東大や東工大が大隅教授の偉業を誇るのは良いが、日本テニス協会が錦織選手の偉業を誇るのは少し違うと思う #1120


 

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2016年度のノーベル医学・生理学賞を東工大栄養教授の大隅良典氏が受賞した。

これで日本人のノーベル賞受賞は3年連続。米国籍取得者も含めると25人目。

色々言われる日本だけれど、まだまだこういう素晴らしい「人財」がいる国であるということは誇りに思っていたい。

めでたい。まことにめでたい。

マジでスゲー。

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一方のテニス界。

日本のエース、錦織選手が今年も大躍進を果たし、オリンピックで元世界ナンバーワンの豪腕ナダルを倒して銅メダルを獲得、4大大会の1つである全米オープンではベスト4に進出した。

テニスを長らくやってきた者としては、これは真に誇るべきことである。

日本の天気すら左右すると言われている松岡修造氏がウインブルドンベスト8に進出したのが約20年前。

ベスト8が決まるかどうかのポイントでは「この一球は絶対無二の一球なり!」と叫び、試合が終わった瞬間には泣き叫びながらコートを一周していた。

4大大会でベスト8というのは、それぐらい当時の日本人にとってあり得ないことだった。今は錦織選手が4大大会でベスト16や8に入るのは、わりと普通になってきている。

これは繰り返すがスゴいことだ。

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なんでこの全然異なる2つの世界の話を取り上げたかというと、彼ら2人のスーパースターの持ち上げ方に気になる点があったからだ。

一般人としては、どちらの成功もまこと喜ぶべきことであり、そこは手放しに称賛して良いと思う。どっちもありがとう!どっちもスゲーよ!どっちも最高だ!日本人キター!

だけどもだっけっど。

大隅教授を育てた東大や東工大が、今回の受賞を喜んだり誇りに思ったりするのは良いと思いますですよ。

大隅教授のキャリアの大半は日本で蓄積されたものだし、日本人の日本人によるノーベル賞受賞と言っても、差し支えないと思う。

「知の国力」がもし測れるのだとしたら、今回の件は間違いなく大幅な加点に値すべきものだろう。

 

一方のテニスに関して言うと、誤解を恐れずに言えば、錦織選手はいわば完全なる「アメリカ製」である。

錦織選手は13歳のときにテニスファンドの支援でアメリカに渡り、以来フロリダを拠点にして成長してきた。これも誤解を恐れずに言えば、日本テニス協会としては送り出しただけであり、その後特に何をしたわけでもない。

選ばれしトップ選手が、普通の選手がほとんど手にすることのない奨学金を手にしてアメリカに渡り、アメリカ式教育システムのなかで台頭して、世界レベルで戦えるようになった、そういう話のなかでの偉業なのである。

日本人のカラダでも、アメリカ式の最先端のテニス科学を以てすれば世界で戦える、ということが証明されただけなのである。

「テニスの国力」という意味では、日本の地位はまだまだ低い。そういうことをきちんと認識しなければいけないと思ったのが今回の大隅フィーバーと先日の錦織フィーバー。人種の壁はないことが証明できても、その育成能力は日本にはない、ということなのだから。

今のところ、アメリカに超長期間留学しないと世界では勝てない、ということが証明されただけなので、日本人の活躍を喜ぶと同時に、その育成システムには厳しい目を注ぐべきではないでしょか。

もちろん、グローバル化が進むなかでスポーツだけ国産にこだわるというのもどうかと思うし、一定の留学や海外経験は必要だと思う。だけど日本がほとんどその発現に寄与しないというのであれば、それはそれで土台は弱いと思うべしという話。

 

同じ理由で、日本柔道協会はリオオリンピックの金メダル量産を誇って良いし、日本レスリング協会は金メダリストの作り方をひとつの誇るべき商品として輸出しても良いと思う。

卓球の福原愛ちゃんは・・・どうなんだろ。石川佳純ちゃんが可愛いのでよしとする。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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