ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

インド5弱の衝撃!8年ぶりに行ったインドの話 その11

time 2014/10/14


8年ぶりにインドで逝ってきました。今回は随一の経済都市ムンバイ。

全く変わっていないインド、大きく変わったインドの両方が楽しめた旅でした。

インド5弱の衝撃をどうぞ。日本が抱える問題点の解決策を持ってる気がするのは気のせいだろうか。。。

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※主な登場人物

トミー(Tommy):世界屈指の外資系コンサル会社に勤めるエリートな漢。ふとしたきっかけからムンバイに赴任することとなり、今回の旅のホストして活躍。なぜか僕に色々と相談してくる。語学が堪能。ランチームアドミラル所属。

マッチ:某ITベンチャーの若きエグゼクティブVP。カラオケで必ずマッチの曲を歌うところからマッチと呼ばれている。体型もマッチ棒っぽい。息を吸いながら話し続けることが出来る特技の持ち主。ハートが異様に強い。語学は堪能とは言い難いが、魂で話す。

ザック:公認会計士に教える公認会計士。フルマラソン3時間30分切り(サブ3.5)まであと8秒というとても惜しい漢。会計士仲間の先輩には『おしゃべりクソヤロー』言われるほど普段は饒舌で僕から見てもとても話が上手いのだが、今回の旅では貝になっていた。ランチームアドミラル所属。語学は堪能に見えていたのに、結構とんでもない実力だった。

エンペラーの会:僕が主催する勉強会。共に学ぶ同志。

三人に共通するのは、全員心から尊敬すべき漢たちであり、卓越したビジネスパーソンでもあるということである。

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エリート戦士、トミーの憂鬱

トミーのポップコーン放置事件に心を乱されながらもトミーズハウスを出た僕たちは、つい先ほど予約が完了したばかりのスラムのツアーに出発した。

これから行く先は、スラムの内部。一体何が起こるか分からない。冗談抜きに、最悪の場合は帰ってこられないことも覚悟しなければならない。

昨日はエンペラーの会としての最後の晩餐だったが、今日のお昼ごはんが自分自身の最後の晩餐になるかもしれない。

僕はトミーに、あるお願いをした。

『トミー先生・・・美味しい・・・美味しい本格的なインドカレーが・・・食べたいです。。。』

トミーはため息をついた。

インド滞在9ヶ月目になるトミーにとっては、毎日毎日がインドカレー。朝も昼も夜もインドカレー。お腹が空いててもお腹が一杯でもインドカレー。エンペラーの会でもやっぱりインドカレー。

もうお前の出番はないよと一番言いたいのがインドカレーのようだった。僕たちを喜ばせるために、本当は中華が食べたいのに、無理矢理カレーに付き合ってくれていた。

エンペラーのほとんどが日本に帰国し、もうおのぼり日本人のインド熱に付き合うことはないと安心していたのだろうか。僕が本格的なインドカレーが食べたいという旨を伝えたところ、

・・・

・・・

『インドで食べてんだからどこだってある意味本格的だろうがこのド素人がゴルァ!!!!!』

という顔を微塵も見せずにとは言い切れない複雑な表情をしたまま、冷静に

『い、いいよ・・・』

と快諾してくれた。

***

ムンバイ中心部のフェニックスモールの『パンジャーブ』という高級インド料理店で最後の晩餐ランチをとることにした。

『パンジャーブ』とは、今回ベリーマッチにお世話になったクマールの出身地名でもあり、縁起の良さを感じさせる。

ウェイターの受け答えもインド人とは思えないほどしっかりしており丁寧で、インド料理を食べに来ているのに、自分がインドにいるということをつかの間忘れてしまう。

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最後の晩餐ランチは素晴らしく旨いカレーやタンドリーチキンが出てきて、僕は

『旨い!旨いよぉ!旨くね?トミー!な?な?』

と興奮気味に聞く。トミーは、

『うん、旨いね・・・確かに・・・旨い。。。

でも・・・

僕は・・・

もう

疲れたよ・・・

パトラッシュ・・・』

『ト、トミー!トミーーーー!!!!!』

やすらかな顔をした天使となって昇天しようとするトミーの肩を揺さぶって、僕は必死に盟友トミーをこの世に引きずり戻した。

かなりのレベルの旨さのインド料理を食べているのに昇天しようとしているトミーを見て、彼がどれぐらい疲弊しているのかが今回初めて分かった気がする。

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繰り返し述べてきたことだけれど、この国ではカレーがまず何にも増して優先される。日本人にとっての梅干し以上の存在が、カレーだ。

外国人にとっては、いかに旨かろうが、そのうち見るのもイヤになるのに違いない。違いないけれど、カレー以外に食べるものが存在しないのもまた事実。

前の日の最後の晩餐、トミーはエンペラー各位の体調に気を配ったように見せて、実はこっそり僕たちの意向をコントロールしていたようだ。顧客に、『自分で決めた』と思わせつつも提案した流れに沿って行動を促せるのは、一流のコンサルティングスキルである。

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加えて、どんなにお金を払ったとしても、拭えないストレスがこの国ではかかる。

例えばこの写真。インドにしては珍しく綺麗なトイレに見える。便座がちゃんとあるし、紙もある、完璧ではないか。がしかし。

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どんな喧噪が外界に広がっていたとしても、唯一自分が生まれたままの姿に戻ることが出来る癒しの空間。しかしよく見てみると、紙の位置がオカシイ。腰を180度捻らないと、紙が取れないようになっている。

ヒンドゥ教徒らしく、手前にあるシャワーで洗えという意味なのか、水力が弱いから紙を使うなというメッセージなのかは分からない。けれど、腰を180度捻らねば癒しの空間を完結させることができない。腰の周りの肉が多い僕などは、ラマーズ法を駆使しないと紙が取れない。

こういうところでも、日本では感じる必要のないストレスがかかる。

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インド人は日本人から見ると、全員同じ顔に見える。僕が出逢うインド人インド人を、全部『トーマス』と名付けたのも、うなづいていただけるのではないだろうか。

ほぼ同じ顔の人が12億人もいる国、インドのマーケット。

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ところでトミーが勤めているのは、世界屈指のコンサルティングファームのムンバイ支社。

『人の顔を間違えたことはないの?』と聞いてみたら、やはり『ある』とのこと。

ある日、赴任早々に役員の個室に入って挨拶しようとしたら、見た目からしてふくよかで地位的に偉そうなインド人が一人と、それに対してキレキレなトークで報告を繰り広げる若手コンサルタントのインド人がいた。

帰りのタクシーで若手コンサルタントと一緒になり、軽く自己紹介をしたあとに、社内的にはmid-ageなトミーは、若手コンサルタントに向かって、『こんな世知辛い会社に入っちまってお前もイロイロ大変だな、お互いがんばろうぜ』的なことを話していたらしい。

ふと若手コンサルタントの持っていた飛行機のチケットを見ると、ビジネスクラスの印字があった。ん?ビジネスクラス?この若造が?

おかしい、おかしい、おかしい!と思って念のため確認すると、部屋にいたふくよかで偉そうなインド人はなんと若手コンサルタントの部下で、若手に見えたその人は見た目が若いだけの40代の役員だった。キレキレに報告しているように見えたのは、部下にキレキレな指示を飛ばしていた情景だった。

トミーは、会話が敬語も丁寧語もない英語であったことに感謝したという。インド人は、見た目が若い人は本当に若い。

人違いの可能性を常に頭に入れておかないといけないというのも、目に見えないダメージを精神に与えることと思う。

***

宿屋に泊まってもHP(体力)もMP(魔法力)も完全には回復しないとしたら、勇者一行は、果たして魔王を倒すことができるだろうか。

歩くたびにHPの減っていく毒沼がフィールドに広がっているとしたら、万全な状態での戦いはいつまでたっても出来ないのではないだろうか。

トミーが戦っているのは、勇者の生まれ故郷のアリアハンではなく、魔王の部下のモンスターが蔓延する魔界、インドである。

インドの頭脳と日本の頭脳を比べると、前者のトップ層は後者のトップ層よりも強力と言われている。まさにその中で戦いを強いられるトミーは、限界すれすれの状況にいるようであった。

トミーは僕にこういった。

『パトラッシュ・・・僕は・・・蔦屋書店みたいな静かなところで、休日に独りで本が読みたいんだ。。。ただそれだけでいいんだ。。。でも、インド人はどこにでもいて、いないと思っても湧いてきて、独りになれなくて、そして何よりインドはどこもうるさいんだ。。。』

トミーには、僕がパトラッシュに見えたようだ。僕は、最後の晩餐ランチのインド料理を頬張りながら、トミーをそっとしておくことにした。

***

蛇足だが、このフェニックスモールは、ムンバイ最大最新のモールのようで、すごく綺麗だった。トイレも、紙の位置を別とすれば、かなり良い。トイレアンバサダー(大使)としての権限を持つ僕も、星4つをあげたいぐらいだった。

しかし日本とインドの違い。それは、こういうおじさんがトイレにいたいこと。

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アメリカでトイレ掃除のバイトのにーちゃんがいるのとは全く意味が違う。それは、カーストによって定められた、一生にこの仕事しかしないということが決定している、人生そのものの一ページだ。

ドービーガートの洗濯場には、一生のうち洗濯の仕事しかしない人がいる。同様に、このトイレのおじさんは、おそらくカーストでこの仕事が一生の仕事と決められている。

選べるのに不幸感漂う日本人と、選べないのに幸せ感漂うインド人。

井の中の蛙は幸せなのか不幸なのか。

インド上層部に自殺が多く、貧困層のそれはむしろ割合が低いという事実。

色々と考えさせられる。

当初、僕はカースト制度を毛嫌いしていた。人間が生まれたその瞬間から、色々なものを制限されてるなんてあり得ない。引かれた線を飛び越える権利ぐらい、誰にだってあるはずだ!

だけれど、この国に来て2回目、数十日目かにして、ある別の側面も見えてきた気がしている。

インドは、日本のずっと先を行っているのではないか。

二つの点で、僕はそう感じるようになってた。

一つは、インド人のメンタリティ。

生まれたときから、自分ではない誰かに決められた人生の幅がある。それを越えることは、偉大なる何かが決して許さない。たとえ不自由な生活を強いられようが、衛生的にも物質的にも恵まれない人生だろうか、それこそが人生と受け入れるしかない。

そこには、こちらが思っているような選択肢のなさに対する悲壮感はあまりなく、他の世界に暮らす人たちに対する敵愾心もない。ただ、今ある境遇をを受け入れる。

僕たち日本人には、生まれつき決められた人生の幅なんて、ほとんどない。(一部の、親や周りの人間に全く恵まれない子供たちは除く。世界のどこにでも、理想に反して目を背けたくなる現実があるのは、この歳でようやく認められるようになった。)

そして、知れば知るほど、隣の芝生は青く見え、青い鳥は遠くにいるように感じられる。その結果として、選べるがゆえに、自由がゆえに、不幸となっている人が、日本には沢山いるような気がする。インド上層部にも。

『足るを知る』、『ありのままで』、『あるがままで』、『青い鳥は近くにいる』など、理屈としては知っていてもなかなか出来ないこれらの格言を、インド人は民族全体として身につけているように見える。

もう一つは、社会のシステム。

日本では、レストランのウェイターさんが、接客もトイレの掃除もやる。時間帯によっては厨房に入って料理もする。人件費を極限まで減らし、お店の経営効率を上げることが優先される。

インドでそれはない。ウェイターさんは接客をし、トイレ掃除のおじさんはトイレ掃除をし、コックさんは料理をする。それらの仕事を掛け持ちする人はいない。トイレ掃除のおじさんが手一杯だったら、手の空いたウェイターさんやコックさんが手伝うのではなく、新たにトイレのおじさんその2を雇う。それによって増える人権費よりも、カーストが重視される。

結果どういうことが起きるか?

そう、雇用が生まれるのである。

日本だと、下手をすると深夜の時間帯はウェイターさんとトイレを掃除する人とコックさんを1人の人間が兼ねているという事象も発生する。雇われるのは1人。

かたや、インドでは3人が雇われる。トイレ掃除の人が足りなくなれば4人目が雇われる。

1人1人の収入は限られていても、いわゆる『ワークシェアリング』が、12億人の総意として、社会に認知されている。

明らかに要らないだろうと思われる場所にも人を配置することは、一見して非効率そのものに見える。トイレに入るたびに、『タオルぐらい自分で取れるし蛇口も自分で捻れるわ!』と思ったことは否定しない。

でもそれは、(低賃金ながらも)雇用を生んでいるという側面から見ると、むしろ非常に効率的なのである。

効率化を優先する世界の戦いの中で勝者となった人間のエゴや独占により、その他の人間に仕事が行き渡りにくい日本と、みんながみんな、それぞれの仕事の存在を認めて、脱落者が出ないようにみんなでシェアしているインド。果たして、進んでいるのはどちらの社会だろうかと思う。

***

いよいよ待ちに待ったスラムツアー。ダラウィスラムという、ムンバイ最大のスラムの内部に、ついに潜入する。

スラムツアーのガイドさんと待ち合わせをする前に入ったコーヒーショップでは、トミーの頼んだコーヒーと、僕の頼んだカフェオレは、なぜか運ばれてきたそばから倍ほども量が違った。

最初から3割ぐらいしか入っていないカフェオレを飲んだのは初めてだったが、この程度の誤差は、インドではナンオブマイビジネスだ。差別じゃないと願う。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

引かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

 

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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