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退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

3年ぶりに帰ってきたウルトラマン! 野辺山100kmウルトラマラソン2018完走記 その14 #1321

time 2018/08/14


 

野辺山100kmウルトラマラソン2018完走記です。制限時間6分前の13時間54分でのゴール。いつもながらのギリギリ完走記です。

 

野辺山ウルトラ完走記2018を最初からお読みになる場合はこちら。

 

初参加となった野辺山ウルトラ2014の完走記はこちら。

 

2回目の完走となった野辺山ウルトラ2015の完走記はこちら。

 

初リタイヤとなった野辺山ウルトラ2016の惨敗記はこちら。2017は惨敗過ぎて記事にすらなってません。

***

(あらすじ)

ついに、ついに、ついに、ここまで来た。87kmの最終関門を突破し、魔のラストモンスターが待つ90km地点へ。限界など、とうの昔に超えた。カラダ?んなもんもはや動かない。それでも、僕たちプロージットのファンタスティック・フォーは、前へ進む。そう、この地獄のような苦しみの後に待つ、あの最高の瞬間を味わうために。。。

***

90km〜95kmのラストモンスター

さあやってきた90km地点。残り10km、制限時間の14時間まであと1時間45分。(距離表示は毎度狂う。)

勝てる!この勝負、勝てる!

がしかし、背後から、ベキリと背骨が折れるような音がした。眼前に現れた坂に、2つの異なる反応を見せる3人の漢たちがいた。

目の前の壁に驚愕の表情を浮かべ、しかしこれから迫るであろう修羅場に覚悟を決めた表情を見せるプリンス海老澤。

 

一方、現れた坂のあまりの角度と長さに、恐ろしさと絶望を感じて心が折れたフランクミウラとゼッキー。背骨が折れたような音に聞こえたのは、こちらだった。かろうじて平静を保っていた彼らの心が、ものの見事にひしゃげてしまった証左だったのかもしれない。

(DBより拝借)

高低図では「最後ちょっとだけ登るんじゃ♪」と亀仙人が注釈つけてる程度の登りにしか見えないし、写真でも少しわかりにくいのだけれど、ここからの坂は本当に本当に本当にキツイ。その見た目だけで、幾多の参加者の心を絶望の淵においやってきたであろうことがよく分かる威容を誇っている。

百里を行く者は九十を半ばとす

というのは本当で、ここまでの90kmと、ここからの10kmだと、半々、いや、ここからの10kmの方がキツイぐらいだ。そしてもしここでコケようものなら、全てがおじゃんになる。

細心の注意を払いつつ、しかし全ての力を出し尽くすために、かねてから準備してあった「30分だけ超サイヤ人になれてそのあと廃人になるパワージェル」の投与を僕は命じた。

いまだー!!!

Netflixより拝借)

***

僕たちは、超サイヤ人になった。

なんと、果てしなく続く最後の坂を、キロ9分半で走るパワーを手に入れた。

おそっ!!!

 

要はそれぐらい疲れていて、それぐらい限界だったということなのだけれど、超サイヤ人薬によって、かろうじて「電柱ゲーム」をやるだけのパワーが戻ってきた。

序盤に熊とやった電柱ゲーム。4年前にもここで熊とやった電柱ゲーム。限界に達したときに頼れる電柱ゲーム。

そう、電柱ゲーム

それを発動し、押し寄せる激坂に少しでも抗うべく、「3本走ったら1本休み!」、「次は4本走ったら2本!」、「調子いいから5本走って3本歩こう!」などと声をかけあいながら、進んでいく。

 

ここからは、完全に部活のノリだった。誰もが、坂の圧力に潰されそうになっている。泣きそうな顔をしている。だから、声を出すしか、その恐怖を紛らわす方法はなかった。僕にしても、それは同じだった。

「プロージッツ!

ファイッ!(オッ!)ファイッ!(オッ!)ファイッ!(オッ!)」

他の参加者に白い目で見られるのも構わず、僕たちは声を出し続けた。そうしなければ、今にでも止まってしまいたいほど、そして座り込んでしまいたいほど、疲れていた。止まったら、二度と動けない。そんな恐怖に突き動かされていた。

体内の残存兵力に声をかけるも、どの中隊もほぼ全滅している。かろうじて残っている指揮官に兵をまとめさせ、最後の力をふり絞らせる。そしてそれでも枯渇しつつあるエネルギーを補うために、声を張り上げる。

もはや、使えるものはすべて使う。頼れるものは全て頼る。なりふりなんて、構っていられなかった。カッコなんて、気にしていられなかった。

人は、本気の本気の本気になると、体裁なんて考えなくなる。ただただ目の前に目標に集中すること、ゴールまでたどり着くこと。それだけを最優先事項とし、それ以外の全てを切り捨てた。

 

それでもフランクミウラが遅れる。

「ちょ、ちょっと休んでいいすか?」と弱気なことを言う。

「ざけんなゴルァ!あとちょっとだ!出し切れ!」

と叫ぶ。

 

それでもゼッキーが遅れる。

「ちょっ、ちょっと待ってください。」とか細い声でヘルプを求める。

「ダメだ!」と一喝する。

 

あとちょっとだ。あとちょっと、ラスト5kmまで行ったら、完走が見えてくる。だからもうちょっと耐えてくれ。横を見ると、プリンス海老澤が一言も発さず、黙々と走っていた。

あとから聞くと風邪と足の痛みを抱えていたというプリンス海老澤だったが、圧巻という他ない。弱気なコメントは一言も出てこない。ただただ、黙々と、やるべきことをやる。最後まで集中力を切らさず、余計なことをせず、できることに全力を注ぐ姿は、隣で走っていても尊敬に値した。

***

僕の心も折れる。ああ、もうダメだ、と何度も思った。

そして後ろに下がる。

しかし、すぐに復活する。

 

なぜか?

簡単さ。

こいつらがいてくれるから。

 

もはや仲間ではない。

同志でもない。

戦友(とも)としか呼べないその後ろ姿に、僕は人知れず涙した。

ありがとう。ここまで共に戦ってきてくれて、本当にありがとう。

 

僕は、自分の人生に◯(マル)を付けたかった。

去年、一昨年とこの野辺山でリタイヤし、去年に至っては主要レース全敗。言葉にはしていなかったけれど、自分の中のプライドはズタズタだった。

自信も失いつつあった。直前の富士五湖ウルトラもリタイヤし、もう向いてないんじゃないか、やめた方がいいんじゃないかとすら思っていた。

でも、どうやら今回は自分に◯をつけることができそうだ。

ありがとう。本当にありがとう。

少し、自分を取り戻せた気がする。

***

95km〜最終章

ついに、レースを終える目処が立った。

残り5km。あと54分。もう完走は間違いない。超サイヤ人の薬はとっくに切れてしまったけれど、もう大丈夫。

 

やっと一息つけて、みんなの顔に笑顔が戻る。

 

残り4km。

「最後だから全力で楽しもうぜ!」と声をかける。ゼッキーもパーリナイできそうなぐらい復活してきた。フランクミウラは、実はすでに致死ラインを超えていたらしい。

 

最後の激坂。

視覚障がいの方に抜かれる。

ウソだろ。俺たちは五体満足なのに、ここまで限界を超えてボロボロになっている。なのにこの方は、目が見えないなか、この距離を戦ってきたというのか。

邪魔にならないよう、脅威にならないよう道を譲り、「ナイスラン!」と声をかける。嬉しそうな声が返ってきた。ウルトラやアイアンマンでは、こうした目が見えない、足がない、といった方に、人間の本当の強さを教えられる瞬間がある。

まじで尊敬します。

***

平地に入る。あと3km。

 

最後のエイドがある。

「今日1日、ありがとうごじゃいましだぁ〜!」

と声にならない声で、エイドの皆さんにお礼を言う。みんな、まともにしゃべれていない。

十数時間もの間、僕たちを支えてくれた人たち。道すがらの全員に伝えることはできなかったけど、その分、大きな声でお礼を言う。

 

隣を見ると、プリンス海老澤が少し泣いていた。

社長として、プロージット創設者として、完走以外の選択肢がなかったプリンス海老澤。頑張ったとか、怪我をしたとか、そういうプロセスはゼロにすぎず、結果を出すことのみが至上命題となっていたプリンス海老澤。

膨大なプレッシャーがあったことだろう。

人に言えない痛みも数知れず経験しているのだろう。

社員を愛しているのに、だから仕事で成果を出したいし、マラソンも共に走りたいのに、時にそれが伝わらないもどかしさに、なんど嗚咽したのだろう。

数十人の社員、およびその家族の生活を支え、しかし幾人かは様々なすれ違いから毎年目の前から去っていく。その重みや寂しさたるや、想像もできない。

そうしたプレッシャーや想いから少しだけ解放されたのだろうか。あのプリンス海老澤が泣いていた。

僕は、声をかけずに見守っていた。おつかれ、プリンス海老澤。

 

僕も毎度のことながら泣いていた。極限状態を超えると、全てに感謝が湧いてくる。感謝の賢者タイムだ。

大会を開催してくれた人たち、地元の人たち、ボランティアの学生さんたち、自分を支えてくれている人たち、リタイヤしてしまったプロージットの仲間たち、そしてもちろん、一緒に走ってくれている戦友たち。

全ての人たちへの感謝を込めて、進んでいく。すると、自然に目にゴミが入る。

***

ラスト1km。

言葉にならない想いを胸に、一歩一歩噛み締めていく。

そして、ここまで走ったらり歩いたりを繰り返していたけれど、みんなに声をかける。

「ラスト1kmは走ろう。走ってゴールしよう。」

 

あとから聞くと、まさかのここで脱落しかけたのがフランクミウラ。気合いと根性を是とする漢ですら、最後の1kmも走れないほど限界を超えていた。

もちろん、そんなのは無視。全員でビクトリーロードをひた走る。

 

あと500m。

光が見えてくる。

 

あと300m。

あのガソリンスタンドを曲がったらもうゴールだ。沿道の人たちが「おかえりなさーい!」と言ってくれる。全力で「ありがとー!」と返す。

 

あと200m。

もう、笑顔しかない。

 

あと100m。

 

あと50m。

 

そして、

 

ゴール。

僕たちはついに、新たな自分に遭遇した。

***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。
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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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「ラオウを目指す羅王のブログ」にようこそ。修羅が蔓延る世紀末の日本を、「北斗剛掌派」という思想体系を以て変える活動をしています。我が生涯に一片の悔いなし!と言える人生を送るため、101回目のダイエットに励んでいます。