ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

“Against”から”With”、そして”By”へ。水害大国オランダに見る、日本の選ぶべき道。 #1232

time 2017/12/14


 

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人類全体の問題となっている地球温暖化。

それを「商機」として国全体で捉えている国がある。

その名もオランダ。スナイデルやロッベンなど、ハゲチャビンスキーなほどサッカーが上手いという特徴を持つ国。

正式国名である「ネーデルランド」は「低い土地」という意味で、なんと国土の4分の1が海面下にある。

 

特に欧州最大の港を擁するロッテルダム市は、

ライン川、マース川、スヘルデ川の三大河川が北海に流れ込むデルタ地帯に位置しており、市の面積の90%が海抜以下。オランダ国内屈指の「脆弱地帯」となっている。

このロッテルダム市では、現在「水都市化」が進められていて、今までの「防水」ではなく、「都市開発と水害対策を糾合した水に強く、かつ快適な街づくりを目指す」としている。

アフメド・アブタレブ市長は、「避難は選択肢にならない」として、「ロッテルダム・ウォーターシティ2035」を策定した。

 

具体的には、地表より低い場所にコンサートなどのイベントができる会場をつくり、豪雨や海水が押し寄せた場合は、そこを緊急貯水池とする。

地下駐車場も同様で、いざというときには貯水池に。新しく建てるビルには、屋上に貯水機能を持つ庭園などの設置を奨励している。

平時には心地よく便利で、緊急時には貯水効果を発動する、一石二鳥の対策だ。

また、教育も対水対策がしっかりしていて、小学校では普段着を着て靴を履いたままのプール練がある。市民の防災意識は総じて高い。マクロな問題をミクロな生活にまで落とし込んで、街全体で対策が取られている。

 

海面の上昇を見込んだ住宅対策もかなり進んでいる。

耐水性、保水性に優れた砂の上に住宅地を建設する「デルタ3000」という計画が発表されていて、伝統的に取られていた強力ポンプによる排水などの対策をはるかに凌ぐ効果が期待されている。

なにせ、2080年までに海面は80cmも上昇すると言われている。それは、オランダにとっては、

あなたの国は将来水没して無くなります

と言われているのと同じ。

官民双方とも、ガチで水害対策に取り組んでいる。

 

そしてこれらの官民一体となった水害対策は、いまや強大なる競争力を以って、同じ低地国土や海面上昇に悩むアジア諸国から熱烈歓迎されている。

今年、国土の3分の2がモンスーンで水没したバングラデシュとは、向こう50年の協力体制が築かれた。他にもインド、パキスタン、インドネシアなど温暖化による海面上昇や気候変動に悩む国々とも水利事業で契約を結んでいる。

たった1700万人しか人口のいない欧州の小国が、こと「水害ビジネス」になると世界最強国に近い位置にすでにいる。これからもっと需要は増えることと思われる。

 

・・・なんて話が、かれこれ5年ほど愛読している「三万人のための情報誌 選択」で特集されていた。なんでもかんでも批判する本誌が、これだけ手放しで褒めるのは珍しい。

面白いので読んで見てちょ。ちなみに定期購読しかやっておらず、「三万人」というのは日本を率いるエスタブリッシュメントがそれぐらいの数いるはず、とのこと。歩兵の分際で読んでます。

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この話、オランダすげー!、で終わらせてはまことに勿体無いと思ったのは僕だけだろうか。

いや、確かにすごい。

上述したとおり、オランダではもともと水害に対して、“Against”な体制が敷かれていた。

強力なポンプで住宅街の水や貯まった地下水を海や川に放出するというまさに「水際対策」を行なっていて、事が起きたらそれに対応するという意味では、もともと秀でていた。

 

ところが、地球温暖化は止まることを知らず、海面上昇は国の将来を脅かすことが確定するに至った。さてどうするか。

そんなわけで、オランダは“Against”に加えて、“With”を選択するようになった。「水と共に生きる」である。水と対決する姿勢から、共存する姿勢へ。

「ロッテルダム・ウォーターシティ2035」はその最たるもので、市民の生活が水とともにあっても快適な状態を保てるように、官民が強力に協力している。

 

日本では少子高齢化が待ったなしの問題、将来の国の存亡を巡る問題となって久しいが、最近では“Against”な対策に加えて、“With”を提唱する空気も増えてきたように思う。

晩婚化、非婚化が進む限りは多産は奨励されど達成されるはずもなく、移民を受け入れる以外に、少子高齢化とそれに伴う人口減を避けるすべは、もはやない。

だったら少子高齢化、人口減、ついでに経済不振も飲み込んで、それらと共に生きようではないか。

オランダに比べるとずいぶん後ろ向きな“With”ではあるけれど、“Against”の実現可能性がそんなに高くないわけだから、一つの案としては良いのかもしれない、なんてことを思い始めていたところ。

***

しかし、オランダを見てくださいな。

“Against”で水と対峙するところから、水との共存の“With”へ、そして今はなんと、水害対策をビジネスにして国レベルで輸出し始めてる。

地球温暖化、海面上昇からくる水害に立ち向かうのでもなく、寄り添うのでもなく、なんとそれを起爆剤に、国の競争力を高めようとしている。

“By”だ。

水害を「活用して」、水害を「きっかけに」、ビジネスにしてしまっている。

あっぱれ。

あっぱれすぎぜオランダ、いやネーデルランド。

止められない少子高齢化、人口減、経済の低成長に抗しようとして実現可能性の薄い策に走るのでもなく、単純に受け入れて適応するのでもなく、上記問題どもを「起爆剤」にして、日本の未来を今一度構築することはできないものだろうか。

医療介護分野だけでなく、官民一体となって輸出できる何かは、優秀な日本人がガチで考え、行動すれば、今からでもビジネスとして生み出せるのじゃないかと期待している今日この頃。

モスバーガーで70才以上の妙齢お姉さま方が働いているのを見て、そんなことを少し考えた。

問題は、”By”で考える。

その問題がある「せい」でも、「から」でもなく、「からこそ」に変換する。

大事な捉え方だと思う。

***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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