ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

前言撤回!もしかしたら、沢田研二は稀代のマーケターだったのかもしれない。 #1393

time 2018/10/25


 

去る10月17日に、往年の名スター、沢田研二がちょっとした事件を起こした。(「沢田研二さん」とすべきかもしれないが、「沢田研二」は「SMAP」とかと同様、一つのスターを表す名詞なのでそのまま呼ぶ。)

なんと、9000人集客予定の自身のコンサートで7000人しか入っていなかったため、コンサート開始直前にキャンセルするという「暴挙」を犯したのである。開演予定だった17時の直前に「本日の公演は契約上重大な問題が発生したため、公演中止とさせていただくことと決定しました」とだけ通知され、集まったお客さんたちは阿鼻叫喚の様子だったとのこと。

当然、テレビでもネットでも非難轟々。僕個人としても、「まじありえんわ、このおっさん。勝手にしやがれ。」と思ったし、朝のテレビでも加藤浩次氏が、「いやーないですねぇ」といつも通りのガラガラ声で言っていた。チケットは全席指定で1枚8000円の決して安くない価格であり、損害額は5000万ー1億円程度と言われている。

若い人たちにはそもそも「沢田研二」が誰なのかもわからず、

カーネルサンダースがなんか事件を起こしたらしいぞ

と思っている人も多数いたのではないだろうか。

こちらより拝借)

 

とまぁ沢田研二事件に関しては批判一色だったわけですが、

そこから数日経って思うのが、

我々はもしかして大きな見誤りをしていたのではないか。

沢田研二は我々の想像を超える稀代のマーケターだったのではないか。

という疑念であります。今日はそこのところについて。

***

沢田研二の活躍期間は長い。御歳70歳。

1960年代から活動をスタートし、当初からスーパースターとして活躍。1982年〜1991年の9年間のソロ歌手としてのCD売上はなんと歴代1位。となると、当然ファン層もかなり年季の入った「お姉さま方」が中心となる。

そういえばうちのおかんも一時期は「ジュリー、ジュリー、ジュリーがいいわぁ」と言っていたが、それが沢田研二を表す言葉だと知ったのは、二十歳を過ぎてからだったように思う。

 

とはいえ、そうは言っても「往年のスター」。

毎日毎日、例えば嵐や三代目J Soul Brothersのようにテレビに出てくるわけではない。阿部寛のように、「下町ロケット」のような看板番組を持っているわけでもない。

コンサートも長くやっていたのかもしれないけれど、僕自身が沢田研二の名前を聞くことも、ついぞなかった。

 

それがどうしたことだろう。

10月17日の「事件」以来、連日連日、テレビもネットも「沢田研二」だらけではないか。この数日で、一体どれだけの数、「沢田研二」という名詞が叫ばれただろうか。おそらく、次の大事件が起きるまで、この沢田研二コールは鳴り止まないと思われる。

現実的な損失は5000万とも1億とも言われているが、それをはるかに通り越すような宣伝効果をもたらしたことは、確実ではないだろうか。テレビにしろネットにしろ、あれだけの量、自分の名前を流そうと思えば、とんでもない額がかかることは目に見えている。

それを、ある意味「たったの1億」で、あれだけの宣伝をカマしたのだから恐れ入る。こう考えるのは、考え過ぎだろうか。

***

この推論には一つ穴がある。そう、ファンの存在、ファンの心だ。

9000人予定のところ1000人しか入ってなかった。だからキレて帰ってしまった。これなら、納得はできないし共感も一切しないけれど、まだ分かる。

 

しかし、沢田研二がやらかしたのは、「たった2000人」足りないなかでのドタキャンである。ファンならずとも、キレて当然だと僕は思う。

損失額は確かに1億円かもしれないが、ファンの心に開けた穴を仮に被害額に算入するとすれば、億程度では済まないだろう。僕を含めてそう思っていた人は多いのではないだろか。

沢田研二、終わったな、と。

 

ところが、である。

ファンでもなんでもない層からの「沢田研二、ふざけんな」の声はたくさんあっても、肝心のファン層からのクレームはほとんど聞こえてこないのだという。(お姉様過ぎてネットに書き込む術がないという説もあり)

それどころか、

「あたしたちがジュリーを支えなきゃいけなかったんだわ、ごめんない」

と反省するファンのお姉さまが多数出てくる始末。マツコばりの怒り新党になるのではなく、ファンである自分たちの力不足を嘆く、理想的をすら上回る、自責思考。

お姉さまたちは現在結束を固め、沢田研二のコンサートチケットを買いあさってるらしい。それを象徴するかのように、直近の名古屋での公演は、1万人の収容人数に対して完売となっている。

 

また、既存のファンだけではなく、長い芸能活動の中で一時期ファンだったけれど、今は沢田研二から離れているお姉さまたち。そういった方々も、この数日で何度も何度も「沢田研二」という言葉を聞かされ、往年の感情を思い出した可能性がある。

 

沢田研二だって・・・

 

沢田研二・・・?

 

沢田研二!?

 

沢田研二イイイイィィィィィ!!!

 

と、テンションが常に不自然な「ジョジョの奇妙な冒険」がごとく興奮して、元ファンのお姉さま方がコンサートに殺到するようになっている可能性は高い。テレビでも、何人ものお姉さま方が、オンナの顔をしながら沢田研二を語っている。

コンサートを1回キャンセルしたことによって、往年のファンまで掘り起こしたのだとしたら、沢田研二のマーケット感覚はとんでもない高さのレベルにある可能性がある。

***

優れた相撲取りは、勝つことによってではなく、負けることによってニュースとなる。白鵬が良い例で、優勝ももちろんニュースになるが、たとえば白鵬が場所中に負け越しでもしたら、とんでもないニュースになるだろうと思われる。逆に言えば、勝ってることが大ニュースになってる限りは、まだ超一流ではないことの証でもある。

同様に、優れたマーケターも、「何かを為す」ことによって世に影響を及ぼすこともあるけれど、至極のマーケターは、「何かを為さない」ことによっても世の中を動かす。

 

例えばアップルのiPhoneなどは良い例で、新製品が発表されるたびに、「え!?イヤホンジャック取っちゃうの?」、「なんと!ホームボタンまで無くしちゃうの!?」と、市場を驚かせている。今まではあって当然と思っていたものがない。

「人は、欠損に恋をする」の格言がごとく、市場は「為されなかったこと」に対して、熱狂していく。

 

同様の発想を沢田研二が持っていたとしたら、恐ろしいマーケターである。

まず、

9000人予定のコンサートを、7000人だからやらない

という発想自体が、とんでもないリスクを孕んでいることは誰でも分かる。しかしそれにより発生する損失が1億で、反面、自分の名前がテレビでもネットでも連呼されることを想定したら、ペイすると計算したとしても不思議ではない。

申し訳ないけれど、今の沢田研二がどれだけ素晴らしいコンサートをやったところで、大したニュースにはならないことはほぼ確実である。やはり注目は三代目Jsoul Brothersであり、Generationsであり、こじはるなのだから。

それを、「コンサートをしない」という必殺技で覆したのだから恐れ入る。

***

さらに圧巻は、顧客心理の読み込みの深さである。

沢田研二のファンは、前述の通り、年季の入ったお姉さま方が多い。つまり、数十年に渡って沢田研二に恋をし続けている、コアなファンである。

そういうファンたちは、上述の「人は欠損に恋をする」がごとく、沢田研二の欠点や足りない部分をすら愛している。沢田研二は元来が気分屋であり、コンサート中も暴言を吐いたりすることで有名。

それをすら愛してくれる人たちがファン層の中心であり、僕のように批判はすれどコンサートに行かない人間や、テレビやネットでギャーギャー言ってるだけの人間たちは、客でもなんでもない。

 

また、「コンサートをキャンセルしたぐらいで離れるにわか客」も、客ではない。

自分の欠損や暴走を愛してくれているお姉さまたち、それが自分に取ってのコア顧客である。そして、自分の顧客層の中で、にわかはわずかでありコア顧客がほとんどを占める。それは長い芸能生活のなかで意図的に暴言を吐いたり、暴走したフリをしながら、慎重に見極めてきたつもりだ。キャンセルによる損失は1億。宣伝効果は10億。顧客の流出はゼロに近い。つまり、今回の事件による損失はほとんど発生しない!!!

このような読みがあってのあの事件だとしたら、沢田研二は稀代のマーケター以外の何者でもない。時流を読む能力、顧客心理に対する深い洞察、損を甘受して勝利を目指す意思決定能力、変化変革を厭わない勇猛果敢な心意気。全てが高次元過ぎて、恐れ入る。

「昔のスターがカーネルおじさんみたいに劣化して、錯乱してコンサートをドタキャンしたアホな事件」としてしか今回の件を見てないとしたら、日本は史上最強クラスのマーケターを見逃すことになる。

それは、国家の損失である、と僕は思う。

 

 

 

んなわけないか。

***

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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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