うまくいった起業に乗っかる親友と、うまくいった男に乗っかる女性の話 #896


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「『(立ち上げ間もない)お前の会社、そのうち参画したいんだよね。でも今は無理だから、軌道に乗ったら教えて!!!』

という親友を、自分の会社に入社させるかさせないか」という話を、新卒の時の同期と話していた。

「まぁ、ないよね。」という結論で一致した。「あったとして、入社後に自分(社長)と同じ売り上げを挙げたとしても、同じ待遇にすることはないよね。でも『親友』だから、あちらはそれを求めてくる可能性はあるよね。」という結論でも一致した。

話を少しだけ元に戻すと、自分が会社を立ち上げたばかりでうまくいくかどうかも分からないときに、めっちゃ仲の良い親友クラスの人間が「一緒にやろう!でもお前が軌道に乗ってきたらね!」と提案してきたらどうするかという話をしていた。

僕の周りでは、兄弟で起業、親友と起業、みたいな事例が意外と多い。そして上記のような話に仮になったときに、「お前ならどうする?」と意見を聞いてみたくなって、元同期に相談してみた。

関係ないけど、彼が会談場所に選定してくれたお店はとても旨かった。

鳥政@表参道

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一般に、「三人寄れば文殊の知恵」とか、「三本の矢」とか、複数人での知の集積は個人を上回るということが言われている。

それはその通りだと僕も思うのだけれど、こと起業、独立に関して言うと、複数人で立ち上げた場合には、

「もし他の人間が全員売り上げゼロでも、俺が全員を食わせてやる!」という意気込みを全員が持ってないと、うまくいかない。

逆の、「自分がダメでも、他の誰かが食わせてくれるだろう。」という姿勢では、不思議なことに絶対にうまくいかない。

3人で起業したのだとすれば、3人それぞれが売り上げを300%ずつやるとコミットしていて、ようやく着地が100%になったりする。理論的に考えればそうではないのだけれど、現実には何故かそうなっているケースが多い。

冒頭に出た、「『軌道に乗ったら教えてね!』という親友」の事例は、そんなわけで既にその時点で親友ではない。「俺を食わせる準備が出来たら教えてね!」と言っているのと同等だからだ。バカかと。

元同期は兄弟で会社を経営していて、どちらも前職を辞めてフルコミットの状態だったから、ぶつかり合いながら削り合いながらもお互いに高みを目指し、今の場所まで何とか来ることが出来た。

これが、兄が前職を辞めてフルコミット、弟が一流会社に勤めながらリスクヘッジしてパートタイム、とかだったら、きっとうまくいかなかっただろう。

創業者というのは、かくも偉大だと僕は思う。もし誰かと一緒に何かをやるのであれば、ソイツが「自分がいなくてもフルコミットできるヤツか」というのと、「ソイツがいなくても自分はフルコミットできるか」の両方を真剣に考えた方が良い。

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面白かったのは、この後の気づき。この元同期は、男と女に関する修士論文を書ける級のプロなので、どうしてもそっちに話が行ってしまう。35歳になってもチェリー臭漂う僕とは大違いだ。

稼げるようになってから寄ってくる女性は、「『軌道に乗ったら教えて!』という親友」と同じではないかという話になった。苦しいときからフルコミットしてきたわけではなく、様々なものが保証されてから「参画」してくるという点で。

だからそういう女性は、稼ぎがなくなると途端に離れていく。スポーツ選手が無名時代から付き合っていた人と結婚した方が良いというのは、そういうことなのかもしれない。彼女らは、「ない」時代を知っている。これは何にも代え難い価値だ。

なんてことを思いついてさすが俺!と僕がどや顔をしていたら、元同期はこう言った。

「男もそれを言い訳に、逃げてるんだけどね。『稼げるようになったら、食わせてあげられるようになったら結婚するから待ってて!』って。だけど、食えるようになったら他に行くこと、多いんだよね。」

と。

自らがそう言いながら逃げ続けていた男の話だったので、異様な説得力があった。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!