スティーヴン・コヴィー博士は「7つの習慣」の中で、第1の習慣について、

主体性を発揮する

と述べている。
なんや、そんなん当たり前やないかい、と7つの習慣を初めて読んだときは感じたと記憶している。
そこから十数年を経て、特に最近色々なことがあったこともあり、この「主体性を発揮する」がなぜトップバッターに来ているのかがようやく分かってきた気がする。
主体性が全てである、と今は確信している。
***
とある会社では、頻繁に商品改訂が行われている。
それは会社全体のことを考えれば、顧客とのwin-winを両立させる上で至極合理的な改訂なのだけれど、いち現場からしてみるとその改訂は不合理に見えなくもない。
強みとされていた部分が削られ、大して大事でもない部分が強化されているのだから、現場感覚としてはそれは全然不思議なことではない。
このようなとき、決まって、
「ほんとうちの会社、バカだよなー。」
「本社の奴らは全然分かってないよな。」
「この部分の改訂は◯◯な部分がイマイチで、◯◯な部分は最悪で、◯◯な部分はあり得ないよな。」
と、声を大にして言う人間がいる。
社歴が長い人間が大体この手の批判の急先鋒になる。
彼らは、商品改訂に関しての意見を沢山持っており、とても主体的に見える。
 
一方で横を見ると、せかせかと改訂後の商品をどのように売っていくかを真剣に考えている人間が何人かいる。
彼らは何も言わない。言わないが、必死に頭を働かせている。
どうしたら顧客は納得してくれるか、どのあたりが顧客のメリットなのか。
その代わりといってはなんだが、商品改訂という事実については、ほとんど口を開かない。
上層部に何を言っても決定事項なのだから無駄だろうと、半ば諦めているのかもしれない。
彼らはこの商品改訂という事態について特にコメントもせず、極めて受動的に対応しているように見える。
 
大体想像できると思うけれど、果たして数ヶ月もすると、商品改訂後の売り上げに関して何の実績も挙げない前者と、実績の山を積み上げる後者に分かれることになる。
一見すると商品改訂に様々な意見をもって主体的に見えた前者と、口すら開かない受動的な後者とに分かれていたはずが、その後の実績には大きな差ができることになった。
主体的なのに成果を挙げない人と、受動的なのに成果を挙げる人と。
***
もし僕がコヴィー博士の言う「主体性を発揮する」を現代風に補足するとすると、

「半径5mの範囲に関して主体性を発揮する」

と表現したい。
半径100kmは手が届かないが、半径5mならピボットすれば十分に届くからだ。
 
一見して主体的だが実際はそうでない人と、実際に主体的な人とでは、頭のなかの論理構成が少し違う。
一見して主体的な人は、遠くの問題や雲の上の問題に関しては極めて主体的な意見を持つ一方で、自分の手の届く範囲のことに関してはかなりの確率で排気量の少ないエンジンしか積んでいない。
商品改訂についての批判の数が多い人ほど、実績が少ないという点からもそれは見て取れる。こういう人は、自分が理想とする全ての条件が整わなければ動こうとしない。
そしてそんな事態は、実際は永久に訪れない。
 
実際に主体的な人は、軍隊で言えば優れた中級指揮官のメンタリティに近いものを持っている。
戦力が完全に整うことが現実的にはあり得ない以上、常に何かしらの欠乏と戦いつつ、前面の実際の敵とも戦わねばならない。
そして大体、中級指揮官に降りてくる大本営の命令は、どこかしら「頭おかしいんじゃないの?」という要素を含んでいる。しかし彼らはそのなかで結果を出すために、獅子奮迅の活躍を見せる。
商品改訂に意見がないのではなく、その意見云々で何も変わらないことを知っていたからこそ、変えられる何かのために力を彼らは使ったのである。
 
誰もが大統領や社長になれるわけではない。
大統領や社長が持つような権力を「半径5mのもの」として使えるなら、それに応じた影響力を発揮すればいい。
けれどほとんどの人は上に誰かがいて、その制限のなかでの主体性の発揮を求められる。
そしてそれは、決して「もし俺が大統領だったらこの国をこうするのに。」とか、「もし俺が社長だったら会社をこうするのに」といった半径10kmも先に関する大言壮語ではなく、

で、お前は今日実際になにやるの?

に明確に答えられる何かを自分のなかに持つということなのではないかと思う。
「『主体的』的な人」には注意されたし。
***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

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