隣の芝生は大して青くない #822


※本人の了承を得て書いてます。

先日、「外資系企業で」、「MBAを持ってて」、「当然のことながら高年収」という人とランチをした。

絵に描いたようなキャリアの持ち主で、携帯アドレスに「◯◯◯.mba@ezweb.ne.jp」と入ってるほどMBAに憧れを持っていた僕は、緊張の面持ちで貴重なお話を聞かせていただいた。

出てくる話は、どれもスケールのデカい話ばかりであった。家計管理や法人支援という、ある意味ミクロな知的貢献の世界で生きている者としては、そのスケールのデカさには毎度のことながら一種の羨望を感じる。

1時間ちょいに渡るランチを経て、得た感想は・・・

 

 

 

 

 

 

 

1ミリぐらいしか憧れねー!!!

 

 

というものだった。

隣の芝生は黒かった。。。

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確かに、仕事のスケールや英語バリバリの環境については、羨ましいと感じることしばしばだった。僕だって英語ペラペラなビジネスマンになることを夢見てた時代があった。世界を飛び回ったりしたいと思っていた。

そして今現在はというと、超ドメスティック企業でお客さんもドメスティックで(一度だけブラジル人にアテンドしたが、そもそも陽気過ぎるブラジル人に、保険のコンセプトは1ミリも響かなかったオブリガード)、ドメスティック商品を取り扱っている。

昔思ってたのとだいぶ人生の方向はズレたが、こちらの人生の方がむしろ快適な気がする。

一方で、憧れてたはずの世界に生きるその方が話す話がグロいことグロいこと。

その方の属する組織には、ショッカーとフリーザ様一味とダークサイドな帝国軍しかいないとか。シャア・アズナブルやラインハルト・フォン・ローエングラムのような、敵方ではあれど信念と能力と根性と健全な仲間意識が同居した人間ですら皆無に近いんだって。

「ゴマをする」という月並みな表現では仕切れない、すった手の皮がすり切れるかのうような苛烈なゴマスリ競争。上司の報告の合間に必ず同僚を蹴落とすための情報を入れる輩がそこら中にウヨウヨしてて、ネトウヨなんか目じゃない。

無能な上司が有能な部下に嫉妬して、日本企業なら悪口言って周りから嘲笑されるぐらいのものを、その有能な部下をあの手この手で精神病で退職にまで追い込むという、無能な上司の超絶無比な戦闘能力。

オリエンテーションで人事部が教えてくれる組織の生き方のコツが、「やられる前にやれ」とか、もうカオス以外の何物でもない。

僕の前職は良い職場だったのでここまでひどくはなく、「中にはそういう人もいるよね。」程度の認識だったけれど、MBA氏の前職組織は、間違って足を踏み入れたアマゾン川でクロコダイル十数頭に襲われるがごとく激しい修羅の国なんだそうだ。

「自分も歪みませんか?」と聞いたら、「うん、歪みかけてる。」と真顔で返答。うーん、ビヨンドマイイメージ。

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聞いた話は正直、うわ!そんなのが周りにいなくても良かった!という感想ばかりだ。

僕の周りにいるのは、

▼「人の半分の時間で5倍稼いできて?」と真顔で言う奥方

▼「パパとは1かいはけっこんしてあげるけど、2かいめはほかのひととしたい。」と真顔で言う娘

とか、

キワモノと思われる部類の人でもせいぜい、

▼「今日は大事な話が3つある。」と言って1つ目から忘れる元上司

▼「お前はビジネスマンとしてちゃんとしてないんだよ。」と言いつつ自分はネクタイが締まらないほど肥満の元上司

▼「仕事は数字で分析することが重要だ」といって、仲間の数字分析を鬼のようにする(=1ミリも生産性に寄与しない全く意味のない作業)先輩

▼「ウチのヨメ、ムール貝みたいなヤツなんですよー。」と、全く意味の分からないディスり方をする同僚

▼「羅王さんて、寝てないんですよね?」と、長時間睡眠の僕を前にしてのたまわるお客さん

ぐらいしかいない。

なんて幸せなんだろう、と聞いてて思った。

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別にこの話に限らない。憧れた世界の話、青く見える芝生の話を聞いても、実際は自分の住む世界より遥かに青さが薄く、むしろグレーだったりブラックだったりすることはとても多い。

英語ペラペラになれる仕事ではないけれど、周りに悪魔が1人もいない今の仕事環境は天国だ。ダークサイドの人間ですら、ほとんどいない。

「こづかい月2万で、勉強とかセミナーとか遠征とか禁止」の家庭に比べれば、「人の半分の時間で5倍稼げ」という家庭の方が目標が明確で良い。こづかい2万で家計だけが潤う一方で精気を失っていた友人の顔を見たときは、生類憐れみの令を発したくなった。

医師とか税理士とかいう仕事に昔は憧れていたけれど、医師は住む場所すら制限されたりプライバシーはゼロに近いから却下、税理士はそもそも憧れを持つほど安定した仕事ではないということが分かり却下となった。

僕は、一つの真実にたどり着いた。

 

 

 

自分の芝生に自分で水やって土壌を肥沃にして、草を真っ青にするのが一番の近道やん!

 

 

 

勿論、たまに天国そのものに住んでるとしか思えない人もいる。が、そういう人はきっと、他の人に真似出来ないほど丁寧に継続して、自分の芝生を育てた人なんだろうと思う。

「僕はビニールハウス育ちです。」と声高らかにのたまい、実際なんだかすごく恵まれているようにしか見えないヤツが近くにいていつもムカムカするのだけれど、そいつにしても、恐らくは見えないところで一生懸命芝生の世話をしているんだろう。

うちの芝生では0歳児が泣いている。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!