※野辺山ウルトラ2018完走記の途中ではありますが、予定を変更して「敗軍の将、兵を語るシリーズ」をお送りします。
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まさかの寝坊!そしてバタバタのスタート・・・

轟音けたたましいフロントからの電話の音に起こされて時間を見ると、5時を過ぎていた。
一瞬頭が混乱する。
ん?夕方?
あれ?朝?
スタートって何時だったっけ?
6時だよね?
今は何時だっけ?
5時?
5時やん!!!
 
通常、ロングのレースはスタート時間の3時間前ぐらいには起きている。整理に30分、朝食に30分、移動に30分、待機と準備で1.5時間。だいたいそんな感じ。
なのに時計を何回見ても5時。そしてスタートは6時。やばい、やばすぎる。あ、何回も時計見てたらもう5時5分。ELT並みにTime Goes By。
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仙人の婚約者であるアリソンとともに大急ぎでスタート地点である弘前駅前公園に向かう。朝ごはんを食べられていないので、事前に買っていたパンを口に詰め込む。
スタート5分前まで食い続ける。みんなリラックスしているのに、1人だけ口も手も慌ただしい。
口にはマフィン、手には次のマフィン、目には次の次のマフィン。

 
野辺山ウルトラでは大盛り上がりなスタートも、市街地ということもあってスタッフの方は小声で連絡事項を伝える。何も聞こえない。総勢200名もいないので、静かな立ち上がり。

 
前職の同期、フジタマンを発見。野辺山ウルトラを6年連続完走している猛者だ。すごく良いヤツで、そしていつも間が悪い。ポセイ丼で言えば熊タイプ。
同じレースに出てるはずなのに、体型が全く違う。本来、ウルトラ体型というのはフジタマンのようなのを言う。

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大急ぎで朝ごはんをかき込みながら、高速で頭を回転させて持ち物チェックをする。188kmの部では、106km地点の鰊御殿に一つドロップバッグを置ける。
なるべく軽量で走り、そして補給品が尽きたところでドロップバッグから補充する。これが流儀。
下記に装備一式を列挙しておきまふ。
 
(リュックに入れて持って走るもの)
・トイレットペーパー(もしもの時用)
・マイカップ(エイドで必須。ゴミ削減のため、エイドにコップはない。)
・小銭(エイド間が離れているため、自販機対策)
・Suica(同じくコンビニ対策)
・反射板(夜間対策、配られる)
・ヘッドライト
・胃薬、ロキソニン
・イヤホン
・エナジージェル10本(10kmごと補給予定)
・クエン酸5本(20kmごと補給予定)
・水1L(いつ補給できるか分からないので多めに)
・空ペットボトル2本(給水用)
 
(ドロップバッグに入れて106km地点に預けたもの)
・ヘッドライト予備、電池
・小タオル(106kmエイド鰊御殿には風呂、シャワーがある)
・エナジージェル10本(10kmごと補給予定+予備)
・クエン酸5本(20kmごと補給予定+予備)
・携帯電話用バッテリーと接続端子
・雨具
・替えTシャツ、替えパンツ
・歯ブラシ(気分転換に最適)
 
こんな感じ。補給物資に関しては準備万端にしているため、不足に悩まされることはなかった。
そんなこんなで6時を迎え、見送りに来てくれたアリソンに別れを告げて僕とフジタマンは出発した。さぁ、188kmのジャーニーの始まりだ!!!38時間後にここに戻ってこられるだろうか・・・。
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暑すぎますよ、ドドリアさん?

走り始めて1kmほど経ったところで、フジタマンと顔を見合わせた。
「暑くね?」
実際6時を少し過ぎた時点でかなり暑く、たったの10分足らず走っただけなのに、すでに汗だく。これは予想以上にヤバイ。高原のため朝はひんやりする野辺山ウルトラとは大違いだ。
 
暑さ以外にも、不安要素は他にもあった。まずは肩の脱臼である。
1ヶ月前のバラモンキング(スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km)のバイク110km地点で、下りで加速していたところ、まさかの一回転&落車。
40kmオーバーでさらにスピードを上げようとペダルを踏んだら、チェーンが絡まって後輪がロック。焦って前ブレーキもかけたら前輪もロックされ、スピードとも合間って一回転した後に肩から叩きつけられた。
死ぬかと思うような衝撃に悶絶して、奇跡的に五体満足で起き上がってから少しししたら、肩が異様に腫れてきた。バイクも後輪が歪んで壊れてしまったが、桜木花道ばりに「選手生命が終わり・・・だと・・・?」と奮起。
無理やりメカニックにバイクを走れる状態にしてもらい、肩にはお説教をしてなんとか180kmのバイク完走まではこぎつけた。(その後ラン3kmで傷が響くためリタイヤ)
後日の診断で、腱がいくつか切れて脱臼状態になっていることが発覚。手術が必要とかなんとか言われたけれど、今のところ無視している。おかげさまで、娘を抱っこすることができない状態が続いている。
 
さらに、そこから来る練習不足。
結局、野辺山ウルトラ直前は200km走ったけれど、野辺山以降はここまでの2ヶ月で40kmちょっとしか走れなかった。うーむ、不安。
そんな不安だらけの状態でのスタートを迎え、予想以上の暑さに開始1kmで凹む。まず暑い。そして湿度が異様に高い。水1Lを積んだけれど、どうやらさくっと消費してしまいそうだ。
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平坦な超ウルトラレースは、実はかなりキツイという話

みちのく津軽188kmの高低差図がこちら。

(Source:ルートラボ
序盤に少々のアップダウンがあるけれど、基本的には50km以降の138kmはほぼ平坦。うーん、これはキツイ、と見た瞬間に思った。
5月に完走した野辺山ウルトラ100kmと比べるとよくわかるのだけれど、野辺山のようにアップダウンが激しければ、「攻める」区間と「捨てる」区間を明確に分けることができる。

(Source:野辺山ウルトラHP
登りはみんなが捨ててるので僕も安心して捨てられる。速い人は走るけれど、ギリギリランナーにとっては徒歩でも全く問題はない。
そして下りは体重に任せて下っていく。出たとしてせいぜい5分20秒ぐらいではあるが、それでもウルトラの距離においてこのスピードが出せる区間というのは非常に貴重で、野辺山でもそれがあったから完走できた。
フルマラソンではキロあたり5秒から10秒を調整しながら走るため、アップダウンがあるのは極めて迷惑。てことで、平坦なレースが歓迎される。(羅王調べ)
一方のウルトラは、選択と集中がしやすいアップダウンのあるコース設定の方が、実は完走しやすい。野辺山においても一番厄介だったし勝負どころだったのは、50km〜65kmまでの平坦(もどき)の区間であった。
ランの実力が正面から試される区間で、ここで走れないと脱落する。去年の僕はこの平地区間で脱落し、今年の僕はそこで自分に克つことに成功した。
 
話を戻すと、今回のみちのく津軽188kmは130kmもの平地区間が続く。
130km!!!
う・・・ヤバイ・・・。
しかも、仙人のレースプランによると、この平地区間、平常時には遅くともキロ6分半ほどで走れる区間を「キロ12分」で走る計算になっていた。
キロ12分・・・だと???
 
孫悟空の予想外の戦闘力に驚くギニュー隊長のように、何をどうしたらそんなタイムになるんだろうと首を傾げながら、「計算ミスじゃないの?」と仙人に聞くと、
「そういうスピードになるんだよ、最後はみんな」
とのこと。
このど素人が、といった感じの視線を寄越しながら、仙人が答えてくれたのを思い出す。
 
そんなわけで、序盤の平坦区間はせめてキロ7分で走ろうとプランを立てた。実力通りなら、少し抑えてキロ7分ぐらいだろう。キロ7分なら、余力を残したまま走り続けることができるだろう。
そして走ること数km。すぐにあることが判明した。
僕のプランは、全てが甘すぎたのである・・・。
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