※ネタバレ注意です。
普段あまりテレビを見ないし、直近見たドラマの記憶は『あすなろ白書』と『半沢直樹』と『昼顔』しかない僕ですが、久々にCMだけで興奮して予約してしまって、実際に見たら想像以上にガクブルだったドラマを紹介します。
その名も『マザー・ゲーム』。
スクリーンショット 2015-04-15 18.18.40
(Source:TBS

 

マザー・ゲーム概要

『昼顔』は吉瀬美智子と上戸彩の妖艶さにドキドキするだけで、ドラマとしては銀行の陰湿過ぎる内部構造を明らかにした『半沢直樹』の方がはるかに面白かったです。個人的には今回のマザー・ゲームは第一回時点でそれを凌ぐかなと思っています。もう、見ているときのガクブル感が半端ないです。僕は実際に5回ぐらい身震いしました。
概要はこちらにあります。カンタンにまとめておきます。
低所得シングルマザーがなんだかんだあって名門小学校受験率100%の名門私立幼稚園に園長の肝いりで子供を入れることになります。そこは『この人たちに嫌われたら終わり』という3人のボスママが君臨するママカースト世界。子供のお見送りのために幼稚園の前に高級外車が渋滞し、挨拶は『ごきげんよう』。ボスママ3人の(旦那の)年収は1800万の安達祐実、3000万の長谷川京子、5億3000万の壇れい。
対して主人公の木村文乃は250万。たまたま一緒の幼稚園にいた級友貫地谷しほりは750万で、見た目だけを周りに合わせるためにだいぶ無理しながら悪戦苦闘気味。(分かりにくいですが、上記写真でそれぞれが持っているプレートには、年収が書いてあります。)
専業主婦かつ小学校受験が当たり前、低所得シングルマザーなんて論外。そういう世界で、主人公はしょっぱなから迫害されます。やめろという落書きをオープンしたばかりの弁当屋に張られたり、招かれたランチ会でバカにされたり、入賞すると言われた子供の絵を隠されたり。お金(だけ)があるママたちから『幼稚園の風紀を乱す』白眼視され、様々な嫌がらせを受けます。
一方、気色悪い一枚岩に見えるママたちにも、実はそれぞれに問題があることが分かります。広告代理店の旦那を持つ安達祐実は、旦那から過剰な束縛を受け、田舎から医者一族の名家に嫁いだ長谷川京子は姑に『あなたの遺伝子がもう少し良ければねぇ、息子のように』とイビられます。
ボスママたちを中心としたランチ会でも、ボスママの言うことには必ず同意し、ボスママがナイフとフォークを置いたらそれに習う、という様は、強調があるにしても気持ち悪過ぎ。そういう様子を評した安達祐実の、『みんな仮面を被って上辺の関係を取り繕ってるだけ。ビジネスと同じよ』というセリフが印象的でした。ビジネスはもっともっとまともだっつーの!ちなみに壇れいは雰囲気ありすぎて、セレブママが本職にしか見えません。金麦のさわやかさはどこへやら。
僕は周りにセレブのいない環境なのでまだ救われてますが、『所詮フィクションでしょ!』とは笑えない何かがこのドラマにはあります。どこかで聞いた話、実際に見た話が巧妙にブレンドされていて、決して遠い世界の話ではないなと思わされます。
 
 

『マザー・ゲーム』を見てほしいのはこんな人

閉じられた世界というのは、こうも人間を何事にも気づかない存在にし、醜くするのかということがよく分かるのがこの『マザー・ゲーム』。恐ろしいのは、ほとんど全員のママたちが、自分のやっていることが異常なことである、という事実に気づいていない、もしくは気づいていても変えようとすらしていないということです。
あるいはママたちを擁護するとすれば、全員が同時に少しの足並みの乱れもなく現状を変えようとでもしない限り、最初に変えようとした人がまた迫害を受けるという構造的な問題もあり、それがなおのことこのコミュニティの醜悪さを助長しています。
自分の親もそうであるため、専業主婦の内助の功というのは僕も分かっているつもりです。でも、自分で稼いだわけでもないお金で自分の地位を必要以上に(子供も利用しながら)糊塗し、他人を下に見るというのはちょっと違う。世界が閉じられがちな、いわゆる特権階級とても言える業界の人、そういう立場に人には見て欲しいドラマだなと思います。
例えば今回のセレブ専業主婦以外にも、例えば政治家、医者、古き良き時代の税理士など。特権階級だけでなく、自分が普段閉じた世界にいるなぁと思ってる人も要注意です。そういう人は、その人の性格の善し悪し、パーソナリティに関わらず自分の常識が世間の非常識になる可能性をもっています。
『外の世界を見よう』とはよく言われることですが、そのことがどれだけ大事なことかというのは、今回このドラマで閉じられたコミュニティの醜悪さにガクブルするにつけ、初めて実感することができました。
ちなみにエラそうなことを言いつつも、このセレブママたちを僕は全面否定することができませんでした。『だから閉じたコミュニティのヤツはダメなんだ。俺は絶対そんなことしない』とも言い切れませんでした。それがこのドラマを見てガクブルしたもう一つの要因ではないかと思います。
僕たちは日本に生まれています。僕は東京育ちです。それだけでも、恐らくは世界のほとんどの人たちより恵まれています。かつ、恐らくは日本のほとんどの人たちよりも恵まれた環境で育ててもらうことができました。おかげで、今も恵まれたキャリアを踏めています。それが今の僕をつくっています。決して自分の力だけでここまで来たわけじゃないし、残念ながら自分の力と周りの人の力の組成比は、1:99ぐらいなもんじゃないかと。
そういう、『自分の力だけでここまで来た訳じゃない人間』の典型である僕が、このドラマを見てセレブママたちをあーだこーだという資格がないのは分かっています。僕自身、娘にはそのうち受験させようと思っています。一つは、受験というハードルを乗り越えるということが、娘の将来に必ず良い方向に寄与するであろうという理由から。
もう一つは、正直言えば治安です。大変失礼な言い方をすれば、『荒れてる学校』に娘を入れたいとは、個人的に全く思っていません。受験をすることでそのリスクが減らせるのであれば、僕は迷わずその選択肢を取ります。そしてそれは決して毀誉褒貶ではなく、恐らく事実です。こういった思考の背景に、セレブママたちが主人公を差別したように、誰かを差別する気持ちが全くないかと言えば、それはたぶんウソになります。
言いたかったのは、閉じられたコミュニティは危険だよということ。特権意識というのは醜悪だよということ。自分がそういうものに侵されている危険性も認識しつつ、やっぱりそうはいっても自戒していきたいなと思いました。
てか、そういうの抜きにしても面白いから見てみて!
そして本当に偶然ですが、いまこのブログを書いているすぐ横で、ママたちが他の誰かの悪口を言いまくってます。セレブそうには見えないので、特権階級じゃなくてもこういうことは起きるのかもしれません。こわいーーー!!!
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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