ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

バラモンキング2015完走記⑩ 〜勇者バルログ〜 #653

time 2015/06/24


 

2015年6月14日、スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km、制限時間15時間の五島長崎国際トライアスロン(通称バラモンキング)を完走しました!スイム1時間28分、バイク7時間36分、ラン5時間24分でトータル14時間29分31秒でゴール。褒められたタイムではありませんが、毎度のことながらトラブルの山を乗り越えての完走なのでよし。今回も赤裸々にお届けします。

(あらすじ)
残りは42km、制限時間まで6時間。最近絶不調のランの成績を考えると、お世辞にもこの疲れきったカラダで楽勝とは言い難い。事実、最初の5kmに40分以上もかかってしまった。僕は勝負をこの前半〜中盤にもってくることにした。最後に時間に追われながら勝負をかけると気が狂いそうになるからだ。果たしてうまくいくのだろうか。

(登場人物)
元帥:『ポセイドン』の太祖。太すぎる太ももを持ち、色黒で繊細で計算が苦手。1期生。
仙人:坊主、ヒゲ、ノースリーブと、新宿二丁目ルックなウルトラランナー。40時間ぐらい走れる。1期生
スリムえぇ。。さん:フリーザ様第三形態に似ている。最近キャラが崩れている。いつも返事は『えぇ。。』2期生。
みよっしー:バイクが速く、笑顔が可愛く、奥さんが武道の達人。2期生。
ザック:ピンチになるとバルログのような悲鳴をあげる。ランはサブ3.5。2期生。

登場人物概要詳細はこちら

ラン42.2km 5時間24分である意味自己ベスト! 中編

僕が勝負を前倒しでかけることを決意するのと前後して、仙人とすれ違った。僕が5km、仙人が15kmぐらいの地点だ。さすがは仙人、速い!10kmということは、今のペース的に1時間半ぐらいの差を付けられている。仙人は2014年に8ヶ月連続ウルトラマラソン/ウルトラトレイル挑戦という快挙を成し遂げている。こういうときの粘りはやはり圧巻だ。見た目がちょいと誘ってるふうなのを除けば、尊敬に値する。

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仙人と出逢うほんの少し前、歩いている間に携帯の電源を入れて、入っていたメッセージを見た。ザックからだ。

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ザックはバイクの110km付近で関門に引っかかってしまい、DNF(Did not finish)になっていた。仙人と出逢ったとき、直前にザックからのDNFメッセージが入っていたことを話した。ザックのDNFに関する仙人と見解は一致していた。

『あいつ、勇者だわ。マジかっこいい。』

 

説明しよう。

ザックは、トライアスロン参戦が決まっても、しばらく泳げなかった。この話は何度でもしたいのだけれど、2015年に入って初めて東京体育館の50mプールで泳がせたときに、彼は40m付近で呼吸の苦しさのあまり、バルログの『フライングバルセロナアタック』を彷彿とさせる『ラーーー!!!!!』の叫びをあげていた。東京体育館中に響き渡るそれは、コントのようでもあり、悲哀溢れるものだった。(55秒頃参照)

その後も特訓を重ねたもののいつも溺れてるようにしか見えず、デビュー戦となった久米島トライアスロンでも、全く進まず制限時間一杯でのスイムアップとなった。(2kmを1時間20分)ザックは在学中に公認会計士試験に合格した秀才で、勤務先の予備校でもトップ講師ながら、出来ないことは全く出来ないというバランスの悪さがたまに傷であった。

特に出来ないことの代表、苦手なことのトップは『インド』、『英語』、『スイム』だということが付き合いの中で分かってきたが、特に今回はそのスイムが3.8kmもある。ザックの泳力では、まともに1.9kmを2周回というコースを完泳するのは、半ば絶望的でもあった。

 

ザックには、3つの選択肢がレース前にあった。スイムの制限時間は3.8kmを2時間15分。トランジットを考えると、2時間しかない。

①1周目を1時間前後で周り、2周目は安全を期してスキップ。バイク、ランを走り、完走証はもらえないけれど、完走に近いところまではいく。

②1周目を1時間前後で周り、2周目も同じペースで周り、ギリギリの時間でバイクに突入。本当の完走を目指す。

③最悪の場合、2周目にトライしたばかりにスイムで足切りに遭う。

最善は②、最悪は③、最もラクなのは①だ。①であれば何のプレッシャーもない。完走証はもらえない代わりに、レースを楽しむことは出来る。

ザックは、本人も述べているように五島に来る間も、来てからもずっと、このシミュレーションにアタマを使っていたようである。

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読んでる本は囲碁だったが。。

 

結論から言うと、ザックが選んだ選択肢は②だった。スイム足切りのリスクを抱えつつも、レースの完全走破を狙った。スイムを2周目でスキップすれば、キライではないバイク、大得意のランに時間の心配をせずに持ち込めるのに、敢えて自分の弱点と戦ったのだ。泳げないところからの3.8km挑戦は、50mぐらいであれば少なからず泳げた僕たちには想像も出来ないような恐怖だったことだろう。

インド人も英語も確かにまくしたてられれば怖いが、海での3.8kmというのは、それとは別格の怖さがある。なにせ本当に死ぬ可能性もある。ザックの場合に死なないにしても足切りに遭う可能性が結構ある。それは、本当に本当に勇気の要る決断だったのだろう。

そして、ザックはそれに勝った。スイムに打ち勝った。自分自身の弱みに勝った。久米島トライアスロンで2km1時間20分だったタイムは、3.8kmで2時間にまで縮まっていた。そこで時間を使い果たしてしまった結果、バイクの関門に間に合わなかった。

これを勇者と呼ばずしてなんと言えば良いのだろう?

 

『あいつ、勇者だわ。マジかっこいい。』

ザックのDNF報告に、逆に感動と勇気をもらった僕と仙人。合い言葉の『最後まで』に、『ザックの分まで』を加えて別れた。お互いのベストを尽くしてゴールすることを誓った。

別れ際に、『実は膝が限界で。痛み止めくれない?』という仙人。順調に見える仙人も、限界ギリギリのところで戦っている。『分かった。1錠譲る。ただし、レースが終わったら俺に坐薬入れるの手伝えよ。』とオファーしておいた。こくりと静かにうなずいた仙人は、レースが終わって1週間経つ今もなお、その約束を果たしてはいない。

 

今回のランコースは、10km強の道を2往復。そんなにフラットではなく、しっかりと登りと下りがある。登りはほとんど走れなくなっていたため一定以上の傾斜は歩き、平地と下りは走ることにした。

が、なんともうまくいかない。平地なのに歩いてしまう。下りでも止まってしまう。

ここで、音楽が効いてきた。といっても、音楽そのものが効いたわけではない。森高千里を聞いても、となりのトトロを聞いても、どうしても途中で力尽きてしまう。僕は、困ったときの/弱ったときのルールを思い出した。それは、

ルール通りに走る

というもの。

僕が決めたルールはただ一つ。

『1曲分の間は走る。終わったら、次の曲の前奏までは休んで良い。ただし坂道とエイドを除く。』

 

人間は、自分を中心に物事を回そうとすると、どうしてもペースが上下する。言い訳も都度沢山出てくる。早起きが良い例で、前日は飲み会があったから、最近疲れているから、昨日運動して筋肉痛があるから、子どもが夜泣きしたから・・・などと言っていては、永久に早起きなど出来ない。

それよりも、『前日何時に寝ようが、12時までに就寝出来たのであれば、5時に起きる』などと一定のルールを決めてしまった方が良い。『ただし、1時を過ぎて就寝した場合は、6時に起きる』と、例外も1つか2つだけは定めておく。

自分を中心に物事を回すのではなく、原理原則(ルール)を中心に自分を回すのである。そうすれば一喜一憂することなく、日々の瑣末な出来事に反応することもなく、淡々とペースを刻むことが出来る。

ウルトラマラソンのような、バラモンキングと同等かそれ以上の消耗を強いられるレースでも、こういった考えはとても役に立つ。『疲れがピークを超えた状態をとうに過ぎた状態』が70km以降続くウルトラでは、『走れるか走れないか』、『疲れているか疲れていないか』を議論していては、永久に走れない。そしてどれだけ休んでも、そのレース中に回復することなどない。

『エイドとエイドの間は必ず走る。ただし坂道は除く』とか、『3本先の電信柱までは走り、その後1本分は歩く』などのルールを決めて、どんなにツラくてもその通りに走る。そうすると、ツラいなかでもリズムが生まれ、それが結果につながっていく。

僕は森高千里を聞いて走っては歩き、となりのトトロを聞いて走っては歩き、少しテンションの高い湘南乃風を聞いて走っては休み、を繰り返して、距離を稼いだ。不思議なことに、一定のルールに従って遅いながらも走っていると、そう大崩れしない。キロ7分を下回らないぐらいのスピードで、走ることが出来ていたと思う。

 

10km地点、最初の折り返し付近で、筋肉の塊である元帥に抜かれた。えぇ。。さんの姿も見えた。バイクで10分は差があったと思うので、それだけ詰められたということだ。元帥はここ最近のレースでコスプレしながらもフルでサブ4を達成しているし、えぇ。。さんは走るたびに自己ベストを更新するという、尊敬すべきランナー。

どちらも格上であることは分かっていたけれど、追い抜かれて追いつけなくなると、気持ちが切れそうな気がした。10kmを過ぎて、元帥、えぇ。。さんと並走することになった。全く問題なく追いついてきたように見える元帥もペースが落ち、えぇ。。さんは憔悴していたバイク140km地点よりも憔悴し、よりとっ散らかっていた。(写真はバイク140km地点)

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そうか、みんなツラいんだ。。。

当たり前のことを考えつつ、しかしこういったところで弱さが出てしまうのが自分。ふとした瞬間にエネルギーが切れ、走れなくなってしまう。追いつこうと思う気持ちは一瞬で途切れ、離れていく2人の背中を見送るしかなかった。

日はまだ沈んでおらず、気温も相変わらず下がらないなか、僕一人だけが脱落していくのであった。

『ザックの分まで!』

その合い言葉だけが、僕を支えていた。

残りは27km。

***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

 

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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「ラオウを目指す羅王のブログ」にようこそ。修羅が蔓延る世紀末の日本を、「北斗剛掌派」という思想体系を以て変える活動をしています。我が生涯に一片の悔いなし!と言える人生を送るため、101回目のダイエットに励んでいます。