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先日、昼休みに会社の会議室をふと覗いてみたら、お世話になっているパイセンがテレビにかじりついていた。
「ブルーワーカー」、「アブトロニクス」、「ビリーズブートキャンプ」に連なる一連の系譜なあの系の商品。「これでアナタも肉体美を手に入れろ!」とでも言わんばかりのマッチョが画面一杯に胸筋を震わせ、お茶の間にダイエット商品を売りつけていた。
パイセンはサラダを食べながら、「俺もああなれるかな。良さそうだし買おうかな。」と言っていた。僕は「無理だからやめな。」と思ったが言えなかった。
CMでは、ガイジンたちが、
「やぁクリスティーン、このマシーンはぐっと腹筋に効くねー。どんどん鍛えられてるのが分かるよー。」
「まぁ、なんて素敵なの!ボブ!どんどん腹筋が割れていくわ!」
といった感じの、日本ではまずお目にかかれない会話を繰り広げていた。
***
多くの人が、こういう類いのCMを見て頭の片隅で分かっていると思われる事実が一つある。それは、

マッチョなガイジンたちは元々マッチョだったのであって、CMの器具でマッチョになったわけではない

ということ。
ヤツらは多量のトレーニングとプロテインでああいうカラダになって、そしてCMに出演しているだけなのだ。それをぬけぬけと、「ああ、この器具は最高だ。本当に最高だよ。」と恍惚の表情でのたまわりよるから始末が悪い。
勿論、ヒョロヒョロの人間やおデブさんが出演したところで誰も買わないだろうから、マッチョが出演することには意味があると思う。しかし、皆さん思ったことはないだろうか?

なぜヤツらはいつもガイジンなのか?なんであんな変なニホンゴなのか?

と。
一つには、それらの商品が「欧米発だから」というのもあるとは思う。でも僕にはもう一つ、重要なことが含まれているように思えてならない。本来ならアメリカ製の商品をきちんと日本化して届けるべきだし、日本人のマッチョが出てきて「ああ、この器具は最高だ。」と言えばいい。あんな妙なキャラのボブとクリスティーンを高いお金を払って招聘する必要はないし、変な声優を使う必要もない。
なぜあの系のCMはいつも、ガイジンなのだろうか?
***

日本人だと商品が売れないから、ガイジンだと売れるから、

というのが僕の出した結論。少し説明したい。
明治以来、ある種の日本人は、欧米由来のものを無条件に信じる傾向がある。鎖国の影響なのだろうか、夢や憧れを体現するものであればほいほい飛びついてしまう。「外資系金融機関」というととても素敵な男性を想像してしまうし、「ホテルオークラでお茶」もいいが、「リッツカールトンでアフタヌーンティー」と言われるとたじろいでしまう。
夢と現実の間には、本来相応の距離がある。しかしそこに、「ガイジン」や「外資系」が媒介すると、途端に一定の確率でその距離感を見失ってしまうのが典型的日本人。思考があらぬ停止の仕方をするのだ。(僕だけ?)
その代表格がディズニーだ。ディズニーランドの一番スゴいと思うところでも書いたけれど、はっきり言ってディズニーのご飯のコスパは最悪だ。異様に高いし、味はイマ三つぐらいだ。
しかし、大半の人はそのことを疑問にすら思わない。「ディズニーだから。夢の国だから」という一言で、目の前のマズいご飯のことを忘れてしまう。キャストが酷使されるブラック企業だろうが、「ディズニーだから。夢の国だから」の一言で許してしまう。ピザ1枚とコーラで1500円は絶対にオカシイと僕は思う。
同様のことは日常にも散見される。「アップルだから」、「マイクロソフトだから」、という理由で、商品の不都合や不備に対して目を瞑り、盲従しているという人は結構多い。これがソニーや松下だったら、ちょっとのアラでボコボコに言ったりする。
ジャスティン・ビーバーやオバマ大統領がドラッグに溺れた過去を持つのはまぁよろしい。しかし押尾学や安倍総理が麻薬に溺れたことがあったら、絶対に許さない。これが日本人の典型的な思考だ。
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「日本人は閉鎖的」と言われる。それはその通りだと思う。文字通り取れば、「排他的」とかそういう意味になるのではないかと思う。
が、日本人の本当の閉鎖性というのは、異質ではなくむしろ同質な存在に対してより厳しく発揮される。
電車のなかでガイジンの子どもがうるさくても、その親の人格を疑うという人はあまりいない。「子どもなんてそんなものだ」という考えがあるからだ。
しかしそれが日本人の子どもで、その親が日本人となると話が少々変わってくる。
「子どもに電車のなかで騒がせるなんて、なんて躾の出来てない親なんだ!」となる。
もともと異質な人ではなく、本来同質だったはずの人が異質臭を漂わせることに対してとても厳しいのが日本人だ。
***
話を元に戻す。
たぶん、日本人のマッチョがダイエット製品なり健康食品、筋トレマシーンを通販で売っても、あまり売れないのではないだろうか。なぜなら、
「お前、元々マッチョだろ!」
「痩せたヤツがやっても効果ないだろ!」
「1日5分とかいって、お前プロテイン飲みまくり、ジム通いまくりだろ!」
と、至極まともな疑問が湧いてくるからだ。
これが、ボブやクリスティーンになると話が変わる。
「俺もああなれるかも!」
「1日5分でいいのか!出来そうだ!」
「夏までに2ヶ月ある、よし、間に合いそうだ。」
テレビに映るガイジンのムキムキマチョメンがどれほどの時間とお金と労力を投じてあのカラダを手に入れたか、なんてことは頭から消し飛んでしまう。日本人得意の現実的なネガティブ思考は山の向こうへ。
ガイジンパワーによって、現在地と夢の座標がほぼ一致してしまうのだ。日本人って、面白い。
P.S このエントリを書いてて、「皇潤」や「セサミン」が日本人のGさんばかりな理由については全く説明出来ていないことに気づいた。あくまで筋トレ商品系に関してだけ当てはまります。と思ってたらライザップの説明がつかない。まぁいいや。
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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