ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

サラリーマンと言えど妻子持ちは経営者である論 #672

time 2015/07/13


new-york-631577_1280

一昔前、ベンチャーの上場ブームがあった。今もそれに近いブームになりつつあるけれど、当時はもっとスゴかった。一頃のITブームのときには何人もの『時代の寵児』が生まれた。

アメリカンドリームならぬ、アントレプレナードリームが注目され、僕はそれを横目で眺めながら、いつかは自分も!いや自分なんて・・と思いながら、力を蓄えた。そして10年経って、一部の急成長した『当時のベンチャー』を除けば、ほとんどの経営者は市場からの退出を余儀なくされた。

理由は色々あると思う。当時は単なるバブルだったから、経営者の力量がそれに見合ってなかったから、時代が変わったから。ブーム中には『経営者の資産が一夜にして膨れ上がる』と上場のメリットが注目された。上場してみたら、『市場の締め付けが予想以上にキツかった』という感想をもった経営者が多かった。

メリットだと思った上場は、デメリットでしかないと悟った経営者は結構いた。好き勝手やっていれば良かった上場前とは違い、まがりなりにも公器と化した会社の情報は常に公開しなければならない。口うるさい株主が増えるので、意思決定もままならない。資金調達は容易になったものの、その使い道に関しては数限りない手続きを踏むことが必要になってしまった。

 

サッカーで言えば、上場前はストリートサッカーをしているようなものだ。ゲーム中にリフティングしてもいいし、インサイドキックではつまらないので敢えてラボーナや、オーバーヘッドを放ってみてもいい。それで周りの観客が喜んでくれるなら、それでも良かった。

観客に対する責任などないに等しい。ただ自分たちのやりたいプレーをして、それが『ヤバくね?ハンパねー!』と言われるほどトリッキーでカッコよければそれで良かった。

しかし上場すると、今度は『お金を払って見にくる観客』が大勢来る。スペースがあるのに走り込まなかったり、パスすべきところで自己アピールのためにドリブルしてたら『何やってんだ!』と怒られる。体型が崩れていると、それだけで『あいつは自己管理がなってない、外せ』となる。

そもそも、お金を払って見にきている以上、まず第一に『勝つこと』が要求される。『勝つ』のが第一。その上で面白いゲームをする必要がある。負けてなお面白い、なんてことはあり得ない。『選手の育成が必要だ』といって若い選手を出してもいいが、それで負けるようであれば監督のクビが飛ぶ。

勝つことに馴れてくると、今度は『面白く勝つ』ことを観客は求めてくる。『おいおい、勝てばいいんじゃねーのか』、といった言い訳は通用しない。アトレティコ・マドリードよりはレアル・マドリードスタイルが求められる。『それには金が要る』と言っても、『ないなかで何とかするのがお前の仕事だろ!』と切り捨てられる。

経営者というのは、至極大変な仕事だと思う。株主はそもそも短期的利益を重視しがちだけれど、その声に応えながら会社を長期的に発展させてくって、ハンパじゃなく大変なことだ。長期的な視点の株主、というのは、いそうでなかなかいない。

 

さて、サラリーマン諸氏はこの経営者の天国と地獄、というより地獄寄りの天国を笑っていられない。経営者の悩みは僕とは違う、とは言ってられない。僕には、僕を含めた皆さんにも、この上場したあとの経営者と同じような課題があるように見える。特に男性諸氏。上場前(独身時代、あるいはDINKS時代)と上場後(妻子あり、場合によっては奥さん専業主婦)では、経営者としての誓約と制約に格段の差がある。

僕たちの根本的なミッションは、『家族を食わせる』ということ。(時代錯誤だ、とか共働きの時代だ、とかそういう指摘はこの際無視する。)まずこの点において、現代はひと昔と違って大変な時代になってきている。

給料は伸びない、退職金は少ないもしくはない、年金は65歳から?70歳からじゃないの?、将来の医療費はかさむ一方。そんな状況でも、このミッションから離れることはどうやっても出来ない。

が、果たして『食えているだけ』でいいのかというと、そんなことはない。価値観の多様化が進んだ現在、『習い事』と呼ばれる子どもの投資だけでも、軽く10を越える分野がある。昔は『読み書き算盤』で良かったのが、今は『リトミック』や『チア』など、英語に疎い僕の友人が卒倒しそうな名前の事業分野がいくつもある。

また、クレオパトラのごとく永遠の美しさを求める配偶者の飽くなきチャレンジによって、その分野への投資も求められる。本業の事業が先行き不安なときに、芸術事業への投資をするのは、リーマンショックで大赤字を叩いたトヨタがF1に投資し続けるのと同じような痛みを伴う。トヨタはF1からの撤退をしたが、僕たちは芸術分野からの徹底を許されない。

ということで、数限りある資源から、自身の事業を伸ばしてその他の事業に投資するために『本業への投資』が必要になる。セミナーにいく、研修を受ける、人脈をつくる、一見関係ない囲碁やトライアスロンに挑む(当社の場合)、などがこれに当たる。

しかし、その『本業への投資』に関しては、厳しい株主の目がつきまとう。

▼『その投資は適正なのか』

▼『もっと少ない金額で、もっと大きな成果を挙げることは出来ないのか』

▼『10年後ではなく、今週の土曜日にメリットが教授できるようにならないのか。』

▼『自己投資はいいが、その原資はない。なぜなら子ども事業部の投資にまた月2万投資が必要になるからだ。』

▼『その投資をするぐらいなら、オフィスの環境を整えろ。ちょうど買いたいソファがある。』

 

このようににっちもさっちもいかないなかで、それでも絶え間なき前進を求められるのが経営者たる皆さんの仕事だ。長期的な展望のみを求めて、会社に泊まり込み、従業員にはブラックな環境で低賃金重労働を強い、飯は全部牛丼か豚丼、というのでは到底公器として認められない。

福利厚生を整え、立派なオフィスを構え、春闘交渉を毎年行い、ときには従業員のストライキに耐え、株主の短期的要求に応えつつも会社を長期的に発展させなければならない。

サラリーマン諸氏へ。皆さんがやっていることは、実は世の経営者がやっていることと全く同じである。起業したことがないのに、あの日を境にいつのまにか上場企業の経営者になってしまっているのである。

今我が家には、あらたな従業員兼株主が生まれた。この従業員兼株主は、今はまだモノを言わない。しかし、給料、配当ともに将来多額に支払いを要求されることが、既に決まっている。そのために事業を進めていかなければならないのだが、しかし本業だけにいそしむことは許されず、芸術活動や文化活動、子会社の事業にも投資をしなければならない。

そして何を隠そう、原資は極めて限られている。短期的な株主価値引き上げに応えつつ、どう会社を発展させていくか、悩みは尽きない。というか悩みしかない。

世の経営者もスゴいが、自分もスゴいな、とたまに思う次第である。皆さんも、本当はスゴいことをやっているということを自覚してもらいたい。

***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

家族とか教育とかの話

ラオウを目指す羅王のブログ

羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

「ラオウを目指す羅王のブログ」にようこそ。修羅が蔓延る世紀末の日本を、「北斗剛掌派」という思想体系を以て変える活動をしています。我が生涯に一片の悔いなし!と言える人生を送るため、101回目のダイエットに励んでいます。