※野辺山ウルトラ2018完走記の途中ではありますが、予定を変更して「敗軍の将、兵を語るシリーズ」をお送りします。
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「超ウルトラマン」になれなかった報告

2018年7月14日、15日、16日の3連休で行われた「みちのく津軽ジャーニーラン」に出場した。

(Source:大会公式HP)
 
第3回となるこの大会。188kmの部、263kmの部があり、僕は188kmの部に出場。
エントリー条件は、
「過去3年以内(申し込み時点では過去2年以内)のウルトラマラソンで、188kmの部は70km以上、263kmの部は140km以上の走破経験があること」
であり、人である限り出場が許されるフルマラソンや普通のウルトラマラソンとは、入り口の時点で違うご様子。少なくとも武人でなければ、門を叩くことすら許されないようだ。
ということで、僕が出られるのは188kmの部のみとなった。2015年の野辺山ウルトラマラソンの完走経験が生きた形。2016年、2017年は連続して野辺山ウルトラをリタイヤしており、首の皮一枚で出場が叶った。
ウルトラマラソンを凌ぐ「超ウルトラマラソン」への初の挑戦となり、188kmも263kmもあんま変わらんやん、という、全てが誤差に見える変な精神状態で戦いの場に向かう。

ランチーム「アドミラル」、トライアスロンチーム「ポセイ丼」のチームメイトであり、多くの激戦を共にしてきた「心友」とも呼べる仲である(とこちらは思っているがあちらは思ってない様子)「仙人」は、263kmの部の出場。
一時期は「8ヶ月連続ウルトラトレイル出場キャンペーン」なるものを自身の中だけで展開していて、身も心も見た目も完全に解脱しているので、263kmへの出場が許されているようだ。
 
そんな中で出場したみちのく津軽ジャーニーランだったのだけれど、結論から言うと、
羅王(あたくし):188kmの部に出場(制限時間38時間)。25時間戦ったのち、120km地点で疲労と睡魔で倒れてリタイヤ。
仙人:263kmの部に出場(制限時間51時間)。33時間戦ったのち、胃痛と疲労と睡魔と解脱のしすぎのためか172km地点でリタイヤ。
となりますた。
 
敗残兵二人の様子。
数千人が出るフルやウルトラと比べるとあまりにも小さく寂しいゴール地点で、敗北の味を噛み締めながら寂しく撮影。

 
一方の勝者。
106km地点まで一緒に走った戦友であり、実は前職時代の同期の「フジタマン」。カッコ良すぎるゴールをカマす。

 
真夜中のあたくし。フジタマンが撮影。
撮られていることにすら全く気づかないほど、あしたのジョー状態で灰に。インリンばりのM字開脚が眩しい。

 
そんな圧倒的敗北を喫したみちのく津軽ジャーニーランを、覚えてるうちに少し振り返っておきたい。
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「よく来たね。」と仙人に褒められる

僕はラオウを目指しているわりに、孤独に弱い。といっても、世紀末覇者であるラオウですら拳王軍を従えてウェイウェイしていたように、人は本来孤独が苦手なのであり、それは僕にとっても同じである。
あんなに偉そうにしていたラオウですら、今際の際には「ごめんね、ほんとは愛がほちかったの・・・」と告白して天に旅立っていったぐらいだから、僕が多少寂しがりやだったとしても、文句は言われないであろう。
ということで、ランチーム「アドミラル」からも「ポセイ丼」からも出場者のいないいくつかのレースに関しては、誰にもバレぬようにこっそりDNS(Did Not Start)してきたのは公然の秘密。
といってもチーム内では完全にバレていて、僕が出るはずなのに出ていないレースを「あれ?出てないんですか?」、「またですか?」といった感じでトラックしてくる厄介なITマニアが何人かいて、非常に肩身が狭い。
今回もそんなDNSレースになりそうな予感はムンムンであった。
 
理由はいくつかあった。
1、5月の野辺山ウルトラ2018を完走して、ある程度満たされた状態であったためヤケ食いした。
2、6月のバラモンキング2018で落車して肩を脱臼し、しかし多忙で治療もままならない状態であった。
3、その結果トレーニングは全くできず再度激太りし、明らかに準備不足であった。
4、直前にチームメイトの「ザック」、「コッペパンマン」が諸事情でDNSとなり、仙人も一緒とはいえ、188kmの部に出るのは僕一人だけとなった。
つまり、諸々の要素からDNSの条件が満たされてしまったのであった。自分でも「ほんとに行くんかいな」と思いながら、準備をしていた。
最大の懸念は肩の脱臼で、動かせないわけではないものの、腱がいくつか切れているらしく手術が必要で、少なくとも娘の抱っこはできない状態であった。
出来ない言い訳がたくさんあると、準備が進まない。どこかで聞いたことがある、「勝率を1%でも2%でも上げるため」の意思決定が、遅々として進まないのであった。
 
そんなこんなで様々な準備がギリギリになりながらも、なんとか14日11時頃に青森は弘前に到着。初の青森、初の弘前である。

 
188kmの部に出る僕と、263kmの部に出る仙人は少しタイムスケジュールが違っていて、同じ14日(土)13時半からの選手説明会(出席はマスト)に出たあと、その日の17時に仙人は出発、僕は翌朝6時に出発となっていた。
17時に出発したあとは51時間、つまり丸2日以上もの間走り続けなければならない仙人。
そのため仙人は少しでも睡眠を優先させるべく、前日に13日の金曜日にジェイソンの恐怖に怯えながら夜行バスで青森へ。到着後はさらにスーパー銭湯で仮眠をし続けていた。
 
「スーパー銭湯にいるよ。500円で入れるよ。」との仙人からのメッセがあったため、取り急ぎひとっ風呂浴びる。
お世話になったのはこちらのアサヒサウナ。何もレンタルしなければ500円で入浴、仮眠、漫画閲覧が可能という、都会ではありえない値段設定に感動。
10分ほどで軽い入浴を済ませると、仮眠室へ。ひと目で世間から解脱していると分かる、いつもの仙人がそこにいた。
イヤホンをしてあらゆる雑音をシャットアウトしつつ、圧倒的な美脚をむき出しにしながら瞑想している。同性から頻繁にお誘いがかかるというのがよく分かる、荘厳かつ優美な雰囲気を醸し出している。

 
席が空きまくっているなかで敢えて隣に陣取り、鼻息をフガフガさせながら横になるも、仙人は微塵も動かない。
そうして10分ほど経過し、約束の時間になると、仙人はゆっくりと目を開け、おもむろにこちらを見て、そして僕の姿に驚きもせずに言った。
「よく来たね。」
 
普通のチームメンバーであれば、「びっくりした!隣にいたんかい!」とうろたえたり、「近いがな!」と不快感を顕にしたり、「今日はがんばろう!」と熱く拳を交わしたりするものだが、仙人はそういう揺らぎとは無縁である。
ただただ多くの戦いと共にくぐり抜けてきた心友として、こういう言い訳満載のシチュエーションでDNSしがちな僕の生態系をよく理解している言葉だった。
 
受付まで時間が少しあったので、昼飯にいこうということで、近くの鮨屋に言った。
「2名で!」と答えた僕の後ろから、仙人が差し込んできた。
「いや、3名で・・・。」
あれ、アドミラルとポセイ丼のメンバーはすでにDNSしてるし、共通の知り合いでも一緒に来るんだったっけ?
なんで?だれ?
戸惑う僕に、いつもと違って異様に歯切れの悪い仙人が応える。
「実は、連れがもう一人おりまして・・・」
「は?ん?えーっと???」
 
戸惑いが落ち着かないうちに仙人の後ろから笑顔の眩しい美女が現れた。
その美女の指には、婚約指輪がはめられていた。
僕は、自分が言わばハネムーンの邪魔をしてしまっていることに、初めて気づいた。
***

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