ある政治家がブログを削除した理由がくだらなすぎる #812


 

僕の友人に政治家がいる。

ソイツはまぁなんというか、少し頭のネジが外れている。

いきなり脈無しで渡米ならぬ渡シャン(上海に渡る)して起業してみたり、地元に議員の空きがあると見るやいなや、次の日に立候補してる、みたいな。

「1日たりとも後悔せずに生きてるのか?今日死んだとして悔いはないと言えるのか?」とソイツは日頃からのたまわっており、その言葉を言われると、「我が人生に一片の悔いなし」を枕詞にしている僕は、何も言えなくなる。なぜなら、悔いも未練も実際問題沢山あるからだ。

なので、ソイツのことは本人には言わないけど心の底から尊敬している。

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で、実はソイツは僕と同様、過去にブログを書いていたことがあるらしい。結構長い間、毎日に近いぐらい更新を重ねてきたんだとか。

「ブログ見せてよ。」とお願いしたら、当選と同時に削除したんだって。「なんで?」と聞いたら、出てきた答えが、

「色々言われるから。」

だった。

正直、くだらないと思った。鼻で笑ってしまうぐらいだった。

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ソイツの考えをくだらないと思ったのではない。ソイツの言った理由を鼻で笑ったわけではない。

僕は何をくだらないと思い、何を鼻で笑ったのか。

それは、

「政治家が過去の自分の履歴まで消さねばならないほど色々言ってくる(可能性のある)有権者の存在」についてだ。

本人曰く、議員である以上、地元ではコンビニに入るのすら気を張っていなければならないらしい。服装にも気を使わねばならず、スウェットなんかは不可だそう。疲れた顔をしたり、しかめっ面をしててもいけない。どこで有権者が見てるか分からないからだ。

ブログにしても、ソイツは別に過去に悪いことをしていたわけではない。むしろ、楽しい日々をブログに綴っていた。しかし、その当選前の日々の様子を見て、色々と妄想したり指摘したりする有権者が、確実にいる。政治家である以上、そういったイメージの問題は票に直結する。

例えば、ブログに「ディズニーランドに行ってきた!楽しかったー!」とか書いてあったら、それが当選前の事であるにもかかわらず、「あの議員は遊んでる!」とか思う人がいるんだって。

突然渡シャンしたり、突然区議に立候補するような、頭のネジの外れたソイツでさえ、過去の回想録を見られて、それを現在の在り方に不合理に結びつけられて勝手に印象操作されることには、相当に気を使わないといけない。

結果、ブログを閉鎖するに至った。その後は、当たり障りのない政治活動のことしか、フェースブックなどには書けていない。

かわいそうに、と思った。

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政治家は、「聖治家」ではない。

政治家も、人間だ。いつも笑顔なわけないし、いつも元気なわけないし、ムカつくヤツのことは蹴飛ばしたくなる。お金をチョロまかしたこともあるだろうし、スピード違反もたまにはやるだろうし、デートもすればディズニーにもいく。

トイレを詰まらせてそのまま逃げたこともあるだろうし、呑んで呑まれて便器にこんにちはしたこともあるだろう。

政治家とて人間だ。全然オーケー。毎日ブログを書いていて、その中身が全部ご飯だとしても全然オーケー。

なのに、ソイツはブログの閉鎖を自分で選択した。政治家を「聖治家」として捉えがちな国民の監視網から逃れるために。過去と現在の区別もつかない国民の誤解を受けないために。

オバマは昔ドラッグをやってたし、プーチンは元スパイの親玉。しかし彼らは、国民から認められている。

日本人も、少しその辺の寛容性を高めないと、ダメになりそうな気がする。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!