バラモンキング2016(スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km)を14時間57分46秒で制限時間2分前、ビリから2番目でゴールしました!
大会テーマ「進め 限界のその先へ」の如く、限界のその先へ進んだ話を赤裸々に語ります。
※老若男女問わず五島で応援してくれた地元の皆さん、五島で死闘を共にした皆さんからのFacebook申請お待ちしております。誰か分からないので一言あると嬉しいです。名前はゼッケンNoから探してちょんまげ。皆さん本当にありがとうございました!
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(登場人物)
元帥:ポセイ丼の創始者で絶対王。黒くて太い税理士で、パルテノン神殿とかにいそう。
仙人:ポセイ丼最速の漢。常に浮いている解脱系。
えぇ。。さん:ポセイ丼最細の漢。フリーザ様第3形態に体型が似ている。
みよっしー:ポセイ丼最高の成長株漢。弱点と欠点がないのが弱点であり欠点。
ザック:ポセイ丼ラン部門最速の漢。UKC(薄い・軽い・チャラい)が自慢。
熊:ポセイ丼最重の、厳密には別チームの生き物。まごつき癖あり。
***
ついにスイムがスタートした。
3.8kmの道のり。
昨年9月のアストロマン(バラモンキングとほぼ同距離)以来、累計1kmぐらいしか泳いでいないスイム。不安しかない。
逆にここさえ乗り切れば、あとは気合いと根性でなんとか出来るかもという予感があった。
そして、気合いと根性では何ともならないのがスイム。大丈夫なときは大丈夫だし、ダメなときは本当にダメになる。
 
ちなみに、トライアスロンという競技において「恐怖」というカテゴリで括れば圧倒的な一位に輝くのがこのスイム。
水は人類が生き延びるのに必須であるにも関わらず、水に対する恐怖は、恐らく本能に刻まれているほど根深い。
息が上がると、どんな合理性も論理的な思考も吹き飛び、途端にパニックになる。そしてパニックになると、リタイヤの確率も、最悪の場合は死亡の確率も、飛躍的に高くなる。
泳ぎ慣れていない人間ほどそうなりやすく、そして今の僕は極端に泳ぎ慣れていない。
 
ドラクエには、チームを統率するための作戦がいくつかある。「ガンガンいこうぜ」の場合は全員がフルパワーで最大火力の魔法を使って攻めまくる一方で、「じゅもんつかうな」の場合はその逆になる。
僕は、「いのちをだいじに」を選択した。
スイムは、3.8kmの距離に対して、制限時間が2時間20分。速い人だと60ー70分程度で上がり、僕は昨年86分。
調子が良くても悪くても、せいぜいプラスマイナス10分程度。なら、タイムを多少に犠牲にしたとしても、安全に航行することの方が正しいことのように思えた。
そしてそれは、結果的に報われることとなる。
***
「3.8kmだと長いけど、1.9kmを2回だと思えばなんとかなりますやん。」
という、スタート直前に聞いた元帥の何の説得力もないコメントを思い出しながら泳ぐ。
とにかくスタート直後から、息が上がらないようにだけ、細心の注意を払ってゆっくりと泳いだ。そしたら、意外と息が上がらなかった。
 
最初のコーナーを曲がると、雨予報だった雲の間からお日様が見えて、ものすごく荘厳な雰囲気になった。呼吸のたびに、お日様が見えて、テンションが上がる。
すると・・・
 

あれ・・・?

ザック・・・?

ザック!!!

 
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雲の間から、後光に照らされたザックの顔が見えた。
昨年の番号である「777」、通称「フフフ」を見せつけながら、相変わらずナメた顔をしたザックが、天空から僕を見ている。
そうか、ザック、お前も応援してくれてるのか。。
見ててくれ、必ずゴールするから。
すがるものがなく、弱気の局地にいた僕は、スイムの序盤でテンパらなかったこと、そして天空からザックが見ていてくれたことに感謝しつつ、少しずつ気力が湧いてくるのを感じていた。
もしかしたら、イケるのかもしれない。
***
幾度か人と激突したり、水中メガネが外れたりということはあったものの、基本的には今までのレースのなかでも一番休憩をしなかったように思う。
いつもは序盤で突っ込みすぎて(といっても大した勢いではないが)息が上がり、上を向いて空気をプカプカ浮きながら吸ったり、立ち泳ぎでゲハゲハと混乱を沈めたりで忙しく、お休みの時間が結構多い。
それが今回は控えめにいったおかげでほとんどなく、遅いながらも巡航速度で着々と距離を稼ぐことができた。
1.9kmを2周回の1周目は、なんと38分。去年が42分だったから、脱力した割に予想をはるかに超えるパフォーマンスとなった。
速くても止まるヤツより、遅くても止まらないヤツが結局は先に進む
という兎と亀みたいな話を、自らのパフォーマンスで証明した形だ。
おお、なんだかイケる気がするー!!!
***
2周目のハイライトは、意外な方面から訪れた。
泳ぎは望外にうまくいっている。疲労もそんなにない。パニクりが一度も発生していない時点で儲けもんだ。
 
途中で、ある漢と並走することになった。
ヘッドアップ(頭を上げての方向確認)をあまりしたくないため、横の人間との距離を一つの基準として泳ぎたい僕としては大歓迎だ。
ただ、そのわりには距離が近すぎた。もう手が届かんばかりの真横にいる。近いので顔がよく見える。どうやら60歳は超えているおじいちゃん御仁のようであった。
こんなレースに出るのは、35歳の僕でもキツい。それが60歳オーバーで出場か。マジかよ。。
そして、あろうことか彼は左呼吸だった。
 
僕が右呼吸、御仁が左呼吸。
僕は左側に、御仁は右側にいる。
どういうことになるか分かるだろうか?
呼吸のタイミングがバッチリ合ってしまうと、
 

10cm隔てて顔が向き合う

 
ことになる。
35歳の太め男児と、60歳は超えているであろう御仁。何の恋愛感情もない2人が、そっと顔を寄せ合う。
たまらない。
知らない間に、顔が赤らむ。
「ンパッ!ンパッ!」
と呼吸するたびに大きな音をさせながら、2人は何度も顔を寄せ合った。
そして僕は、御仁と何度も顔を付き合わせている間に、あることに気づいてしまった。
 

歯がない!!!

 
そんな反則は想像もしていなかった僕は、ここで今回初めてパニックになった。
10cmの距離で顔が向かい合ったときも、少し心拍が上がった。しかし今回はその比ではない。ドリフも真っ青のオチがついてきやがった。
 

ブボボボボボボボ!!!

 
いけないと分かっていても、つい笑ってしまう。そして水の中で笑うと、途端に呼吸困難になる。
トライアスロン準備リストに、「入れ歯をしている場合は外す」という項目が追加されることとなった。
***
その他、2周目の記憶は、あまりない。
レース前の弱気ももはやない。
10cmの距離にいる御仁も、入れ歯問題も、もはや存在しない。
イケる!間違いなくイケる!
鬼門のスイムさえ終われば、つまりはリタイヤにつながる確率の高い、最も危ない橋であるスイムさえ料理できれば、バイクは極論すれば漕ぐだけなので、タイムさえ気にしなければなんとかなる。ランは死ぬ気でやればどうにかできる。
僕は、この瞬間、15時間に及ぶレースのなかで最も楽天的になっていた。
そしてほんの1時間後、これが取らぬ豚の皮算用だったことに気づかされるのであった。
果たして、スイムアップは84分。前半38分の勢いを持続できていれば、軌跡の70分台でのスイムアップが見込めたけれどそうは問屋が下ろさず平凡なタイム。
ただし、僕にしては上出来だった。
いつになく楽天的な気持ちでトランジットに駆け込むと、熊が揺れる脂肪をはためかせながら、「先に行くよ!」と言って去っていった。
そして僕が着替えを終えて間もなく出るというときに元帥が「AKB!(=僕のあだ名)」と野太い声をかけてくれた。
みよっしー、えぇ。。さん、仙人の姿は見えない。みんなきっと先に行ったのだろう。
次は180.2kmのバイク。最長の距離と時間をかけての戦いが始まる。
バイクこそが最もトラブルにまみれた旅になることを、このとき僕はまだ知らなかった。
***

(バラモンキング完走のための、ワンポイントアドバイス〜スイム編〜)

最後に、バラモンキングに出走を目指す人向けに、ブービー野郎のアドバイスをば。タイムを狙う前に完走したい人向け。何かしらの参考になれば。
 
①トイレはちゃんと探せ
今回、並べば2分で入れるトイレがあるにも関わらず、人気の場所で10分も並んでいる人が大勢いた。
探せば、ほんの少し離れた場所に1ー2台の仮設トイレがある。ここで稼いだ時間を準備や集中に充てると、スイムで慌てなくて済む。
 
②試泳のときは心拍を上げる
可能な限り、試泳の段階で心拍を上げる、下げる、安定させる、という3つをやっておくと良い。なぜならスタート直後には絶対に心拍が上がり、そして事故のほとんどやリタイヤはそのせいで起きている。
 
③スイム開始はとにかくゆっくり
びっくりするぐらいゆっくりでいい。途中でパニクっって泳ぎが何度も中断するより、遅くても止まらない方が絶対に速い。事実、僕も今回そうだった。
 
④水に対してやや上から目線になる
水を侮ってはいけない。しかし逆に、必要以上に恐れてもいけない。僕はなるべく早い段階で、「お前らもなかなかよくやってるよな。」とか、「ヘイ水ども!楽勝楽勝!」、「なんだショボいな、かかってこいよ!」と水のなかでゴボゴボ言いながら叫ぶようにしている。
水に対して上から目線になることで、余裕を持って泳ぐことができる。結果的にそれが心拍を安定させる。大人が子どもに対して慌てないのと同じだ。いくら水が怖いからといって、リスペクトしすぎて目の前にエメリヤーエンコ=ヒョードルがいるような気分で臨んでは、心臓はバクバク言うばかりである。
 
⑤ヘッドアップは極力しない
ヘッドアップ(顔を上げて方向を確認すること)をすると、とにかく疲れる。筋疲労はパニックの原因のうちの一つだ。だからあまりしないに越したことはない。
その代わり、「ドラフティング」(=人に付いていくこと)を活用する。バイクでのドラフティングは空力作用があるため反則だが、水中ではむしろ推奨される。さらに、人に付いていけばその水流で少しだけ速く泳ぐことができる。
以上、初中級者向けアドバイスでした。
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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