bed-389765_1280
昔、ちょいと浮世離れした系の人と話していたときに、今でも忘れられない印象深い話を聞いたことがある。
浮:『羅王さん、昔はガンがなかったって知ってます?』
僕:『昔って、生活習慣が欧米化する前だからですか?』
浮:『それもあるかもしれませんが、根本的には違います。日本人だけの話ではありません。なんでだと思います?』
僕:『紫外線?ダイオキシン?』
浮:『違います。』
僕:『なんででしょう?』
浮世離れした系のその人は、みのもんたばりに話を引っ張ったあとに、こう答えた。
 
 

浮:『ガンが発見されてからガンが増えたんです。』

 
そのときは一瞬バカにされたのかと思ってしまったが、よくよく解説を聞いてみると、なるほどそうだなと思わされる部分があった。
浮:『ガンというのは、症状としては勿論昔からありました。でも、それは今よりずっとずっと少なかった。でも、ガンがガンと医学界で認識されて広く一般に知られるようになってから、ガンは激増しました。その存在に気づいたからこそ、増えたんです。』
 
最近、『炎上』なるものが散見されるようになった。芸能人はしょっちゅうツイッターやFB上で炎上しているし、『先生』と呼ばれる国民から選ばれたはずの政治家さえもが、毎日のように炎上している。
特に政治家に関しては、『昔は気骨のある政治家が多かった』的な描写をされることが多く、比較対象である現代の政治家はいつも頼りない存在として認識されており、かつしょっちゅう炎上してたまに可哀想になる。
では、政治家のレベルは一昔前に比べて本当に下がったのだろうか?あるいは芸能界のレベルも、一昔前に比べて本当に凋落しているのだろうか?両者の失言は、本当に増えているのだろうか?
そうかもしれない。でもそうじゃないかもしれないと僕は思う。根本的には政治の世界も芸能界も、別に変わっていないと思う。昔から炎上の発端となる失言はあったはずであり、その数が特に増加したわけでも、アホな政治家が増えたわけでもないと思っている。
 
ガンの話と同じで、『それ』を認識するようになったり意識するようになったから増えたように見えているだけではないだろうか。いや実際にはガンの認定基準がどんどん下がってきているのと同様に、炎上の基準が下がってきたから、相対的に件数が増えているだけではないだろうか。失言認定が、乱発されているだけなのではないだろうか。
政治家ではない百田尚樹さんが、非公式な場で笑いを交えて言った『沖縄新聞なんて潰れてしまえ』発言は、見事に政治的発言として炎上してしまった。こんなのは、昔なら炎上の『え』の字にもならなかったはずだ。
ビートたけしが今デビューしたら、ソッコーで炎上するか、逮捕されているはずだ。それぐらい、昔のテレビは際どかったし、芸能人の発言も激しかった。僕の記憶が正しければ、『バカ殿』では女性のおっ◯いが丸出しだったし、それを追いかけている志村けんは真剣だった。
昔に比べて炎上となるネタが増えているわけではないけれど、炎上好きな人が増えているのは間違いない。
 
『それ』を認識すると、実際に『それ』が増える。育毛剤のCMを見た次の日に、枕に着いた抜け毛の数が気になるのは、きっと意識がそこに行ってしまってるからだと信じたい。抜け毛そのものが増えているのではないのだと信じたい。
***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事