ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

IRONMAN JAPAN 2014 完『騒』記〜半年間の奇跡の軌跡 その15〜

time 2014/09/24


2014年8月24日、25mプールで溺れそうになってから約半年、今期最大の目標としていたIRONMAN JAPAN 2014(スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km)を完走し、無事『IRONMAN=アイアンマン』になりました。半年間の奇跡の軌跡を、またまた赤裸々に綴っておきたいと思います。何回シリーズになるかは不明。

ご参考までに、走り始めて9ヶ月で初ウルトラマンになった野辺山100kmウルトラマラソン日記はこちら。

その2週間後にダブルウルトラマンになった柴又100kmウルトラマラソン日記はこちら。

ウルトラマラソンやアイアンマンを目指す方、人生の角度を少しでも変えたい方、何とかやってはいけるけど日々出し切ってない感に苛まれている『普通の人』の気づきと勇気と元気の一助になれば幸いです。目黒勤務の『普通人』より。

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※主な登場人物

元帥:ラン、トライアスロンの師匠。筋肉かなり多め、好き嫌い多め、見た目ダヴィデ像め。柔軟体操が全く出来ず、色が黒いのに美白を目指している。

K兄さん:ミスター盤石。全てが盤石過ぎて、弱点が全く見当たらないところが弱点。海外生活が長かったせいか、『アドバイス』を『アドヴァイス』と必ず言うし必ず書く。たまに『だっはー!』と笑うが、その笑い方のルーツは不明。

仙人:ほぼ同い年なのにあらゆる点でレベルの違いを感じさせる漢。見た目も中身も解脱気味。一緒に100マイルトレイルを走れる女子を目下検索中。

三人に共通するのは、全員心から尊敬すべき漢たちであり、卓越したビジネスパーソンでもあるということである。

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ラン42.2km 5時間50分の情けな過ぎる戦い 終編

暗闇対策でプリズムスティックを手に入れた俺は、蛍光灯でかろうじて見える地面と、スティックでかろうじて見える対向者に視覚を集中しながら、しかしたった10歩でプリズムスティックを割ってしまった。

手に入れたおもちゃが、ほんの一瞬で粉砕された。極限状態にいると、こんな些細なことでも心に堪える。盆踊りのお祭りを思い出してウキウキしていたのに、ポトリと落ちたプリズムスティックは折れて光を放たないただの棒になってしまった。

ようやくラスト10kmの折り返しにたどり着き、まだ余っていたプリズムスティックを手に入れた俺は、なぜだか突然こみ上げてきた涙を、抑えきれなくなった。

あとたった10kmでこの長い長い戦いが終わることは分かっている。闘志が湧いてきたっていいはずなのに、何が悲しいのかも分からないまま泣く。戦いの前日と戦いの直前に使い切ってしまった精神力と、丸二日に渡る薬物中毒状態は、俺から最後の戦意さえも奪ったようだった。

『頑張れ!』

『あと10kmでアイアンマン!』

『最後だよ!絶対いける!気合いいれろー!』

ありがとう、ありがとう。泣きながらうなづく。

またちょっとだけ、エネルギータンクに貯金が出来た気がする。

最低でも、エイドの人たちから見えている限りは走ろう。そう思って、走り出すことにした。

あと10km。いつもなら1時間かからない距離。

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エイドで充電したエネルギーが、またほんの少ししたら枯渇してしまったので、歩いたり走ったりを繰り返す。

ツラいので、音楽を聞きながら気分を盛り上げる。

『熱くなれ!』by大黒摩季

『それが大事』by大事MANブラザーズ

『栄光の架け橋』byゆず

『ハッピージャムジャム』byしまじろう

などなど、錚々たる面々が俺を盛り上げる。一曲ごとにほんの少しのエネルギーをチャージし、そしてまたすぐに使い果たし、また注入し、すぐに枯渇する。

物理的なドーピングはもう限界を超えていたので、今度は精神にドーピングをする。が、当然のごとく、ドーピングの効果はどんどん薄くなっていく。

一曲ごとに注入されるエネルギーの量が、明らかに少なくなっていく。

***

爆音で精神ドーピング用の音楽を聞いていると、湘南乃風の『睡蓮花』が回っている頃だっただろうか、向こうからてけてけとプリズムスティックが近づいてきた。このままでは衝突する。なんだ?俺に気づいてないのか?

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プリズムスティックは俺との距離が詰まっても、引き続きてけてけと近づいてくる。スティック以外は何も見えない。スティックだけが近づいてくる。

普通なら、そろそろソイツのウェアなり脚なりが見えてくるぐらいの距離である。およそ5m。それが、スティックしか見えない。俺の視覚は疲労でそこまで機能しなくなったのだろうか。

音楽をガンガン聞いていたのでそのまま衝突回避のために通り過ぎようとしたら、何かが俺の身体を圧迫した。

覇王色の気だ。

大豪院邪鬼のような、そこにいる者全てに服従以外の選択肢を与えない、圧倒的な存在感。

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(Source:魁男塾)

元帥だ! 

俺は、そそくさとヘッドホンを外し、てけてけとプリズムスティックが光る方に目をこらした。なんと、俺を見つけてこっちに近づいてきてくださったようだ。

元帥の姿は暗闇にうごめく黒い筋肉といったていで、すなわち『黒闇』といったていだったためほとんど視認できなかったが、それでもあの懐かしい圧迫な雰囲気で、かろうじて元帥の存在を認識することができた。

元帥:『羅王・・・あの・・・』

俺:『御意!』

俺は、何を命じられるでもなく、直立不動、最敬礼で返答していた。生物というのは、無意識のうちに生存本能に刻まれたヒエラルキーに反応するものなのだ。

***

半端ではなく遅い俺と同様かそれ以上に、元帥のスピードも遅めなことは、逢った位置で分かっていた。

どうやら、バイクでトラブったのと、太すぎる太ももがまた腫れたらしい。そして手持ちのロキソニンがなくなり、全く走れていないようだった。腫れていても腫れていなくても太いこの太ももが、全く機能していないらしい。

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俺は迷わず自分が内科医を脅して奪ってきたロキソニン60を、元帥の御手にねじ込んだ。まだ余っていた坐薬をねじ込む提案を差し上げたが、それは丁重に断られた。

元帥:『い、いいんですか??』

俺:『御意!』

俺はまた最敬礼をして、敬愛する上官に別れを告げた。次にお逢いするのは、ゴールだ!!!

***

最後のロキソニンを元帥に手渡し、俺はまた走り始めた。あと9km。

進んでいるのか進んでいるのかすら分からないなか、それでも少しずつ進む。ゴールは確実に近づいてきている。俺はもうすぐアイアンマンになる。

あと8km。俺はただ黙々と走った。

あと7km。俺はただ黙々と走った。

あと6km。俺はただ黙々と走った。

あと5km。俺はただ黙々と走った。

あと4km。俺はただ黙々と走った。

あと3km。俺はただ黙々と走った。

あと2km。俺はただ黙々と走った。

この間の記憶は、正直なところほとんどない。ほとんどないけれど、真っ暗闇の中を、心の中も暗闇にして進んだ。粘れも頑張れもしないけれど、一歩、一歩、ただゴールを目指す。

***

あと2kmまで来た。そろそろホテル街だ。街の明かりが、ほんの少しずつ見えてくる。

最後のエイドで立ち尽くしながら最後のエネルギーを注入する。もはやここで注入しても吸収されるのはゴールの後なのだけれど、それでも気休めを注入する。

2回のウルトラマラソン、そして今回のアイアンマンで、極限状態での気休めや気晴らしの大切さは、イヤというほど理解できたし、ある程度は体得できたように思う。

最後2km。最後は、走った状態で格好よくゴールしたい。

応援の人たちが、だんだん増えてくる。

『最後頑張れー!』手を振って応える。

『アイアンマーン!』そうか、俺は間もなくアイアンマンか。

ありがとう!ありがとう!

沿道の人に、心からの感謝とともに笑顔を送り返す。こんな時間(21時半ぐらい)まで、さっき折返すときにいた人が、まだいてくれる。なんてありがたいんだろう。

ラスト1km。もう、止まらない。

今出せる全力で、スピードを上げる。ゆうてもキロ6分半ぐらいの超スローペースだけれど、俺にとっての限界のスピードでゴールを目指す。

ゴール手前300mのエイドで、最後のドリンクを受け取・・・らずに、そこにいた全員に大きな声で

『1日ありがとうございました!』

と御礼を言った。その日1日、エイドでサポートしてくれた人たち、沿道で応援してくれた人たち全員に対する、心からの御礼だった。本当にありがとう。

***

ゴールゲートが見えてくる。夢にまでみた、あのゲート。

あのゲートをくぐると同時に、ただのトライアスリートから、アイアンマンになる。この半年のチャレンジの数々が、走馬灯のように流れる。

こういった極限状態が何時間も続くようなレースというのは、パンドラの箱の底に希望が残るのと同様、アホみたいな量の苦難苦痛を乗り越えた後に、強烈な光に包まれた感謝の心を感じることができる。

ありがとう!ありがとう!

さぁ、ゴールだ!今回も柴又ウルトラのように、コレでゴールをしたい。

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奥さんと娘を探す。

いた!

娘に手を伸ばすと、娘を抱こうとしていた奥さんが顔を曇らせる。

娘は顔をそむけている。

どうやら、昼間にアイアンマン応援グッズを振り回しながら各選手を応援しまくっていたら疲れてしまって寝ていたらしく、今はちょうど寝起きだとのこと。

OMG!日本語で滅多に言わないが、なんてこったい!!!
(娘に『ね!?ね!?プリキュア買ってあげるから!買ってあげるから!』と涙目で懇願するも、機嫌の悪さに泣いて断られる無惨なアイアンマン手前の漢)

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・・・

OK、仕方ない。一人でゴールしよう。

残りの数歩で気を取り直し、ゴールゲート手前で通路の両方から無数に伸びてくる手にハイタッチをしながら、御礼をしながら、俺はゴールを果たした。

この日ここにたどり着くまでの日々、直前の大トラブルの全てを思い出しながら、俺は、誰に恥じることもなく、声が枯れるほどの雄叫びをあげた。

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アイアンマンに、ついになった。

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若干気を取り直した娘。遠くまで来てくれてありがとう。アイアンマンになった瞬間を見せられて、本当に良かった。

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仲間たちとハグをし、ポセイ丼4人が誰一人欠ける事なく、アイアンマンになれたことを喜び合った。先にゴールした仙人、K兄さん、そして俺のロキソニン60を使ってからのラスト10kmを信じられないペースで走ってゴールされた元帥。

皆、本当に心から尊敬する、素晴らしい仲間たちであり漢たちだ。

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ありがとう。本当に、ありがとう。

 

俺は、この日、ついにアイアンマンになった。

***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

引かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

 

 

家族とか教育とかの話

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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