせながら『御手洗を貸してください!』と頼み込んだら、『いいよ!おいで!』と快諾。
こんな汗まみれのどこから来たか分からない華奢な紳士を迎え入れてくれる地元の人たち、素敵過ぎる。家にはそのじいちゃんの奥さんと思われるばあちゃんがいて、突然押し掛けてきた珍客に怯えていた。ごめん、ばあちゃん。
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あと気になったのは、やたらかかしが多かったこと。道ばたで応援してくれてる人が沢山いる!と思ったら、10体ぐらいへのへのもへじのかかしが並んでいたことがあった。それも複数回。
応援したいけど人数が足りない!ということで設置してくれたんだろうけど、かかしを導入してまで応援してくれる地元の人たち、素敵過ぎる。
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相変わらず子供たちの応援がスゴい。バイクに比べてスピードの落ちるランだからこそ、そのありがたみがよくよく分かる。
5歳以下の子は、たぶん親に言われてがんばれー!って言ってくれてるんだと思う。これが6歳を超える子になると、自分の意思も少し入った応援をしてくれてるように見える。普段エラそうに余裕ぶっこいてなんでも知ってる顔してる大人が、汗ダラダラで顔を引きつらせて死にそうになりながら頑張ってる姿は、何かしら響くところがあるのかもしれない。
俺はバイクで終わりだと思った激坂がランでも続くことに辟易し、sometimesというよりはoftenな感じで歩いてしまったが、それでも子供たちが声を張り上げてくれるエリアでは、決して歩かなかった。
子供がいないところではばっちり歩いたし、メッキまみれの走りだったけど、とにかく子供が視界に入ってるうちは絶対に歩かなかった。
思うに、大人は常に、実力じゃなくてもいいから子供にはかっこいい姿を見せる必要があるんじゃないかと。大きくなったらそんなのが一時のハリボテであったことは、きっと子供たちも気づくだろう。
それでも、子供の頃に見る大人の姿ってのは、すごく大事だ。大人であれば誰も彼もが偉大に見えた経験は、きっと皆にあるはずだ。大きな夢も小さな夢も、それを叶えた人の脳裏には、子供の頃に見た大人の姿って、きっと焼き付いていてそれが指針なり北極星になってると思う。
てなわけで、俺は完全ハリボテを自覚した上で、子供たちの前ではものすごくカッコいい走りを展開した。子供たち、もう大喜び。
ありがとう。
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いろいろあって、そしてゴールへ

上りはひたすら歩き走りを繰り返し、下りは極力スピードを上げる。『あと何km?』と聞いても三人に聞いたら三通りの答えが返ってくるなか、一歩一歩脚を前に進めていく。
途中、前回の伊豆大島トライアスロン(※暴風雨で大島まで行ったのに中止。)で出逢った『総統閣下』に歩いているところを見られてしまった。総統閣下は、経営者であるせいか高らかに笑いながらどぎつい軍令を発せられるのが特徴の御大。
『走れ、二等兵!』
その場で直立不動になってしまった俺は、恐ろしいスピードで下っていく総統閣下を、尊敬の眼差しで見送るしか出来なかった。後から聞いたら、しっかり総統閣下も上りでは歩いていたようだが、そんなことはおくびにも出さずに部下に厳しい軍令を発せられるのが、将軍格たる者の器なのだろう。
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しばらくすると、今度は筋肉ムキムキな破壊的肉体を持つシハンさんとすれ違った。やはり速い。
『%&※◯×=△#$するぞーー!!!』
なんだかヘタリ気味の俺を勇気づけるべく長めのかけ声をかけてくれたようだが、最後の数文字しか聞き取れなかった。後で失礼を承知で『何言ってるのか分かりません』とクレームを入れておいた。
ツラい上りを上りきると、一転、今度は長い長い下り坂。およそ8kmほど、下る。キロ4分10〜30ほどのペースで、脚に負担をかけまくりながら下る。野辺山や柴又のウルトラで鍛えたおかげか、心肺はイマイチでも脚に負荷をかけることには慣れたようだ。
80kgオーバーの身体をドスドス躍動させながら、バシバシ人を抜いて降りていく。
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平地になると、スピードが極端に遅くなる。サブ4ペースぐらいで走るのが精一杯か。それでもあと2km。たった2kmだから頑張ろう。
思えば、素晴らしい大会だった。マラソンの時にそんなことを感じたことはなかったが、トライアスロンの場合は、その大会の価値の半分は地域柄なんじゃないかと思う。(もう半分はレースそのもの。)
宿が素晴らしかった。そのハードも素晴らしかったが、絶妙な距離感でサービスを提供するソフトはもっと素晴らしかった。
ご飯が美味しかった。なんというか、どれを食べても一手間かけられていて、感動するレベルだった。
応援が半端なかった。『羅王さーーーーん!がんばってーーーー!!!』と聞こえてきたので何かと思ったら、わざわざプログラムで俺のゼッケンを探して応援してくれていた。それも何人も、何人も。子供の声は特に力を沢山くれた。
宮島の街は、世界遺産なのに不思議な街だった。商店がぽつぽつ並ぶ通りには鹿がのそのそと歩いており、『いらっしゃいませー!』の呼び込みの声を一度も聞くことがなかった。観光客との距離感が、なんだか絶妙な街で本当に居心地が良かった。
そんなことを思いながら走っていたら、ゴールゲートが見えてきた。
最後は笑顔で、ゴール!
タイムは6時間6分。速いのか遅いのかは分からない。でも、最高の大会だった。
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ボランティアの女子中学生の子たちは本当に随所で頑張ってくれた。(後で御礼がてら聞いたら、女子中学生に見えた子たちは女子高生で、さらに3年生だった。幼すぎるぜ広島人!)ありがとう。
K兄さんが最初にゴール、次に数分遅れで俺がゴール。さらにゴールしてきた元帥閣下をお迎えする。負傷して大腿が腫れていたというが、元々太ももがそれぐらい太いことを俺は知っている。
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レースの終盤で見かけた亀仙人のじっちゃんと。じっちゃん、なんと62歳にして孫ならぬ娘が出来たもよう。(+他部からの刺客、つっしーさん)
クリリン!じっちゃんはオラたちに教えてくれたぞ。ヤレばデキるってな!!!
 
 
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(K兄さんは所要で即時帰宅。)
みやじまトライアスロンを支えてくださったすべての方に、改めて御礼申し上げます。素晴らしい(どMな)大会をありがとうございました。おかげさまで課題も見え、成長も確認することができ、8月のアイアンマンに弾みを付けることができました。また来ます!
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。
引かぬ媚びぬ省みぬ!
我が人生に一片の悔いなし!
 
 

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