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「北斗剛掌派」:世紀末の日本を救わんとする立拳民主を標榜する一派。少子高齢化と人口減少のなかでも、日本人の生産性を1.5倍にすれば帳尻はギリで合うと固く信じている。モヒカン、ボーガン系ヒャハり気味DQN男子はお断り。明日への希望となる種もみが好き。尊敬する人はウイグル獄長とミストバーン。
***

 
現代の日本語で一番便利な言葉は何か?と問われたら、僕はきっと、
「ヤバイ」
を挙げる。
 
「ヤバイ」はとても便利な言葉で、喜怒哀楽も、毀誉褒貶もたった3文字で表すことができる。
美味しいものを食べたとき、「ヤバイ!」と言えば、それは「めっちゃ美味いんですけど!」という意味になる。
イケメンが歩いているのを見た女子高生が「ヤバイ!」と言えば、それは「あの人超かっこよくない?」という意味になる。
中年リーマンのズラがズレてるのをうっかり見てしまったときに「ヤバイ!」と言えば、それは「超ウケるんだけど」という意味になる。
お腹を押さえながら「ヤバイ!」と叫びながらトイレに向かって走れば、「majiで大が漏れる5秒前」という意味になる。
偉人伝を読みながら、「ヤバイ・・・」とおもむろに囁いたら、それは、「ついに俺は人生をかけて目指す夢を見つけてしまった」という意味になる。
ゴールドジムで太ももほどの腕を誇る黒人のお兄さんを見たときに「ヤバイ・・・」とウィスパーしたら、それは「絶対に勝てないことが1秒で分かる人類に出会ってしまった」という意味になる。
そしてもちろんクリリンが「ヤバイ・・・」と言ったならば、それは当然、フリーザ様を怒らせてしまって全滅必至のとてもヤバイ状況だということを意味する。
 
かように、言語リテラシーが低い人にとっては、「ヤバイ」は現代の日本語で、いやもしかしたら人類史上もっとも便利な言葉となっている。
「ヤバイ」を日本でもっとも活用してるのは、アホな女子高生と田舎のヤンキーだろうと思う。
***
ゴールドジムのトレッドミルで走りながらテレビを観ていたら、羨ましいことに、とある芸人さんが「肉料理2018」なる特集をやっていた。
さすがは芸人さん、軽快なトークで快調に飛ばす。
しかし、何店舗目かになって、見るからに美味そうな肉寿司を食べたときに、トークが完全に止まった。
「ヤバイ」
「マジヤバイ」
「うーむ」
しか言えなくなっていた。
なにがどれぐらいどのように美味いのかを観ている側としては聞きたいのだけれど、言葉が出ないほど美味いのか、ほとんど「ヤバイ」しか言っていない。
海原雄山のように、「まったりとしたコクのなかにさっぱりとした酸味と渋味もマリアージュがフュージョンしていて、しかしほのかに香るトリュフのフレーバーがオクトーバーでディセンバーで・・・」みたいな気の利いた言葉は皆無。
ああ、かの肉寿司は、この芸人さんの限界点を大きく超える美味さだったのだと、よく分かる場面だった。
人は限界を超える瞬間に立ち会うと、当人が自分の持っている最低ラインのボキャブラリーでしか、現象を表現できなくなる。
なるほど、なるほど、と思いながら、めちゃくちゃ美味そうな肉寿司の店の場所を頭にインプットした。
***
そういえば、先日、研修の一環として無理やりフルマラソンを走らせた、とある不動産会社の幹部は、30kmを過ぎたあたりから、「どう?」と並走しながら聞くと、
「ヤ、ヤバイです!!!」
しか言わなくなっていた。
普段、口から生まれたかのごとく喋り倒す人間で、ボキャブラリーも豊富なはずなのに、「ヤバイ!」しか言えなくなっていた。
今思えばそういうことだったのだろうと思う。
 
僕自身のトライアスロンレースを振り返っても、明らかに自分のキャパをオーバーし始める最後のフルマラソンの後半(スイム3.8km、バイク180km、ラン20kmを走った地点らへん)に、すれ違ったチームメイトに声をかけられても、
「ヤバイよヤバイよ〜」
と、出川みたいな声しか出なくなる。限界をとうに超えているため、発せる言葉のボキャブラリーが、著しく低下するのだ。
 
・・・なんてことを書いていて、僕は大変なことに気づいてしまった。
なんてこったい、毎日毎日「ヤバイ」しか言っていないアホな女子高生と田舎のヤンキーは、
毎日自分の限界に挑戦し、突破している
ということではないか!!!
陵南の仙道くんみたいに、常に6ー7割の力で余裕を残しながら平々凡々と生きている自分が、少し恥ずかしくなってきた。
毎日「ヤバイ」と言える限界ギリギリの人生を生きようと心に誓った次第。
***

※今日のトレーニング スクワット300回、腕立て200回、ラン6km

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が生涯に一片の悔いなし!!!

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