その値引き、要りますか? #831


 

「その値引き、要りますか?」

そう聞きたくなるような値引きが、世の中にはあまりに多いと感じている。

僕がよく行く地元のパン屋さんは、レジに並んでいると不思議なことをしてくれる。3つぐらいパンを買って、ドリンクを1つ頼む。そうするとお会計の額がレジに表示される。

そこから店員さんがモゴモゴ言うと、なんだか知らないけど100円ちょっとぐらい、安くなる。どうやら、「朝限定のドリンクセットだから100円引きになります。」とかなんとか言ってるものと思うが、小さい声なのでよく聞こえない。

嬉しいは嬉しいが、あー、引いてくれたんだ、と思うだけである。逆に、その値引きがなければそのパン屋さんに行かないかと言えば、そうではない。僕はそのパン屋さんが美味しいと思うから行くだけだ。

ちなみに神戸屋には絶対に行かない。高かろうマズかろうを地で行っているのにいつも繁盛していて、毎度恐れ入る。

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居酒屋にいくと、お会計の時に「割引券などありますか?」と聞かれることがある。おーそういえば!と思って携帯で検索したものを出すと、5%とか、運が良ければ10%ぐらい割引をしてもらえる。

居酒屋を経営する側からすると、それは「サービス」の一環なのかもしれない。顧客満足が上がることを期待しているのだろう。

しかし、顧客側からすると、その割引があったからその店を選んだ、ということはまずない。会計をするときにたまたま選んだ店に割引制度があって、ラッキーだったと思う程度だ。

その割引があってお客が増えるならやった方が良い。でも、増客には全く結びついていないのが現実。むしろ、ただの減益要因になっている。

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よくセミナーで、「早期割引」ってのがある。

「◯日までに申し込みしていただいた場合は◯千円引き!!!(場合によっては◯万円引き)」と題して、集客増を図るセミナー講師は多い。

が、これもよくよく考えてみれば、わざわざ貴重な時間を数時間を割いてそのセミナーに参加しようとする人が求めているのは、内容であって、価格の誤差ではない場合が多い。その数千円が割り引かれれば参加して、割り引かれなければ参加しない、というようなものではないのではなかろうか。

少なくとも、割引が魅力になってないわけではないが、買うと決めたサービスの満足度を上げることはあっても、サービスを買う人を増やすこと自体にはあまり貢献していない。

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というわけで、マクドナルドのように、「100円マック」のような、価格それ自体が強烈な集客力となってお客を集めまくってくれる場合を除けば、値引きの多くは販売側の自己満足に過ぎない。

また、夕方以降のスーパーでなされる値引きのように、商品の劣化に伴って値引きされていくのは至極合理的だと思うけれど、その適用が必須になるのは日持ちしない生鮮食品に限られる。

少なくとも、大企業はともかく中小事業主にとって利益は死活問題なのだから、安易な値引きは避けるべきだと思う次第だ。

顧客満足を上げたいなら、値引きをするのではなく、等価のサービスをもう一つ付けてあげれば良い。本当に必要な値引きはごくわずかで、その他沢山の値引きは、してもしなくても顧客にとってはどうでも良い話なので、であれば双方にとって何の得にもならないし、ない方が良い。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!