ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

インド5弱の衝撃!8年ぶりに行ったインドの話 その12

time 2014/10/22


8年ぶりにインドで逝ってきました。今回は随一の経済都市ムンバイ。

全く変わっていないインド、大きく変わったインドの両方が楽しめた旅でした。

インド5弱の衝撃をどうぞ。日本が抱える問題点の解決策を持ってる気がするのは気のせいだろうか。。。

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※主な登場人物

トミー(Tommy):世界屈指の外資系コンサル会社に勤めるエリートな漢。ふとしたきっかけからムンバイに赴任することとなり、今回の旅のホストして活躍。なぜか僕に色々と相談してくる。語学が堪能。ランチームアドミラル所属。

マッチ:某ITベンチャーの若きエグゼクティブVP。カラオケで必ずマッチの曲を歌うところからマッチと呼ばれている。体型もマッチ棒っぽい。息を吸いながら話し続けることが出来る特技の持ち主。ハートが異様に強い。語学は堪能とは言い難いが、魂で話す。

ザック:公認会計士に教える公認会計士。フルマラソン3時間30分切り(サブ3.5)まであと8秒というとても惜しい漢。会計士仲間の先輩には『おしゃべりクソヤロー』言われるほど普段は饒舌で僕から見てもとても話が上手いのだが、今回の旅では貝になっていた。ランチームアドミラル所属。語学は堪能に見えていたのに、結構とんでもない実力だった。

エンペラーの会:僕が主催する勉強会。共に学ぶ同志。

三人に共通するのは、全員心から尊敬すべき漢たちであり、卓越したビジネスパーソンでもあるということである。

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インド5弱の衝撃 ムンバイ最大のダラヴィ・スラム

待ち合わせ場所にいくと、ダラヴィ・スラムツアーのガイドであるトーマスが近づいてきた。体格はがっしりしているものの、肌つやがとても良く、笑うと4万ルピーの笑顔を見せてくれる。年齢は全く分からないが、少年のような笑顔のふとっちょだ。背中の膨らみ具合からも、De部への勧誘をリアルに考えたいぐらいだ。

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他には妙齢の女性fromシンガポールが1人と、どこからどう見てもビートルズ好きなイギリス人の青年4人組がいた。妙齢の女性はいろんな意味でバランスの取れた人だったが、この4人組はクソ野郎だということが後で判明した。一人はTシャツにビートルズと印字してあり、一人は見た目がジョンレノンジョンベリーマッチしていた。

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スラムに入る前に、概要をトーマスが説明してくれた。

非常に長い説明だったので、ちと英語のヒアリングが怪しいところもあり、トミーに確認しながらフォローすることとなった。

もしここにないすとぅみーとぅなザックがいたら、イエスしか言えずにスラムで昏睡状態に陥っていたことと思うし、もしここにマッチがいたら、イギリス人に魂の嫌悪を感じて日英戦争に発展していたことと思う。マッチは、僕たちには優しいが、外敵には厳しい。二人がいなくてある意味良かった。。

トーマスが説明してくれたスラム情報概要は以下。(数字とか特に間違ってるかもかも。)なお、写真はほとんど撮っていない。スラムに住む人たちの生活を守るために、NGとしているとのこと。こんな配慮があったことに驚き。

・ムンバイの人口2500万人(公称1200万なのに、周辺合わせるとそのぐらいらしい)のうち、55%がスラムに住んでいる。1995年には70%以上がスラムに住んでいたので、少し減った。

・ムンバイの警官も40%がスラム住まい。

・商業地区のほとんどの人は、ムンバイ周辺地域から、農業の合間出稼ぎに来ている。ムンバイには乾季と雨季(モンスーン)があり、農業のはかどるモンスーン時期には、みんな農業で忙しいためスラムの人口が一気に減る。

・スラムには、ムンバイが栄えはじめた頃から400年以上の歴史がある。政府公認のものと非公認のものとがあり、政府公認スラムには電気も水道も公式に通っている。勿論料金も発生している。

・『スラムに住む』とは、イコール貧困ではない。勿論金持ちではないが、本当の貧困とは路上にある。スラムに住むには、家賃も発生するし水道代もかかるので、それなりの資格が要る。

・犯罪は極めて少ない。非常に安全。繰り返すがムンバイは女性が夜に一人で歩ける街。ただし、マッチだけは弱そうに見えるのか、子供にお金をタカられていた。

・プラスチック製品エリア、織物エリアなどとエリアごとに機能が別れており、プラスチックエリアの住人の収入は1日200ルピー(=340円)ほど。工場はオーナーと従業員に別れており、いわゆる普通の資本主義社会が形成されている。

・医者弁護士でもスラムに住んでいる人間がいる。そういう人は、BMWを持っているのに、スラムに住んでいる。

・僕たちが見たプラスチック産業区域に限らず、ここのスラムのほとんどはグローバルな会社との結びつきがあり、そこに製品、原料を供給している。スラム内のビジネスプライバシーは完全に保たれており、例えばある店舗の品の納入先がどの会社かということは、全く明らかにされていない。スラムの製品を最終的に購入する大会社が、直接スラムの各店舗と取引をするようになると、大対小の戦いとなり、搾取が始まる。そのため、スラムの各店舗はスラム連合的な組織に一度納品し、そこが他の世界レベルのの大会社と交渉をする。スラムの各店舗との個別交渉は、一切出来ないようになっている。こうしてスラムの各店舗は、経営に煩わされることなく作業に没頭出来るようになっており、雇用も賃金も守られている。

・スラムの中には学校も仕事場も住居も病院もあり、一つの生活圏となっていて、何一つ足りないものはない。

・以上のことから、『スラムに住むこと』は、全くネガティブなことではなく、むしろフツーのこと。かく言うトーマスも、スラムに現在も住んでいる。

・あと、どうでもいいけど血液型には世界にA、B、O以外に、『ボンベイ型(ムンバイ型)』なるものがあるらしい。ほんとどうでもいいけどびっくり。

 

この説明だけで、インド5弱の衝撃だった。スラムって、彼ら的には貧困の象徴じゃないのか!!!!!

ザックが『ないすとぅみーとぅ』とクマールに挨拶した時もインド3の衝撃を受けたし、

マッチが来印2分でクマールをのけぞらせるほどしゃべり倒してるのを見た時もインド4弱の衝撃を受けたし、

トミーが1日開けっぱなしにしたキャラメルポップコーンが湿気っているのをムンバイの湿度のせいにしていたことにもインド2強の衝撃を受けたが、

そのどの衝撃よりも、スラムの実情を知った衝撃は強烈だった。

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『スラム』というと、一般的にはこういうイメージを抱いてしまうのではないだろうか。

・住民は全員危険なヤツであり、マフィアの構成員やヤクの売人が闊歩している。目は赤くギラついており、視線が交差した時点で捕縛され、拷問決定。

・一番弱そうなめがねのヤツでもマッチの倍以上の腕の幅があり、ペットは犬と猫と場合によってはヒョウやトラ。

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・弱肉強食の修羅の世界。生存率は1%。

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・スラムの中ではありとあらゆる犯罪が行われており、悪臭と悪の臭いが蔓延している。一度足を踏み入れたら、二度と出ては来られない。(なので僕とトミーも出てこられない。)

・売られるし掘られる。

 

・・・というようなイメージをスラムに対して抱いていたため、ある程度の覚悟はしていたのだけれど、トーマスのガイドが始まってからの3時間、この予想は全くのあさっての方向に展開していたことが分かった。

まず、悪臭も悪の臭いも一切しない。多少日本の常識から見れば散らかっているし衛生的に不安に見えなくもないが、そこにはあくまで普通の暮らしが展開されていた。写真がないのでイメージしづらいかもしれないけれど、『スラム』という名刺が醸し出す仄暗さや陰鬱な感じは微塵も感じられなかった。

出てくる子供は皆笑顔、そして、良い意味で僕たちにあまり興味がない。過去に訪れたインド北部では、ドラクエに出てくるマドハンドのように、後から後からインド人が湧いてきてあっという間に囲まれ、そしてバクシーシ(喜捨)要請や勧誘(ツーリストなど)を受けまくることが予想された。子供に囲まれたら、財布の入っているポケットや、リュックの口を押さえるというのは定石だ。

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ここダラヴィー・スラムでは、そんな必要は全くなかった。インド人は、ワラワラと出現しなかった。用事がある人たちが順次道を横切ったり顔を出したりしているだけで、作業をしている人たちは、こちらを一瞥するだけで自分の仕事に没頭していた。

僕たちの存在は認識していても、そこに何かをしてこようとするインド人は、3時間の間になんと一人もいなかったのである。

身の危険を感じる機会は、ついにこの4日間で一度もなかった。一番危険と思われたこのスラムですら、完全にゼロである。僕は、『スラム』という言葉の定義を、根本的に見直す必要に迫られていた。

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僕はなんだか、とても申し訳ない気持ちになった。インドを誤解していたし、スラムを誤解していた。インドは確かにカオスの国だけれど、そこにはそこなりの秩序がちゃんとあり、それをほとんど全員がきちんと守っていた。(めっちゃ働いてる人が、明らかに健康なのに働いてない同僚をなぜ怒らないのか不明だが、それもカオスながらの秩序のよう。)

万事テキトーでどこか信用できない(失礼!)なインド人ではあっても、無差別に誰かを傷つけようとするネトウヨみたいなヤツはどこにもいなかった。被害に遭ったとしても、それはインド人が目の前の人を一生懸命助けようとして、あさってのことを教えてしまったりする習性に因るだけ。

僕が着てきたTシャツは、別にそういうつもりじゃなかったけれど、きちんと僕の気持ちを代弁してくれていた。

スラムは、安全で(インド基準で言えば)衛生的で、みんな勤勉で、とても素晴らしい場所だった。

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ただ一方では、こういう見方もできるんじゃないだろうかと思わなくもない。

本当の格差社会とは、格差が格差と認識されない社会、もしくはされたとしても、それが人が生まれて死ぬのと同じぐらい当たり前とされる社会のことだと僕は思っている。

インドという国はまさにそれ。何千年も前から続くカーストという古くさーい概念を引き継いで、それがいまだに社会の規則を形作っている。一人一人の人生の幅も規定している。それを乗り越えられるのは、99%の人ではなく、0.1%にも満たない突然変異種だけだ。

格差だ格差だ!と騒いでいる日本というのは、みんなが『格差というのは本来おかしい』と思っている社会だということ。格差の存在について言及されることは確かに増えているとは思うけれど、それでも格差について文句を言う人が多い日本は、世界一格差の少ない社会だと言える。

『それ』を認識できなくなったら、格差社会は完成してしまう。日本はまだまだその境地までは遠い。(収容所で、本当に死に近い人間は、う◯こや小便に顔をうずめようが気にしなくなるというが、それと同じかな。)

日本とインドのこの差というのは、言うなれば一面はインド人の大きさを示唆しているのであり、しかし一方ではインド社会の巨大な歪みがそう簡単には治らない暦年の産物であることの証左であるとも言える。

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インド5弱の衝撃はまだ続く。

『スラムに住む』というのは、僕たちが思っているのと同様に、政府から見ても『快適ではない』と見えたらしく、政府御用達でスラムの住人がきちんとした家に住めるように、公営住宅をスラムの近くに作ったことがあった。

『ありがとうございます!コレで私たちもまともな生活が出来ます!』と涙を流してスラムの住人たちはその公営住宅に即座に移り住・・・・まなかったんだなこれが。

スラムというのは、家族や兄弟、近隣住人との距離がとても近い。推測だけれど、ちょっとした仕事の融通からカレーのシェアまで、日常の細々したことを助け合うのにちょうど良いコミュニティが形成されているのではないだろうか。

『スラムに住む自由を行使する』ということで、その公営住宅にはほとんど人が入らなかったらしい。支配される快適な生活(公営だから色々管理がめんどくさそう)よりも、支配されない自由とカオスと、ちょっとした貧困を彼らは選んだ。

世の中には、解決しない方が良い問題というのも、あるのだということがよく分かった。問題というのはその存在自体が何らかの弊害を生むので、それがないに越したことはない。新たに発生されるのは迷惑なので、ご新規さんはお断りだ。

けれど、既にある問題の場合は、無理に解決にもっていこうとすると、歪みが出る。特にこの国に暮らす12億人のうち、(主に金銭的、衛生的な)問題を抱えている10億人の人たちに、等しく問題の解決の効果を体感させるには、一気に物事を進めなければならない。

そして母数が10億人である以上、それはほとんど確実に不可能だ。貧困を解決しようとすれば、彼らに外の世界を認知させることが必要になり、それは結果として嫉妬や羨望、そこからの犯罪やテロに繋がっていく。

問題てのは、解決してナンボだと思っていた。そうではなかった。

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そうそう、ヤツらは最悪だった。イギリス人のビートルズ4人組。トーマスが懇切丁寧に説明してあげてるのに、全く理解してない。

ある小さな工場のオーナーと従業員が別だという話をしても、

『なぜオーナーはここで働いてないんだ?』、『そこに座ってるだけのおっさんはオーナーじゃないのか?』、『この店を持ってるのにここで働いてないなんて、なんてクレイジーだ!』、『ここのオーナーはBMW持ってるのか?』

要するに、所有と経営の分離みたいな概念を知らないらしい。この時点で、社会に出た事がないことと、相当に学が浅いヤツらだということが分かった。

さらに、

『コイツらは一日どれだけもらってるんだ?』と、英語がかろうじて分からなそうな従業員を目の前にして、トーマスに聞く。

『あんた、一体いくら稼いでるんだ?』と、このスラムでかなりの力を持つボスザル的インド人に面と向かって聞く。

『家を買ったのか?1600万?はん、俺たちの国から見たら安いな・・・』と、ボスザルインド人に対しても相当な上から目線。数百人を従えているこのボスザルインド人は、かなりの風格だった。

英語があまり分からなかった僕は持ちろん、トミーも切れ気味だったし、妙齢の女性も呆れていた。英語が話せるヤツは賢い、と日本人は思いがちだけど、『英語を話す馬鹿』もいるのだということがよくわかった。人に聞いて良いことといけないことの区別は、誰が相手でもしっかりしなければいけない。

同じくインド5弱の衝撃を受けたのが、キレ気味だった僕たちと比較して、大人すぎるトーマスの対応。

『この仕事をしていて学んだ一番大事なことは、いつも笑顔でいようってことさ。』

つまりはかなり怒っているということだったのだけれど、トーマスはこのクソみたいなイギリス人4人組に対して、ずっとニコニコしながら何度も何度も同じ説明をしてあげていた。トーマス、あっぱれ。

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最大限度の衝撃を受けて、僕たちのスラムツアーは終わりを迎えることとなった。子供達は、出逢う子出逢う子が、最高の顔をしていた。

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よく分かった。この国は、どれだけ時が立とうとも、どれだけ経済が発展しようとも、日本のような総中流社会になることは絶対にない。いつの時代も、絶対的な金持ちと、絶対的な貧困層とが、絶対的に越えられない壁をほんの1枚隔てて、共存する。その壁は、とてつもなく薄いはずなのに、決してベルリンの壁のように壊されることはないだろう。

そんな国だけれど、一つ確信出来るのは、この国は決して止まらないだろうということ。12億人ほとんどが前を向いて、自分のことだけに専念してる。これって素直に、スゴいと思う。

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さて、いよいよスラムツアーが終わった。そして、僕のインド弾丸エンペラーツアーもこれで終わり。

最後のスラムが衝撃的過ぎて半ば放心状態だったけれど、もう空港に向かわないといけない。

最後のエンペラーが帰ってしまうと、また英語とカレーの毎日に逆戻りのトミーが、気がつかなければ見過ごしてしまいそうなほどかすかな涙目になりながら、僕を見送ってくれる。

トミーがいなければ、こんなに発見と驚きに満ちた数日間をムンバイで過ごせはしなかっただろう。というか、トミーがムンバイに赴任しなければ、こんなツアー自体が存在しなかった。そしてトミーと出逢ったセミナーに、わざわざ数十万円払って2回目の受講をしなければ、トミーと同じエンペラーの会に属することもなかった。

ありがとう、トミー。ガイドをしてくれることに甘えて使い倒してしまったが、そのどれにも完璧に応えてくれた。

最後にハグをして、日本での再会を誓って別れた。トミー、ポップコーンの袋は閉めとけよ。

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ムンバイ市公認のタクシーサービスのドライバーは、道にたむろするインド人たちを結構な勢いでかき分けながら、空港に向かって怒濤の勢いで僕を運んでくれた。半分ぐらいのインド人は、轢かれそうになってたけれど、これもまたインドでは普通の光景なのだ。

ドライバーは、僕に対してはめちゃ丁寧だったのに、外のインド人に対してはとても攻撃的な運転をしていた

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空港が見えてきた。何度見ても、世界のどの空港よりも立派だ。

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『格差』という、本来同じレベルにあるはずのものに差がついてしまったというニュアンスを含む言葉では表現出来ない、いかんともし難い『世界の違い』を、街中からほんの1時間のこの空港を見て感じた。

インドというのは、最初から最後まで、一言では表せない国だった。

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最後に、全員で撮ったとてもエンペラーな写真で締めたい。

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インド、ありがとう!

トミー、ありがとう!

マッチ、しずかに!

ザック、浮いてるぞ!

 

インド編、おしまい。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

引かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

 

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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