ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

IRONMAN JAPAN 2014 完『騒』記〜半年間の奇跡の軌跡 その9〜

time 2014/09/16


2014年8月24日、25mプールで溺れそうになってから約半年、今期最大の目標としていたIRONMAN JAPAN 2014(スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km)を完走し、無事『IRONMAN=アイアンマン』になりました。半年間の奇跡の軌跡を、またまた赤裸々に綴っておきたいと思います。何回シリーズになるかは不明。

ご参考までに、走り始めて9ヶ月で初ウルトラマンになった野辺山100kmウルトラマラソン日記はこちら。

その2週間後にダブルウルトラマンになった柴又100kmウルトラマラソン日記はこちら。

ウルトラマラソンやアイアンマンを目指す方、人生の角度を少しでも変えたい方、何とかやってはいけるけど日々出し切ってない感に苛まれている『普通の人』の気づきと勇気と元気の一助になれば幸いです。目黒勤務の『普通人』より。

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※主な登場人物

元帥:ラン、トライアスロンの師匠。筋肉かなり多め、好き嫌い多め、見た目ダヴィデ像め。柔軟体操が全く出来ず、色が黒いのに美白を目指している。

K兄さん:ミスター盤石。全てが盤石過ぎて、弱点が全く見当たらないところが弱点。海外生活が長かったせいか、『アドバイス』を『アドヴァイス』と必ず言うし必ず書く。たまに『だっはー!』と笑うが、その笑い方のルーツは不明。

仙人:ほぼ同い年なのにあらゆる点でレベルの違いを感じさせる漢。見た目も中身も解脱気味。一緒に100マイルトレイルを走れる女子を目下検索中。

三人に共通するのは、全員心から尊敬すべき漢たちであり、卓越したビジネスパーソンでもあるということである。

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スイム3.8km 88分

スイム3.8kmが始まった。何気に、この距離を泳ぐのは初めて。本番前にプールで距離だけは同じように泳いでおこうと思ったら、前述の落車による怪我をしてしまったため、2週間丸々おとなしくしているしかなかったからだ。

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そして今日は、絶対に無理が出来ない。つい先ほども、このようにして呻きながら自分の花園に座薬を挿入してきたばかり。

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普段は、こんな感じでチームメイトからは『シャチだ!クジラだ!』と邪魔者扱いされながら泳いでいるのだけれど、この日に限ってはウミガメのようにおとなしく泳ぐことを誓う。プァーン!が鳴って、いざアイアンマン!と思っても、そのテンションを泳ぎに持ち込まないように細心の注意を払った。

イルカ

 

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さて、コースはこんな感じ。スタートからいきなり1km先のブイを目指し、スイムのフィニッシュゲートへターン。フィニッシュゲートをお預けにしてスタート地点近くの通過ゲートを目指し、少し角度の変わった2週目に入る。

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(Source:Official Web Site

 

スイムは、とにもかくにも、最初の500mが勝負。この500mで落ち着ければその後はなんとかなるし、そうでなければリタイヤとなる。体力が続かずにリタイヤ、ということはスイムの場合あまり考えられない。それよりも、パニックが何より怖い。

海で泳いだことのある人なら分かると思うし、プールで息が上がるほど泳いだことのある人なら分かると思うが、ある閾値を超えた瞬間に水が死神の住処に見えてくる、あの恐怖といったら言葉では表現出来ないほど怖い。死神が鎌を素振りしながら、『こっちおいで〜、待っとるよ〜』と、微笑みかけてくる。

今まで学んだことと、この日のコンディションを考えて、自分の中で心がけることやルールを決める。

・ヘッドアップ(呼吸の際に方角を確認すること。流されるから。)は肩と背中の負荷を減らすために必要最低限にする。その代わり、近くを泳いでいる人をコンパスにする。

・ヘッドアップの際は、ブイは小さ過ぎて目標にしづらい。かといって建物を目安にすると見失いやすいので、山を目安にする。多少の蛇行は仕方なし。それよりも肩を温存する。ヘッドアップをやるとやはり首から肩にかけて猛烈に疲れる。

・ペースは、上げられても上げない。ラスト1kmなら、という色気も出さない。とにかく、最小限の負荷でスイムを上がり、もっと負荷のかかるバイク、ランに備える。絶対に無理はしない。

・万事、プライドを抑える。自分はもっと速く泳げる、もっと早く速く漕げる、もっと速く走れる、俺はやれば出来る、そんなことは分かっている。でも今日だけは、それを封印しよう。アイアンマンはDead or Alive。Aliveな状態でゴールまでたどり着こう。再発したら歩くのも無理だ。

そんなわけで、高速レースをしている人たちには申し訳ないほどのスローペースで、泳ぎ始めた。焦らない、急がない、力を入れない。

速い人には速い人なりのレース運びがあると思うが、俺には俺の、今日やらねばならないレース運びがある。

最初の方は例によってそれでも慌ててしまい、肩への心配が心拍数に跳ね返ってきてしまって危なく溺れそうになったが、500mを過ぎる頃には安定してきた。

俺は、だんだん嬉しくなってきた。泳げてる!俺は泳げてる!!!

肩は、なんとか回り続けている。呼吸も、苦しさは一切なく、安定している。俺は、アイアンマンのスタートラインに初めて立てた気がした。やれる!いける!

『ヨッシャー!(ゴボゴボ)来いやオラぁ!(ゴボゴボボ)アイアンマンになったるどー!(ゴボボボボボボ)』と、水中で叫ぶ。スタートラインに立てる、たったそれだけのことが、こんなにも嬉しいなんて!!!

***

いつの間にか、2週目に入っていた。

ふと思う。

神の気まぐれ、万に一つの奇跡のおかげで、俺は泳ぎ続けられている。

でも、一度痛みが再発すれば、俺は冗談抜きで死ぬだろう。昨日の感じだと、ライフセーバーが助けに来てくれるまで、浮いていることは出来ないと思う。肩と背中の痛みのせいで、立ち泳ぎで粘ることも、手を上げて助けを呼ぶ事も出来ない。恐らくは、痛みに悶えながら、気づかれずにそのまま沈んでいく。

起きたときの可能性としてはとてもリアルな想像をしながら、しかしそれが起きない奇跡に感謝しつつ、俺は前へ前へと進んだ。幸いにも、痛み止めはばっちり効いている。

これをゾーンというのだろうか。最後の方には、仮にこれが10kmのスイムだったとしても、ずっと泳ぎ続けていられそうな気がしていた。松井秀喜が骨折しながらも試合に出てホームランを打ち、ナダルが膝を痛めながらもウィンブルドンで優勝する。格は違えど、同じようなゾーン状態に、俺も入ることが出来ていたようだ。

そして、ついにスイム3.8kmのゴール!右手にG-SHOCK、左手にGARMINをしていたが、両手にしていて正解だった。GARMIN、全く動いていない。この日、GPSを搭載したこの時計は、ただのアクセサリーと化した。

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88分と、全く力を入れずに泳いだ割には、まぁまぁのタイム。90分を切れていれば文句はない。楽しいスイムだった。今までで一番楽しかった。人間、健康が一番だ。

興奮のあまり全く分からなかったが、俺のスイムアップのマイクコールが川平慈英みたいな声でされていたらしく、先に上がってバイクに乗る準備をしていた仙人がそれに気づいてくれたようだ。

アイアンマンの演出はこんなところでもアイアンマンだ。

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スイムアップをして、バイクバッグを受け取り、選手でごった返している着替え用のテントに入った。前日、前々日の大雨で、地面はぐっちゃぐちゃ。なのでテント内もぐっちゃぐちゃ。

かろうじて場所を確保するも、座る場所があるわけではないので、多少なりとも疲労を感じる身体にはツラい。仙人のようにまごついたり悶えることもなく、上下ともに素早く脱ぐことができた。

仙人

バッグからバイクパンツやシューズを取り出し、バイク専用フォルムに着替えをした。あとは補給食とばかりにバッグの中を覗き込むと、なんと大量のアリさんが。

おいおい、お前らも観戦か。アイアンマンに憧れてんのか。

おいなりさんやグミ、ワッフルなどの御馳走を探知したのか、俺の応援に来てくれたのかは知らないが、なぜか30匹ほどのアリさんが俺の袋の中を闊歩していた。不思議と、補給食の中に入り込むことは誰もしていなかった。じゃあ、何しにきたんだ。

(ちなみに次の日、どれだけのアリをピックアップすることになるだろうと怯えながらバイクバッグを開けたら、なんと一匹もいなかった。アイアンマンが終わり、故郷に帰ったようだ。)

***

そうして着替え、ちょっとした補給、シャンプー、ブロー、乳液と化粧水とたっぷりと時間をかけた俺は、スイム→バイクのトランジションを15分もかけて完了させた。

ぐっちゃぐちゃの地面を踏み固めながら、バイクをピックアップして、既に底がぐっちゃぐちゃになった靴をバイクのビンディングにセットして、走り始めた。

ここから180km。果たして、俺は耐えられるのだろうか。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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「ラオウを目指す羅王のブログ」にようこそ。修羅が蔓延る世紀末の日本を、「北斗剛掌派」という思想体系を以て変える活動をしています。我が生涯に一片の悔いなし!と言える人生を送るため、101回目のダイエットに励んでいます。