ユルいはずの「テラスハウス」で「リア充」でいることが許されないプロの厳しさを改めて痛感した話 #1080


 

青春時代は「あいのり」が大好きだったわたくしは、壮年時代に入った今は、遅まきながら「テラスハウス」に少々ハマりつつあります。

え?遅い?

仕方ないのです。

流行の前からハマっていたのは「キングダム」ぐらいで、あとは全て流行が去った後にハマるパターンが多いわたくし。就活も本腰入れたのは、大半が終わったあとでございました。

今更ながら、若い男女の何の台本もない(というお題目の)共同生活とそこから萌芽する甘酸っぱい恋の模様に、あいのりバスに乗れなかったことへの後悔の残滓をにじませながらウキウキしております。

台本もない、脚本もない、ただただ展開される若い男女の生活模様、さらには解説もYouさんや徳井さん、山ちゃんということで基本的にユルい番組であり、恋愛がマストだった「あいのり」にあったような緊張感もまるでない番組。

目標一直線の単純さを忌避する今の時代に合ってるのかなと思うこともたびたびある。

 

んが!!!!!

ふと夜中にこのユルい番組を見ていたら、

プロとはなんぞや

を芯から問う厳しい場面に遭遇したので備忘録。ほんとにそーだなーと思わされたシーンは以下。

***

あるとき、光永百花さん(21)という女性がテラスハウスに入居してきた。

百花さんはバレリーナで、小さい頃からバレエ一筋のプロ予備軍の子。あとちょっと、コンクールで上位入賞すればプロへの道も拓けるという、本当にあとちょっとのところにいる。

百花さんは見るからに育ちの良さそうな柔和で綺麗な顔をしていて、スタイル最高、性格も最高、笑顔も最高、しかしバレエはプロ級という、非の打ち所の無いキャラとして、テラスハウスに華を添えている。クラスにいたら絶対告ってると思う。

 

百花さんはテラスハウスの共同生活の中で一人の男性に心魅かれ始める。一緒にお笑いライブを見にいったり、次は海に行こうという約束もしていた。

一方で、プロになれるかなれないか、その分水嶺となる全国バレエコンクールの日は日一日と近づいていた。

バレエの世界はプロへの道が年齢でおよそ区切られていて、22歳までにはプロになっていないと、その後大成することはないという、厳しい世界だ。囲碁界が17、18歳ぐらいまでにプロになってないとダメなのと似ている。

百花さんは、練習を日々一生懸命やり、毎日疲労困憊で帰宅。そしてテラスハウスでの日々もまた充実していて、いわゆる「リア充」状態だった。

***

コンクールが間近に迫ったある日、幼少時代からの恩師に、ダンスを診てもらうことにした百花さん。

先生に近況を聞かれて笑顔で答えていたが、途中から空気は一変する。ほんの数分のダンスを見ただけで、先生は百花さんの状況、心境を一発で見抜いたようだった。


 

先生「今、自分的にバレエに打ち込めてる?」

百花「やることしっかりやって、でメンバーとも楽しく生活できてるなーとは思ってて。」

先生「プロになれるかなれないかっていうのは、バレエ芸術に自分の人生の全てを懸けるか懸けないかだと思うのね。

百花「・・・はい。。」

先生「だからそれぐらいの意気込みがないと、プロになろうっていうのは、ちょっと無理かなって先生思うから・・・。」

百花「・・・」

先生「だから1日24時間、バレエに良かれということ以外しない。もうやっぱり年齢的には踏ん切りつけなきゃいけない年齢なんだよね。」

百花「今年で最後かなって思ってます、はい。」

先生「で、もう少し痩せた方がいいね。今の生活の場所で、みんなと同じものは食べてないよね?

百花「・・・」

先生「バレリーナだったら、『私はここまで』っていうことができないとダメ。

(原文ママ)


 

先生、厳しい。厳しすぎる。でも完全にそのとーり!!!飯すら食うなとな!!!

テラスハウスの「楽しい」生活で緩んでいた百花さんの心とカラダをピシャリとたしなめ、「お前、本当にプロになる覚悟があるのか?リア充のままプロになろうとするなんてナメてんのか?」と真剣に問う姿に、真の愛を感じた。

ちなみにこの一件で完全に心を入れ替えた百花さんは、テラスハウスの男性と約束していたデートも一旦断り、コンクールを迎える。そしてなんと、プロのバレエ団への入団を果たす。

そしてプロになるのと同時に、百花さんはテラスハウスを卒業。

めでたしめでたし。

残ったのは、前回の恋に破れ、今回もまた途中で盛り上がる前に破れた男性の魂の抜けた死骸だけだった。

***

リア充では真のプロにはなれない

理想はどうあれ、このシーンが突きつけた残酷な現実は、上記のようなものだったと思う。

もちろん、私生活も楽しく、仲間にも囲まれ、趣味も沢山あり、お酒も美味しいものも沢山飲んで食べて、それで競技成績が超一流、というのが本当の理想だろう。

しかしそんなことは現実にはあり得ない。あるのかもしれないけれど真の才能を持つ人間が真の努力をしないといけないぐらい超難しい。

プロを目指す子どもの多くはいわゆる「子どもっぽい子ども時代」を過ごすことはあり得ないし、僕が「この人、プロだな」と思う人の多くは、何かしらが欠けた生活を送っている。

保険の世界で言えば、ピーク時は1日30分しか寝ない、普段から家に全くいない、趣味が完全にゼロ、なんて人はザラだ。

保険の話をさせたら超一流なのに、世間話をさせたら1ミリの魅力も感じない人間というのもいる。

百花さんが「楽しいときでも他の友達と同じようなものを同じように食べてはいけない」というのと同様に、テニスのプロ選手だった僕の弟は、「誰もがクーラーを付けるクソ暑い熱帯夜にも、クーラーをつけずに寝る」ということをしていた。肩を冷やさないためにだ。

プロとは、誰もが一般人からすると「マジか、そんなのできねーよ。」という制約を自らに課している。

プロをディスってるわけじゃないし、脅してるわけでもない。

ただ、プロになるということは、そういう受け入れ難い制約を何年も、ヘタすれば何十年も積み重ねた先に初めて手に入る称号だということを、「プロを目指す人たち」や「プロを自称する人たち」には知っておいてほしいなと思う。

リア充では恐らくダメなのだ。選択はup to you だけど。

ユルいテラスハウスから、思わぬ厳しい学びを得たとゆう話。

***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

※Facebook友だち申請はお気軽にどうぞ。ただし最低限の自己紹介はお願いします。