※多少ネタバレごめんなさい。 これから観る人は読まなくていいかも。もう上映してないらしいけど。
スクリーンショット 2015-08-04 19.22.39
(Source:映画ビリギャル公式サイト
ハワイの道中、3つぐらい映画を見た。
『フォーカス』:主演がウィル・スミス、ヒロインがマーゴット・ロビーのプロのスリ師映画。写真で見ると苦手な金髪女性だけれど、映画では超可愛くて萌えた。昔はスリに引っかかるのはマヌケだとすら思っていたけど、この映画もそうだしこちらの動画もそうだし、どの道であれ、プロに素人は全く敵わないということがよく分かる。


『ソロモンの偽証』:宮部みゆきの傑作・・らしい。『らしい』というのは、終始盛り上がりに欠け、全然面白いと思えないうちに寝てしまったから。経験上、『ラスト5分の衝撃!』と言ってる作品は、それまでの100分ぐらいのつまんなさを隠すための方便なんじゃないかと思う。読解力がないからか、全然興奮できず、ただただ暗い話にしか思えなかった。
 
そして『ビリギャル』。
ご存知、ビリなギャルが、偏差値を40上げて慶應に入った話。このビリギャルを鍛え上げた坪田信貴先生の文章が面白いのと、僕自身ビリなギャルでもギャル男でもないけど、一度は偏差値8を取った(高校3年時の平均偏差値は25ぐらいだった。)者として、著書は既に読んでいた。
著書を読んでいたせいで、映画もまぁ変わらんだろと思って見るのがだいぶ遅れた。んで、暇で暇でしょうがない機内での暇潰しに、確か3番目に選んだのがこの映画だった。どうせストーリー知ってるし、どうせオチも知ってるし、どうせいい話だし。
 
結論。

10回ぐらい泣いた。全俺が号泣。

正直、ここまでの話だとは思ってなかった。いや正確に言えば、知ってたのに泣いてしまった。
夢も希望もなく、今が楽しければいいとだけ考える若者が、一人の人間と出逢い、目標を適当に決め、しかし色々あって本気でそれを目指すことにし、素晴らしい家族や友人の支えがあり、クズのような人間から何度も叩かれても立ち上がり、本当に夢を叶えた瞬間を映像で見たら、泣かずにはいられなかった。
なんだ、自分が人生でやりたいこと、これじゃん!と思ったら、涙が止まらなかった。照明の落ちた暗い機内で、一人ヒグヒグ泣いていた。
 
この映画、教師と親と組織のリーダーは絶対に見た方が良い。多少の脚色はあるにしても、ほぼ事実だし、これらの立場の人が参考に出来る点は一杯ある。
教師という、極めて責任の重い職業に就いている人間の一言で、どれだけ1人の人間の可能性が上下するのか。
親という、子どもから見たら唯一無二の人間が信じて支えてあげるだけで、一体どれだけ子どもは頑張れるのか。
思春期には親や教師以上に時間を共にする『友達』という存在が、どれだけ大切な存在なのか。
そういったことを鼻をぐじゅぐじゅにさせながら学ぶことができる。ストーリーを知っていたにも関わらず、どこで盛上がるかも知っていたにも関わらず、泣いてしまった素晴らしい映画だった。
是非親御さんはお子さんと一緒に、先生は生徒と一緒に、リーダーは部下の人たちとオフサイトミーティングがてら、観ると良いと思う。
 
ここからは完全ネタバレなのだけれど、大変申し訳ないが『素晴らしい家族』と書いたうち、主人公ビリギャルの父親だけは最後まで許せなかった。こういう父親はあり得ないと思った。(史実としてこういう父親なのかは知らない。ただ映画ではそうなってる。)
亭主関白で頑固で素直じゃない。そこまでは許せる。自分が果たせなかったプロ野球選手の夢(といっても本人は甲子園にすらカスりもしてないのだけれど)を、長男に託すというのも分かる。
だんだん頑固なりに娘を応援するようになって、最後の受験当日にも関わらず、不器用にも雪にハマった他人を助けたりとか、無理矢理娘を受験会場に送ってあげたりしたのも分かる。
ビリギャルも、最後は『いいとこあるじゃん』と多少は見直したようであった。

が!!!

ないわ〜、おとっつぁん、あんた、ないわ〜。僕から見たら最初から最後まで最悪だよあんた。
あんたみたいな人間は、自衛隊の予備隊にでも志願して、根性と叩き直してもらい、プライドを叩き折ってもらった方がいい。不条理を受け入れることで強くなるという経験をした方がいい。
なぜ僕は『この親父、ない』と思ったのか?それは、この父親が

ビリギャルの偏差値が60を越え、慶應にC判定※になったぐらいから応援しだした

から。
※C判定:合格確率50%ぐらい。結構すごい。僕はついに、受験当時C判定は一度も出なかった。Eがメインだったかな。友達はみんなA判定だった。おっ◯いの話なら勝ってたのに。
『慶應行くわ』とビリギャルが言ったとき、塾に通いだしたとき、模試を受けてE判定だったとき。まだ長男のプロ野球選手への道に未練のあった父親は、ビリギャルに対して全否定派であった。邪魔すらする存在であった。
長男が名門野球部のレベルの高さに心折れて野球部を辞め、プロ野球選手の夢が潰えて、さらにビリギャルがC判定までたどり着いて初めて、若干心境の変化があった模様。
知らないヤツに対してだったらしょうがない。会社での部下に対してでもそこまで信じられないかもしれない。
でも、実の親が子どもを全否定してどうする?全否定するなら自分だけにしとけ。能力が低いのは自分だけで、子どもは関係ないと言い放て。
ビジネスの世界では『勝ち馬に乗る』のは大事なことだ。だけど、子どもに対しては仮に現時点で『負け馬』だったとしても、乗ったり鍛えたりして『勝ち馬』もしくは、『負けにくい馬』ぐらいにはしてあげるべきだろう。
経験上、子どもに『才能』というのはあまり関係ない。才能が人生を左右するのは、その分野における上位0.01〜0.001%ぐらい以上の話であって、それ以下、例えば上位1%ぐらいまでであれば、間違いなく環境でなんとかなる。
仮にどんなにおバカな子だったとしても、極端な話、幼少期からアメリカに放り込めば英語はペラペラになるし、幼少期から毎日カラダに合わせてプロ野球選手ばりのトレーニングをさせたらプロ手前までは行くだろう。毎日『お前は賢いぞ』と言い続ければ、勘違いして勉強するから実際に賢くなる。
ビリギャルの父親は、ビリギャルはダメダメだなところからやる気を出して、チャレンジして、挫折して、もう一回立ち上がって、悔しさに涙して、絶望して、そして光り輝く未来に向けて一歩を踏み出し、結果を出し始めたところで初めてその馬に勝利の可能性を見いだした。
おそ過ぎ。最初からbetしろよ。
長男にプロ野球選手の可能性が見えたためそれ以外が見えなかったという弁解は聞かない。こういう父親には絶対ならない。でもプロ野球選手を目指すような息子は欲しい。それが本音。きっとこの父親が羨ましいから許せなかったんだろうと思ふ。
***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事