※スイム3.8km、バイク190km、ラン42km、計236kmの国内最長レース、『佐渡国際トライアスロン(=通称アストロマン)』を完走しました。制限時間15時間半。ゴールしたのは15時間27分。奇跡の3分前!またまた赤裸々にお届けします。
※あらすじ
胃に異変を感じ、実際に体重体脂肪ともに急上昇したあたくし。5、6月の勇姿が見る影もなくなっていく一方で、別の異変がまた忍び寄ってくるのだった。。。

※過去の赤裸々レース系エントリはこちら。
※チーム『ポセイ丼』の登場人物はこちら。
元帥:1期生。ポセイ丼の王にして絶対君主。黒い、太い、声が低いの恐怖政治三拍子。色々な意味で柔軟性がない。
仙人:1期生。見た目が解脱気味。中身も解脱気味。100km以上の距離しか愛せない。よく異様な角度でストレッチをしている。
みよっしー:2期生。ポセイ丼初の優男。隙がない系でちょっと心配。今回のMVP。出来すぎるがゆえに戦地で上官に後ろから打たれる可能性が高い。

【あれ?バイクが止まらない??】

6月のバラモンキングが終わってから約3ヶ月。時間がたっぷりあったので、過去最長距離となるバイクについては入念に準備でき・・・なかった。
7月に扶養家族が増えたのだ。
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母乳をあげたり、父乳をあげたり、見張ってなくてはいけなかったり、なんとはなしに時間がない日々が続いた。昨年はきちんとトレーニングをしていたはずのロングライドも、なかなかすることが出来なかった。
これではヤバいと思ったアストロマンの数週間前、意を決して自転車乗りの聖地、大井埠頭に行ってきた。朝5時からのトレーニングに参加者はチームメイトのザック、そして『チーム熊』から参戦した通称『熊』。
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『多い太い』と悪口を言われてるみたいで癪だけれど、1周10kmでスプリント区間もあり、なかなか良い練習環境だ。
このとき、小さくない違和感をバイクに感じた。急加速した後に止まろうとすると、制動距離が思ったより長いのだ。平地なので特には気にならなかったものの、購入したときに比べると、明らかにブレーキの効きが悪くなっているように感じた。
 
アストロマンのバイクコースには、190kmの間に当然激坂もある。そしてDe部(=80kg以上のポチャスリートのみ正会員となれる部活)は坂に弱い。なので焦って今更ながら自転車乗りのもう1つの聖地、『ヤビツ峠』に別の日に行ってきた。
初ヤビツ峠で惨敗
チームメイトの仙人、そしてまたまた呼んでないのに『チーム熊』から来た『熊』と一緒に行ってきた。大惨敗だった。
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このとき、自分の体力のなさに愕然とすると同時に、もう一つ、今度はかなり大きな違和感を感じたのだった。
『下りでスピードが落ちない???』
つまり、バイクのブレーキの効きがさらに悪くなっていたのだ。下りでブレーキが効かないと、命に関わる。この日は雨だったこともあり、下りにしては超絶押さえながらヤビツ峠を下ることとなった。
 
さらにアストロマン前週の日曜日に、最後の仕上げとばかりに朝4時に出発して『多い太い』、もとい大井埠頭に向かった。家を出て5mで気づいた。
『前輪ブレーキが全く効かない!!!???』
もはや、効きが悪いとかそういうレベルではなかった。『カシュー』という音はなるものの、何の抵抗も発生しない。これは事故ると確信して、仲間に詫びてこの日はトレーニングを中止した。
そして急いでバイクショップに持っていき、修理をしてもらうこととした。この日に発送しないと間に合わない。しかしブレーキは完全にイカれた。大丈夫なのか俺???
 
 

【気圧のせい???】

実は、ブレーキが壊れたのはこれが初めてではない。今年3月に参加した久米島トライアスロンのためにバイクを発送する際、ピッコロさんの血みたいな液体がポタポタと垂れていることに気づいていた僕は、後からそれがブレーキを制御するための油圧ポンプの命綱である油であることを知った。
久米島に到着すると同時に、ブレーキが使い物にならなくなってることに気づいた僕は、急いで現地のメカニックの人たちに助けを求め、神業のおかげでなんとか出走を果たすに至った。
東京に帰ってからバイクショップに修理を依頼したが、手当が良かったのか、『まぁだいじょぶっすよー。壊れたのは気圧の関係ですかねー。これ以上直すとこないっす。』と太鼓判を押された。
バラモンキングもなんとか完走し、異変には少しずつ気づいていたものの、まだ大丈夫、まだ大丈夫と先延ばししていた。今思えば、バイクショップにもう少ししつこく依頼すべきだったと後悔している。しかし、人は突然の不備不具合に対しては対策を打てるが、緩慢に瓦解していく何かに対しては、そのスピードの遅さとは裏腹に、なかなか対策を打つことが出来ない。
肥満対策しかり、国防対策しかり。ガンと診断されれば食生活の改善から生活習慣の改善から根こそぎ変えられる人が、ただ健康診断に引っかかったぐらいではほとんど何も変えられないのと同じだ。
僕自身、『まぁ気圧のせいかー』などと、本来因果と相関を区別して考えるべきことを一緒くたにして、なんとなくそれっぽい回答をもらったことに満足して、問題点の究明を行っていなかった。よく考えるべきだった。『気圧のせいって何だよ!』と。
そしてレース1週間前に、ブレーキはついに完全に使い物にならなくなった。焦ってバイクショップに持ち込んだら、店長も焦っていた。『うーん、これ無理だなぁ。部品もないし。。まぁ、なんとかします。』
『気圧のせいじゃなかったんかい!』と言いたい気持ちをぐっと堪えて、僕は聞いていた。なんともならなそうな雰囲気満載で、しかし何も出来ない僕は引き下がるしかなかった。果たして直るのか?直ったとして、レースに間に合うのか?間に合ったとして、根本解決にはなってないだろうからもしかして激坂の途中でブレーキが壊れたりしないのか?壊れたら、さすがにガードレール直撃じゃないの?そしたらいくらDe部でも、腹で吸収できないのでわ???
様々な疑問が浮かぶ。そして思った。
『しもうた、トライアスロンはこういう業界だった・・・』
 
 

【忘れていたトライアスロン業界の人たちの習性】

トライアスリートには、正直言えば誰でもなれる。なろうと思えばの話だけれど。ただ一つ、これだけはもっておいた方が良いという資質がある。それは、

『テキトーである』

ということ。トライアスロンでは、特にロングのレースの場合にトラブルはつきものである。天候不順、レースコース変更、競技種目の変更、運営の不備、忘れ物、バイクの故障、長時間動き続けることによるカラダの故障。まぁ、本当にびっくりするぐらい順調にいかない。
ケ・セラ・セラ、レリゴー、Let it be、インシャー・アッラー、なんくるないさ、なんとかなるさ。
こういったセリフが体現出来ないと、正直トライアスロンをやるのはキツい。人生も経営もトライアスロンも、トラブルがあるからこそ面白いのだけれど、しかしトラブルに遭遇した瞬間というのは、相当に焦る。ここで3秒ほど焦って、それはそれとして『ま、いっか!』と思える人だけが、トライアスリートとして競技を続けることが出来る。
ちなみに、強靭な体力やメンタルとともにこういった習性を兼ね備えているトライアスリートは、ともすれば他の部分でもだいぶテキトーになりがちである。
『ちょっと走りに行こうよ。』と言ったら、その『ちょっと』は大体100km単位である。100kmか200kmかしかない。
『ちょっと登ってるから気をつけて』と言ったら、斜度10%以上の激坂だったりする。トレーニングをしていない常人では絶対に登れない。
『ちょっと行ってキマス。』と言ってアルプス、しかも本場スイスのアルプスで総高低差2万mのあり得ないレースに走りにいってしまった人がいる。
師匠である元帥は、『ちょっと値段を間違えた。』と言っていた。後から聞いたら、ホテルから言われた値段を200円と20万円で間違えていた。元帥の本業は税理士である。
チームメイトの仙人は、『脚がちょっと痛い。』と言っていた。後から知ったがそれは開始4kmで痛み止めを飲まねばならないほどの激痛で、しかもその脚で100kmをきっちり完走していた。
『脚をちょっと怪我してね。』という女性がいた。よくよく聞いたら、ほんの2週間前だかに筋断裂をしていたとのことだった。『あんた頭おかしいんじゃないの?』と医者に言われながらもニコニコして痛み止めをもらい、そして宮古島トライアスロンを完走していた。
こういう神のような人たちが多いので、トライアスロンに関連する人たちもテキトーになりがちである。よく考えたら、『気圧の関係ですかねー』と言われた時点で、その発言のおかしさに気づくべきだった。
しかし時はすでに遅い。
なるようにしかならない。
なんともならなかったら、そのスペックのなかでなんとかするしかない。
本番の日は、刻々と近づいてくるのであった。。。
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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