賢明かつ聡明な皆さんなら既にご存知の通り、僕は1月25日、勝田全国マラソンに出てきました。そしてas you know, 言うまでもありませんが、この大会は僕が1年前に初サブ4(=4時間切り)を飾った記念の地でもあります。
なぜ勝田(茨城県)なのに『全国マラソン』なのか、ですって?どこも全国臭を感じさせるものはないのに?ノンノン。そんなunsophisticatedな質問は左胸のポケットにしまって、今回のtragedy(=悲劇)について、そして厳し過ぎる現実について、さらにはその克服法について、少し語りましょう。
ああ、仕事中の方は、残業カードを切っておいて下さい。少し時間がかかるでしょうから。
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勝田全国マラソン レース概要

まずは簡単にレースの内容を振り返っておきましょう。2014年の8月以来、久々のレースとなった11月のつくばマラソンでは、4時間41分という、初マラソンにすら劣る自己ワーストをたたき出しました。
開始1kmでふくらはぎが痛みだし、4km時点で激痛のため既に歩き出すという始末。そこからごまかしごまかし、なんとかゴールまでたどり着いたものの、結果は散々でした。
途中で合流した、同じく絶不調の師匠と仲良く肩を組んでゴールしたものの、師匠がスタート時に僕より後ろからスタートしたため、ゴールは一緒、タイムは数十秒僕が遅い、というなんとも後味の悪いレースとなりました。人のことは信じすぎてはいけません。
今回は、そのリベンジを誓ったレースでした。誓ってはいたものの、色々言いたくない事情もあって、実はつくばマラソンから2ヶ月、全く走っていませんでした。正確には走れていませんでした。
朝は毎度のごとく、希望と喜びに満ちた時間です。みんなで完走や自己ベストを誓い、写真を撮りました。このときに気づくべきでした。自分のお腹にこれでもかというほどしっかりと食い込んだウェストポーチに。いや、この場合逆ですね、これでもかというほどしっかりとウェストポーチに食い込まれた自分のお腹に。
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フリーザさまに似ていると評判のわがチームメイトは、今日も戦略に溢れたレース運びをしそうです。
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マラソンの話はこれまで腐るほど書いてきてるので、概要だけ記しておきます。
レース序盤、とりあえず『サブ4ランナー』の威厳を取り戻すべく、そして昨年11月のつくばマラソンで粉々に打ち砕かれた自信を取り戻すべく、サブ4ペースでの出走。キロあたり5分20秒、5分30秒など、そこそこほどほどに良いペースです。
1kmを過ぎたあたりから、違和感がありました。フォームが決まらないのです。『あれ?あれ?』大変恥ずかしながら、どう走ってよいか分からなくなりました。隣にいたスリム部の通称『スリムB』(推定体重53kg、僕と32kg差)は、『この肉塊が!』と僕を蔑むような視線を送ってきていました。
2ヶ月、もっと言えばアイアンマンが終わってからほとんど走っていなかったツケが、もろに出ました。走ることなんて普通のことのはずなのに、その普通のことが出来ないのです。入院してしばらく歩いてなかった人が、退院して歩いてみたらよろめいた、そんな感覚です。
加えて、肩から背筋にかけて痛みが出てきました。ズキズキするのではなく、ズーンと、ゴリラ男に指圧されてるかのような鈍痛です。これは、アイアンマン前日に朝シャンで肉離れを起こした肩が、まだ完治していないことの証左です。
つくばマラソンも、8割は脚の痛みでしたが、2割はこの肩痛でやられました。これがまた再発です。もう、上半身が重くて重くてたまらない。腕が振れません。ストレッチしても全く効果なし。鉛を押しつけられているような感じです。
10kmまではなんとかサブ4ペースを保ちました。15kmまでは粘ったかな。そしておしまい。ここで限界が来ました。ああ、そうそう、思い出しました。僕が坐薬コンサルタントなのは知ってますよね?その実地研修に、レース中に行ったんです。早い話が、トイレにピットインです。
この日は寒く、1OPP、4Pでした。累計30分はピットインに使ったでしょうか。日本語しか分からない皆さんは、前者を大、後者を小、と読み替えていただければオーケーです。アンダスタン?
さて、開始4kmでリタイヤを考えた前回のつくばマラソンよりはマシであるものの、15kmで脚が終わってしまったフルマラソンというのも、これはこれで非常に苦しいものです。15kmから歩くなんて、初マラソンでもなかったことです。
遠い、あまりにも遠い。
自分は確か、初マラソンの2ヶ月後にサブ4ランナーになったはず。その4ヶ月後には、3週間で2本のウルトラマラソンを走ったはず。その2ヶ月後にはアイアンマンになったはず。
はず・・・はず・・・はず・・・
しかし現実はあまりにも厳しく。ただただ厳しく。
出来てたはずのことが出来ない、ということが、これほど苦しく悲しいことだとは思いませんでした。恐らくあなたは、昔楽勝でクリア出来ていたスーパーマリオ3を、最近やったときにあまりにクリア出来ないことに絶望したことでしょう。ちょうどそんな感じです。
歩いて走って、また歩いて走って。そんなことを100回も繰り返した頃でしょうか。ひときわ人が集まるエイドが見えてきました。おお、これが噂の『豚汁が出るエイド』なのでしょう。
 
 

豚汁は売り切れてました。共食いはダメなのでしょうか。

 
コースのことは、しっかり覚えていました。なにせ『全国マラソン』ですし、なにより僕が初めてサブ4を達成し、2014年のドラクエにも劣らない伝説を作った聖地だからです。違うのは、快調に走れていたあの頃とは全く違う、動けない豚がここにいるということぐらい。
キロ6分も6分半も維持できず、100kmマラソンならばまだ序盤という距離で、早くも限界。
何もうまくいかないまま、当初4時間だった目標は4時間半に、そして、前回ほど悪くはないと思っていたタイムも、いつのまにか越えました。まさか到達することはないだろうと思っていた5時間が、すぐそこに迫っていました。気づいたときにはもう遅く、5時間オーバーが確定しました。
ゴールまでたどり着いたとき、僕は1年前のあの日が、ただの夢であったことを知りました。この1年が夢であったことも。ちょうど桜木花道くんが背中を傷めて、リハビリが長引くようであればスーパーリバウンダーからただの人に戻ってしまうことを危惧されたのと同様に。
僕は、ただの人になりました。走れるDe部から、走れないただのデブに堕ちました。
以上がレースの概要です。なぜ時計を二つつけているかって?ファッションです。
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『ダブルウルトラアイアンマンな漢』は、『ダブルウルトラアイアンマンだった漢』になった

いくつか分かったことがあります。悔しいという気持ちを通り越して絶望していますが、それでも前を向かなければならないことは分かっています。ほんの少しだけ気持ちを切り替えて、今後のために記しておきます。
 

◆走れないDe部はただのデブ

僕は今まで、85kg〜87kgのカラダでも、そこそこ動けることを唯一の心の拠り所としていました。お菓子を食べているのを見つかっても、『エネルギー源です』と言い張ることができました。それは、実績があったからです。
しかし今回、サブプライムローンが弾けたかのごとく、すべての信頼が崩れ去りました。もはや僕は、何も言い張れない立場になりました。
わずかな含み益で利食いし続けようとした愚か者が、地に堕ちた瞬間でした。
 

◆当たり前のことが出来ないと、気力の取り付け騒ぎが起きる

2014年の走りは、走りそのものには何も意識を向けず、コースや天候やペースなどに気を配ることができました。しっかりと練習していたため、走りが安定していたからです。今回は走り方を忘れてしまったため、そこに気力を持っていかれました。一歩一歩、果てしない数のステップを踏む、そのいちいちに対して違和感を感じるときの疲労感、つたわりますでしょうか?
30kmや35kmの壁が来てから使うはずだった僕の気力は、序盤10kmでもはやほとんど失われていました。インフラが整っていないと、どんな立派な車もその上を走ることは出来ないのです。気力の取り付け騒ぎによってほとんど残高がなくなった僕の銀行は、倒産寸前でした。
 

◆ランの練習はランでしろ

冒頭に申し上げた通り、少し言いたくない理由も含め、アイアンマン以降、僕はほとんど走ることができませんでした。表面上はめんどくさいので仕事が忙しかったことにしていましたが、そうではない理由もいくつかありました。
で、その代替手段として思いついたのが、筋トレと囲碁でした。いずれも師匠を見つけ、ガタイは確実に良くなりましたし、囲碁では戦略思考、戦術思考の両方が極めて合理的効率的に鍛えられました。ランにも応用できる、素晴らしい能力が身に付きました。
が、それはランの練習という土台の上に設置されて、初めて機能するものでした。僕は、マーチのエンジンの上に、レクサスの車体をのっけてしまったのです。
『ランの筋肉はランで付けろ』という格言を聞いたことがありますが、まさにその通りの結果となりました。仕事の能力は仕事で身につけろ、ということでもあるような気がしています。
真に一流の人間が他の世界を知って本職に応用するのと、何もしていないヤツが他の世界に浮気するのとでは、まるで意味が違うのだということがよくわかりました。
 

◆努力は人を裏切らない

はいそこのあなた!もしかして、この言葉を勘違いしてませんか?
そう、実はほとんどの人が勘違いしている通り、そして僕も勘違いしていた通り、この言葉は、決してポジティブな面だけを表現しません。
勿論、努力をすれば報われます。一部のセンスだけを必要とされる技能を除けば(それだって努力が必要でしょうが)努力すればするだけ報われるのがこの世の中です。
努力は、人を良い意味で裏切りません。
しかし忘れてはならないのは、努力は人を悪い意味でも裏切らないということです。
努力は、まさにその人の努力の量しか、成果を連れてきてはくれません。コウノトリが赤ちゃんをいきなり連れてくることはないように、努力だって、そりゃ努力しないヤツのところに成果をもってくるよりは、頑張ってる勇者のところにもっていきたいと思ってるはずです。
まったくもって努力に比例した成果しか与えられなかった事実が、すなわちこのサブ4ならぬオバ5(オーバー5時間)というタイムに表れています。
結局、ウェストポーチにネイマールより激しくペネトレイトされているような腹の持ち主に4時間切りをさせるほど、マラソンは甘くはなかったということです。
2015年1月25日、僕は

『ダブルウルトラアイアンマンだった漢』

になりました。
Die惨敗記、もう筆を置いても良いでしょうか?他人の不幸は密の味と感じるあなたのことです。もっと読みたいのは分かっています。
分かっています。でも・・・
 

僕はもう疲れたよ、パトラッシュ・・・

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退くかもしれません、媚びる可能性大です、省みていいですか???

我が人生にだいぶ悔いあり!!!

 
 

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