皆さんメリークリスマス。
ちゃんとサンタさんからプレゼントはもらったかな?
もう20年ほど前にもらう側を卒業して、数年前からあげる側に移行してきたんだけど、毎年のことながら四苦八苦しながら近所の子どもクリスマス会でサンタをやったんだけど、そこで気づいたことを僕からのプレゼントとして皆さんに提供したいんだけど、ちょっとだけ話を聞いてください。
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遡ること4年前の今日。僕は娘が2歳のときに、サンタコスプレをして自宅に押し入った。2歳だからまだ夢を見てくれるだろうと思っていたら、

2秒でバレた。

家に入って一瞬サンタさんの登場にびっくりした後に、「・・・パパでしょ?」と、極めて冷静に言われてしまった。子どもが手強いと感じたのはこのときが初めてだ。その年はなんとかごまかすことが出来た。
そんなこんなで数年経ち、最近は大事な日には絶対に仕事を入れない僕の習性を買われ、子ども会のサンタ役を仰せつかっている。年々手強さを増す子どもたちを相手にしてきたが、今年は最強の「年長さん」。小学校入学も間近となったヤツらの知能は、果たしてどの程度レベルアップしているのだろうか。
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対策としては、サングラスを導入した。やはり目でバレるということは大いにあり得る。まずは目を隠そうということになった。
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次に「いなくなったパパ=サンタ」の公式が子どもたちの頭の中で成り立つことを防ぐために、ひっそりと姿を消して着替えることにした。司会陣と連絡を取り合いながら、最適なタイミングを見出すことに成功した。
更に、着替えスペースに関しては「恐ろしい鬼が出るし、そこに入ったらサンタが来なくなってプレゼントがもらえなくなる」と散々子どもたちを脅すことにした。これでセキュリティはばっちりだ。
そして「サンタさぁーん!!!」と呼びかける子どもたちの声が最高潮に達したところで、僕ともう一人のパパデブサンタが登場!我ながら完璧なスタートだった。。。
 
 
 
 
 
 
 
 

今年は3秒でバレた。。

全部無駄な努力だった。。

 
 
 
 
 
 
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年長さんたち20人を相手にするのは、想像以上に苦難の連続だった。
まず、部屋に入った瞬間に、「◯◯ちゃんのパパと◯◯くんのパパだ!」と、サンタ候補のパパが10人ほどいるのに、exaclyな答えを即答するヤツがいる。年長さんぐらいになると、1人や2人は頭の回るヤツがいる。ソイツのせいで、序盤で真実がバレた。
いきなり過ちを認めるようでは話にならないので、少し抵抗してみた。
「うん、似てるけど違うんだよ?◯◯ちゃんと◯◯くんのパパの弟なんだよ?」
そしたら、「うそつきー!!!」と全員で総攻撃。普段、「ウソはいけない」と各家庭で仕込まれているからか、あからさまなウソに対しては極めて厳しい糾弾が待っていた。
しかし視線を落とすと、一向に真実しか見ようとしない年長さんたちに混じって、その弟くん、妹ちゃんたちがこっちをウルウルした目で見ている。2〜4歳の彼彼女たちの目は、まだサンタさんを信じてる。サンタさんがプレゼントをくれるのを心から楽しみにしている。
ここで負けるワケにはいかない。
「とにかく、ホンモノなんです!!!」
三流政治家でもしないような言い訳をしながら、とにかく猪突猛進する。
***
混沌とするなか、とにかくも子どもたちを静かにさせることに成功した僕たちは、ゲーム大会を始めた。「◯◯ちゃんのお母さん、ルールを説明してください。」と僕は言った。そしたらすかさず、
「なんであのひとが◯◯ちゃんのおかあさんってしってるんだよー!」と、極めてロジカルにこちらの矛盾を突いてくる賢いヤツがいる。他の園児たちも「そういえば・・・」といった顔で、コチラに疑いの目を向けてくる。
またもクレームの嵐。
「サンタさんだから全部知ってるの!!!」
と無理矢理押し切り、ゲームを始めた。声を大きく、出来る限りゆっくり、ジェスチャーを交えて幼稚園の先生のように話すことで、何とか子どもたちを仕切ることが出来た。
賢いとは言っても、そこはまだ幼稚園児。ゲームが始まってしまえば、どの子も一生懸命宝探しをしていた。それぞれの子がお目当てのプレゼントを当てたときは本当に嬉しそうで、それを見ているコチラも嬉しくなった。
つつがなく2つのゲームを終え、皆で記念写真を撮り、ミッションを完了した僕たちは皆にお別れを言った。30分ほどとはいえ、声を枯れるほど出していたので、もうヘロヘロだった。
しかし・・・
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地獄は、ゲーム終了後に待っていた。
「みーんなー、ありがとねー!バーイバーイ!!!」と叫んで意気揚々と着替えスペースに入ろうと思ったら、ものすごい勢いで20人全員が追いかけてくる。
スペースに入るためには、ドアを閉めなければならない。しかし、子どもたちに怪我をさせてもいけない。細心の注意を払いながらドアを閉めようとしたら、何人かの子どもたちがドアに挟まれることも厭わずにカラダを挟み込んできた。
日本の典型的サラリーマンたちに見せたいほどのブレイブハートで突っ込んできた子どもたちを、しかし僕は着替えスペースに入れるわけにはいかない。入られたら、全てがバレてしまう。疑わしくても、最後の最後まで認めない。それで、子どもたちの夢はギリギリ守ることが出来る。
しかし子どもたちの細い腕は、30本ぐらい同時に襲いかかってくる。子どもたちの突進を止めながら、腕も抑えるということはなかなかできない。まず、サングラスがひっぺがされた。目が露になった。
「◯◯ちゃんのパパだー!」と、サンタの正体に確信を深めた子どもたちが、さらに勢いを増して襲いかかってくる。僕は界王拳を発動し、子どもたち全員をスペースから締め出した。ドアを締め、開かないように自分の全精力を込めてドアをロックした。鍵がかからないので人力だった。
もう一人のデブサンタが着替えを完了すれば、僕が交代して着替えられる。着替えさえ完了してしまえば、あーだこーだ言われても、あーだこーだと切り返すことができる。
***
盲点が一つあった。実は着替えスペースは、今激戦の末に守り抜いたルートの他に、もう一つ、外から回るルートからも入ることが出来る。
しかしそれは一端外に出て、寒い中を30mほどとはいえ歩いてこなければいけないため、子どもたちにとっては厳しいルートだと僕は思っていた。少なくとも、サンタに着替える段階では、誰もそのルートの存在に気づいていなかった。構造上、ルートは2つ存在するが、ドアを開けさせすればパーティルームからダイレクトに来られる第1のルートをわざわざ放棄してまで、第2ルートを使うほど頭が回ることはないだろうと思っていた。
第1のルートは僕がカラダを張ってドアを締め締めしているので、デブサンタの着替えまでの数分は稼げるだろうと思っていた。が、
完全に甘かった。
今川義元が桶狭間で信長にやられたのと同じように、「まさか」の方向から子どもたちの叫び声が聞こえる。アリの大群が押し寄せるように、ヤツらは第2ルートから突如、着替えスペースに飛び込んできた。
ドアを押さえつつ、子どもたちも押さえる。これだけでも限界に近かったが、ヤツらは両手の塞がった僕から、ヒゲと帽子を奪い去った。
顔が露になる!!!
「やっぱり◯◯ちゃんのパパだー!!!」
と叫ぶリーダー格をなんとか黙らせるべく、全力で顔を隠す。もはや、大人のプライドも何もない。ただただうずくまって、両手で顔を隠す。
上から子どもたちがこちらの荷重制限など無視して全員乗っかってくる。アリの大群に街が壊滅させられる映画があったけど、あんな感じ。一人一人は大したことないチカラなのだが、全員集まると相当に破壊力があるし痛い。なかにはパンチも蹴りも入ってくる。ぶっ飛ばすぞ貴様ら。。
30秒ほど集団リンチに耐えた後、ようやく着替えを終えて出てきたデブサンタが助けて舟を出してくれた。僕は着替えスペースの奥にあるトイレに駆け込み、そこで着替えた。
しかしヤツらは執拗だった。鍵がかかってるはずのトイレが、がちゃりと開く。「10円玉でトイレが開く」ということを知っているヤツが紛れていたようだ。トイレのドアを閉めつつ、鍵を締めつつ、片手で着替えをする。なんで俺はこんなことやってるんだ・・というみじめな気持ちになりながら、しかし子どもたちの夢を夢のままで終わらせることには全力を尽くさねばならない。
絶対に、正体がバレてはいけない。バレバレでもバレてはいけない。
結局、子どもたちにバイバイしてから10分ほどは息をする暇もないほどだった。精根尽き果てて、ようやく着替えを終えてパーティルームに戻ったときには、子どもたちはサンタなんぞ来なかったかのように遊んでいた。
僕は、なんとも言えない気持ちになり、なんとも言えない顔になった。子どもたちの夢は、こうして守られた。
***
大変ではあったけれど、振り返れば、学びの多いクリスマスパーティだった。
この日起きたことは、園児相手でだけでなく、大人相手でも現実世界でよく起きている問題だ。
僕たちと大人が夢を語ると、必ずこの日の子どもたちみたいに、
「そんなのウソだ!」とか、「できっこない!」という声を発するヤツがいる。子どもよりも、大人の方がこういうセリフを吐くヤツは多い。
そして夢に向かって前進しようとすると必ず、「その計画は現実味がない」とかいった類いのツッコミがいちいち入る。それでも、夢を語るヤツはそれを聞くヤツの100倍の確信でもって、突き進まねばならない。どんなに批判され、「お前たちはサンタじゃない」と突きつけられても「俺たちがサンタだ!」と言い張った僕たちのように。
そして、前進を続ければ続けるほど、線路の枕木のごとく、障害が現れる。わずか2本の腕で15人の突進と30本の腕を抑えなければならなかった僕のように、「もう無理なんですけど!!!」と思わざるを得ないようなシチュエーションは日常茶飯事だ。
そういえば思い出した。パパママは他に15人ぐらいいたんだけど、誰も助けてくれなかった。ひどいヤツらだ。微笑みながらこっちを見てた気がする。現実社会でも、夢を語るヤツは普通の人が経験しないトラブルや攻撃に見舞われるが、原則的には自分のチカラだけでそれを乗り越えなければいけない。誰の助けも期待してはいけない。どうせ誰も助けてくれない。
「はぁ、終わった。。」と思ったそばから起こるトラブルが、本当の危機であることは多い。ドアを閉めた時点で僕は勝ったと思ったが、そこからはそれまでの100倍追いつめられることになった。今起こっているトラブルは、もしかしたら次のさらにデカいトラブルの前章に過ぎないかもしれない。
どれだけ「ウソつきー!」、「ほんとは◯◯ちゃんのパパでしょ!?」と問いつめられても、僕は「はぁ?なにをおっしゃってるの?サンタですがなにか?」と良い意味でトボけ続けた。目標到達に関する疑念や疑惑は、前進する者に常につきまとう。それでも、疑う人間に対して毅然とした態度をとり続けることが大事だ。
夢を語ることは、誰にでもできる。しかし、それを語り続けること、前進し続けること、叶えること、叶うと人に信じさせることは、簡単なことではない。まずは、夢を語る本人が、強烈に思い込むことから始めねばならない。
それがよく分かった子どもクリスマスパーティだった。
 
そんなわけで、
 
 
 
 
 
 

単純にスゲー疲れた。

 
 
 
って話。
メリーくるしみました。
***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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