過労死、過労自殺を防ぐ方法について #1124


 

先日より、とある大企業における過労自殺の件が話題になっている。

かくも悲しい事件であり、もし自分の娘が将来そんなことになったら、僕は発狂すると思う。マシンガンを持って会社に殴り込みに行くぐらいじゃ済まない。

二度とこういう事件は起きてほしくない。同時に、このままではまた起きるだろうなとも思っている。

なぜならば、今回は所詮は氷山の一角であり、「超大手の広告代理店で」、「若い女性が」亡くなったからニュースになっただけ。過労死、あるいは過労自殺のおっさんはもっと一杯いるのである。

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大前研一さんが、以前こういうことを言っていた。

 

人間が変わる3つしかない。

1つ目は時間配分を変えること。

2つ目は住む場所を変えること。

3つ目は付き合う人を変えること。

もっとも無意味なのは、「決意をあらたにすること」だ。

 

今回の件で、某社はたぶん、相当「決意をあらたにした」ことと思う。そして、それは最も意味のないことであると僕は思う。

人はどうせ忘れるし、企業における不祥事が起きたときの鉄則は、「時が過ぎて世論が収まるのを待つ」だからだ。

てなわけで、もう二度と起こしたくない事件をもう二度と起こさないためには、完璧ではないにしても、やはり仕組みでなんとかするのが良いのではないだろうか。

企業の「気をつけます」、「心がけます」ほど信用できないものはない。明確な再発防止策を撃たねば、こういう悲劇はなくならない。

また、「逃げれば良かったじゃん」という意見があるけれど、これはドラクエやファイナルファンタジーなどのRPGの経験者なら分かると思うけれど、

強すぎる敵からは逃げられない

という法則がある。

相手がボスキャラであれば、戦いに入ってしまったらほぼ逃げられない。東大を卒業したとはいえ、超大手広告代理店における新卒というのは、どんなに優秀でもレベル5の村人程度に過ぎない。

レベル50や60ぐらいないと倒せない上司相手に、「逃げる」というコマンドを仮に打ったとしても、それは実現しなかったことだろうと思う。

 

ということで独断と偏見を以て、下記の対策を提案いたします。

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1、残業代100%給付を義務化

経産省の皆さんがんばってください。これ法制化してちょ。

以前、ある会社がわりとブラック気味だったので、従業員の離反を恐れて残業代を100%出すとうっかり言ってしまったことがあった。

そしたら従業員の月収が2.5倍ぐらいになって、社長も従業員も真反対の方向にびっくりしたとかしないとか。

よって企業は、

▼残業をしない働き方をさせて残業代を払わずに利益を出す。

▼残業をさせまくって残業代を出しまくって利益を出す。

のいずれの道を取るか、真剣に考えるようになる。自省を込めて言うと、ダメな人、ダメな企業ほど、危機が目の前に来ないと、アクションを起こさない。残業代100%給付の義務化は、その一助になると思う。

ちなみにそれで利益が減ると企業が潰れるんですけどどうするの?という点に関しては、

▼そういう働き方をしないと利益が出せない会社はある程度潰れた方が良い。

▼そういう働き方をしないと利益が出せない会社にしている経営陣の給料を一般従業員程度にする。

▼危機に際して初めて経営陣は頭を使うのでそこに期待。

▼残業代100%を払う会社には、世界から人財が集まるはず。他の国、特に途上国はブラック多いし。

というスタンス。

 

 

2、「リゲイン枠」を前もって募集する

とはいえ、全員がホワイトな働き方をしていれば、それはそれで国際競争力はどんどん落ちていく。エリートは大体どの国もハードワーカーだし、全員が晴耕雨読な生活をしていたら、日本の凋落は言われているよりずっと早まるだろう。

幸不幸というのは、その人が置かれている環境要因とは別に、事前の期待値と現実のギャップから生まれることもある。今回も、少なからぬ程度、「こんなはずじゃなかった」というのがあると思う。

特に、広告代理店というのは外野からは華やかに見えるものの、実際は地味な作業の連続だと言われている。そういうところも「こんなはずじゃなかった」に拍車をかける。

僕も、サッカーをやるために入ったはずのサッカー部で、(実力不足もあるが)球拾いばかりさせられてたときは、体力的なものとは別に、マイナス感情が心の中を闊歩していた。

ということで、一定以上のリーダー層を目指す人材、とにかく鍛えられることを望む人材に関しては、極端な話、

「死んでも文句は言いません。」

「24時間働けます。」

「こんな時代だからこそ企業戦士として一騎当千目指します。」

という書面に事前にサインをもらうのがよろしいかと。これにサインしたからには、昔の人が耐えぬいたような丁稚奉公的な働き方もオーケー、どブラックでもオーケー、ということで合意が取れているということになる。

いずれにしろリーダーになるには相当な物量稽古も必要なのだから、それが出来ない人は最初から出来ないと表明したとしても、それは逃げではないと僕は思う。

量に依存しないクリエイティビティがー、という人がいたとしても、ほんとうにそういう能力を持っている人は、とっくにその能力を発露させているハズだから関係ない。

 

 

3、「リゲイン枠」と「非リゲイン枠」の行き来を自由にする

「選択肢がある」というのは、それだけで人をある程度自由にする。

人には人生のバイオリズムがあるため、内的外的双方の要因によって、相当な強者でも24時間働ける時期と、そうでない時期がある。

たとえば若い時期の男性は「リゲイン枠」で良いかもしれないけれど、結婚して子どもが生まれてまでそれをやっていると、今の時代は家族から村八分を食らう。

また、女性の場合は月のうち3週間は「リゲイン枠」で行けるかもしれないが、1週間はどうしたってアレのせいで無理だ、という人は多いだろう。

大事なことは、「リゲイン枠」と「非リゲイン枠」の行き来を自由にすることだ。今は「非リゲイン枠」を選んだら、二度と戻ってこられないという会社は多い。

片道切符であることに恐怖して、本当は心もカラダもそれを望んでないのに、「エセリゲイン枠」にエントリーし続けてしまい、それで自分を壊してしまう。

企業だって人材が壊れることはコストの面からも望んでない。双方にとって不幸なだけだ。その不幸を少しでも取り除くためには、こういった「リゲイン枠」と「非リゲイン枠」の行き来はいつでも何度でも出来るようにしたい。

「リゲイン枠」の方が昇進昇格はしやすいと思うけど、そんなのは投じたリソースに対する対価なのだから当たり前であって、何の問題もない。

 

 

4、Forbes Black500 みたいのをつくる

晒す。これ大事。

芸能人が綺麗なのは、常に視線に晒されているから。

晒されているから自分を律しようとするし、立派であろうとする。笑顔も振りまくわけ。

同じことを企業にもすべきで、功績を讃えるのもよろしいけれど、こういった負の側面こそ晒したらいかがかなと思いますです。

毎年毎年ミシュランの覆面調査員みたいな人が企業を実地調査して、ブラック度ランキングを発表。これは本社の働き方以外に、そこからの外注先にも踏み込む。

これでテレビ局や広告代理店の下請けでブラック化を強制させられてる弱者たちの声も届くのではないかと思う。

学生や転職希望者はさすがにそういう企業に行こうとは思わなくなるだろうし、結果的にそれは人材難を引き起こす。そうしないための企業努力が本気で行われたとき、初めて会社は変わると思われる。

 

以上であります。

ちなみに個人的には倒れるまで仕事をしている人は非常に格好良いと思ってるし、そういう人はそういう働き方を自らの意思で選んでいる場合が多いので、全く問題ないと思っている。

問題は、そういう働き方を望まない人たち向けの対策であって、そこをはき違えると

「はたらいたら、負けだと思ってる」

てな感じのニート万歳論になってしまうので、それは違うと思う。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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