体調不良が発覚した日の話 #782


 

ある日、僕は「例の事」について悩んでいた。

自分が薄々感じていた課題を真正面から突きつけられ、悶えていたのだ。「つ、ついにこの日が来たか。」と、フリーザ様が父親を連れて地球に復讐に来たときのヤムチャみたいな狼狽の仕方をしていたと思う。

この問題には、そろそろ向き合わなければならない。しかし、そこから目を逸らしながら35年の月日を重ねてきた人生は、そんなに簡単に方向転換を許してはくれなさそうだった。

 

僕は朝から悩んでいた。

ふと気がつくと、15時を回っていた。いかん、昼飯を食べ忘れていた。

そういえば少しお腹がすいた。無理もない。朝食を食べた以来、もうずいぶん時間が経っている。

 

遠方にて仕事だったため、初めて入った駅ビルできょろきょろしながら、食べる場所を探すことにした。

1つのお店が目に入ってきた。

「ローストビーフ丼 1000円!」

なるほど、ローストビーフ丼か。悪くない。ちょうど昨日、筋トレをしたばっかりだし、肉の補給をしたいと思っていたところだ。僕はおもむろにそのお店に入った。

ローストビーフ丼が来た。1000円という値段に少し警戒していた(ローストビーフは高い)が、思ったより高品質な感じだった。食べてみると、タマネギやニンニクを配合したソースが絶妙で、思わず「旨!」と唸った。大正解だった。

IMG_8524

 

しかし食べ進むに従い、明らかな変調をきたすようになってきた。食が進まないのだ。好きなはずのお肉が、喉を通らない。肉好きの僕にしては、あり得ないことだ。どんなに調子が悪くても、肉だけは食べてきた。

僕の職業は保険家だ。人生には、「上り坂、下り坂、まさか」があり、3つ目の坂が人の人生を度々狂わせることを、職業柄よく知っている。そういえば最近、カラダの調子が悪い。ついに来るべき時が来たのか。。

僕は、生まれてきたばかりの次女に想いを馳せた。せめて、彼女がおはなし出来るようになるまでは生きたい。

次女の世話を毎日一生懸命してくれる長女に想いを馳せた。イヤだけど、バージンロードを一緒に歩きたい。

幸せを運ぶモンスター2人を産んでくれた嫁に想いを馳せた。心からのありがとうを言うまでは、まだ死ねない。

しかし。しかしだ。調子が悪い。肉をカラダが受け付けない。どうしちまったんだ俺のカラダは。

***

少しの時間、僕は考えた。

何か兆候はなかったか。

そういえばウルトラマラソンやアイアンマンのレースに出てみたものの、そのダメージについては考えてなかった。全身が傷んでいたとしても、全くおかしくはない。

仕事でストレスゼロを標榜していたけれど、実は知らない間に溜まってるものがあったのかもしれない。

睡眠は浅い方だ。疲れが取れない。こういうことだったのか。

他にないか。他にないか。他にないか。

僕は懸命に記憶を辿った。

10年前。。

1年前。。

1ヶ月前。。

1週間前。。

1日前。。

心当たりは、確かに沢山あった。しかしどれも、決定打と言えるものではなかった。

***

記憶の遡りが1時間前まで来たときのこと。突然、雷に打たれたような衝撃が走った。全てが分かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローストビーフ丼の1時間前に昼飯食べてたってこと、完全に忘れてた。

 

 

 

 

 

 

***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!