※本エントリの「目上」、「目下」という言葉は、「年上」&「年下」や「格上」&「格下」、「上級者」&「初心者」など、好きなように読み替えてください。
アラサー(38歳)にもなると、有難いことに、あれを教えてください!、これに関してご指導ください!、弟子入りさせてください!みたいなお願いをされることも増えてきて、こんなレベルの低いあだずで良いならと、ビジネスとは別に、見込みありな人に関してはあまり断らずに引き受けることにしている。
こういうイスラム原理主義者みたいな見た目のゴツめの漢に依頼してくる時点でなかなかの勇気だし、概してそういう人は成長意欲が高いからこちらも勉強になる。
 
で、僕はそういう人に対して僕は色々話したり教えたりした対価として、
「じゃ、俺に何を返してくれはるのん?今ね、今。」
と聞くようにしている。(もちろん人を見て言ってるが)
これは、ちょっと誤解を招きそうな要求にも思えるかもしれない。Give&Give&Giveが基本だろ!すぐTakeすんな!って声が、机上の美論を大事にする方々から聞こえてきそうな気がする。
 
ただ僕的には、これを成長意欲が高い人向けのトレーニングの一環、という意味付けをしている。
僕に直接何かを本当に返せという意味ではない。オゴったからオゴり返せとか、専門分野の話したんだからお前も専門分野の話を等価でしろとか、そういう意味でもない。もちろん、教えたことの対価としてカネをよこせという意味でもない。
 
じゃあどういう意味かというと、
「目下で誇れるものがないから今は返すものがない」、「頑張っていつか返します」という、その「制限されまくった思考」から脱却しろ!!!
ということを考えさせたくて言っている。
***
通常、子供は親にめちゃくちゃ世話になって成人する。
いつか親に恩を返したい、誇ってもらえる人間になりたい、と多くの「子供」は頑張っている(はず)。
結婚して親を安心させたい、子供を産んで孫を見せてあげたい、両親を旅行に連れていってあげたい。こんなことを考えてる人は多い。
 
誰でも最初は、何もできない新卒社員の状態からキャリアがスタートする。ありとあらゆる人に対してお世話になりながら、会社にとっての「コスト」から「バリュー」な存在へと、成長を遂げていく。
自分には何も武器がない。知識もない。経験もない。だから成長した暁には、いつか先輩/上司に何かを返します。
そう考えている若者は多い(はず)。
 
上記いずれも、美しい考え方であると思う。受けた恩は何らかの形で返す。その姿勢に、全く異論はない。ただし、その手法に関しては多いに異論を唱えたい。
いつか返すのは当然として、今返せることも山ほど考えんかい!
ということを言いたい。
 
知識もお金も経験も人脈も実力も、目下は目上に対して劣後している。
だから、何かをもらうことはできても、それに対して返すことは今はできない。だから頑張って、いつか返します。返せる身分になったら返します。
多くの目下はそう考えている。
 
それが、僕から言わせると「何も考えてない」思考である。「制限されまくった思考」である。
実際は、「いつか」ではなく、「今」返せることも、山ほどある。あらゆるリソースが極めて限られた中で、目上に対して高価値のものを提供できるのである。そしてそれは、目下でなければできない必殺技ばかりなのである。
そんなTipsを今日は紹介したい。これができると、目上から引き上げてもらえる確率が飛躍的に高まり、実力のつき方にも加速がつく。結果として恩返しもよりスムーズにいくはずである。
焼肉をオゴってもらったから等価の焼肉をオゴる。仕事の仕方を教えてもらったから、同レベルの仕事のノウハウを返す。こういう「等価での返済」をしようとするのは、愚の骨頂だし、第一身と財布が保たない。
以下は、35歳の中堅のエース格のパイセン(Aさん)と、25歳のやる気だけはムンムンの若手(Bさん)のやりとり、という前提でいくつかのアイデアを提供したい。
***
1、御礼を「きちんと」言う。
キホンの「キ」、いろはの「い」すぎて当たり前やん!と思う人も多いかもしれないけれど、この御礼のレベルが低い人は極めて多い。もっと言うと、御礼力を今よりも多少なりとも付けるだけで、目上からの覚えはめでたくなり、「愛い奴じゃ」となる確率は飛躍的に高まる。「その他の目下軍団」と差別化することができる。
一般的に、AさんがBさんのために役立つ有難い話をした場合、Bさんからの御礼の文面としては、こういう御礼を送りがちである。「昨日はありがとうございました!Aさんの話、めっちゃ勉強になりました!また色々教えてください!」
こういう御礼は、一番ダメ。AさんでもCさんでもDさん宛てでも文字さえ入れ替えれば通じる話であり、もらう側としても何の嬉しさもない。
ではどうするか?「特に」、「とりわけ」といった言葉を使うと良い。さらに、「あなたみたいになりたい臭」を出すと効果的である。みんな、自分を認めてほしいし、チンギスハンのように自分のDNAを残したいと思っている。
「昨日はありがとうございました!Aさんの話、めっちゃ勉強になりました!特に、顧客開拓のノウハウと心構えに関しては目から鱗で、自分がやってきたことの水準がAさんと比べてまだまだ足りてなかったんだと思いました。Aさんみたいな本気で顧客に向き合える営業マン目指して頑張りますので、また色々教えてください!昨日は本当にありがとうございました!」
これぐらいが最低限の合格ラインだと僕は思う。目上の自尊心を満たす、というのは、簡単なようでみんなやっていない。
 
 
2、1ヶ月後を目処に再度「きちんと」御礼を言う。
アドバイスをもらった直後の御礼は、「きちんと」できているかは別として、しない人の方が少ない。しかし上記の通り、1ヶ月後に再度「きちんと」御礼を言っている人は、相当少ない。ただ、この1ヶ月後というのはかなりのキモである。
通常、1ヶ月も経てば、話した側は誰と何を話したのかすら忘れている。そんなときに、こんなことをBさんから言われたらどう思うだろうか。
「Aさんに1ヶ月前に教えてもらったあのやり方、試行錯誤しながらやってみたら、かくかくしかじかの成果が出ました!マジでありがとうございます!」
愛い奴じゃ、と、アドバイスをした直後以上に思うこと請け合いである。アドバイスしてから1ヶ月もあれば、言われたことのPDCAをある程度回すことはできている。何らかの結果も出ている。それをそのまま報告するだけで、目上の自尊心は相当高いレベルで満たされる。
ちなみにうちの会社の後輩たちは、せっかく教えたことの結果を自分から教えてきてくれることは、まずない。いつもアホだなぁと思いながら見ている。報告してきたらまた色々と珠玉の方法を教えるのに・・・、なんて。
 
 
3、うまくいかずに失敗しても、「相談」をする。
「あなたのおかげでうまくいった」と言えないときはどうしたら良いだろうか?言われたことをやってうまくいかなかったのだから、報告しづらい気持ちもわかる。しかしこのときは、「相談」をすべきである。
だいたいの場合、「言われたことをそのままやる」ことができる人は少ない。何らかのフィルタを勝手に挟んで、言われたことを改変(改悪)してやってしまっている。だから成果が出ない。
むしろそこを逆手に取り、こう言ってみると良い。
「Aさんに言われた通りやってみましたが、たぶん、自分なりの解釈を挟んじゃってうまくいかなかったんだと思うんです。もう1回教えてもらえませんか?前回軽く聞き流したところにヒントがありそうなんです。」
こういう相談をすると、AさんはBさんを愛い奴じゃとしか思わない。
 
 
4、座右の書を聞き、その場でアマゾンで注文する、1W以内にFBする。
これもみんなやってない。聞き方はシンプルに。
「Aさんの人生に影響を与えた本のトップ3を教えてください。どうやってAさんみたいな人が出来上がったのか、どういう本に影響を受けてそうなれたのか、知りたいんです。」
そして、目の前でアマゾンで注文する。ほら、買いました!とドヤる。そして1週間以内に読んでフィードバックする。これは、「飛び込み大キック+しゃがみ中キック+アッパー+昇竜拳」のコンボと同じぐらい、相手の自尊心をくすぐる最強コンボとなる。
 
 
5、目上の人が書いてるブログ、投稿をシェアする。
SNS時代ならではの恩の返し方。できる人であれば情報発信の必要性に気づいて個人でブログやFacebookでの投稿、ツイッターをやっていることも多い。そして、モノを書く人が全員思っているのが、「もっと多くの人に読んでもらいたい」という願望である。
焼肉もオゴれない、人の紹介もできない、知識の返礼もできない。しかし、SNSでのシェアなら今日から誰にでもできる。
ただし、Bさんがアホな場合、「ただのシェア」をしてしまう。これは非常にもったいない。インフルエンサーが「ただのシェア」をするならいざ知らず、Bさんはただの無力な目下である。やらないよりはやった方が良いが、もっと効果的な方法がある。
それは、「おすすめのポイント、理由、個人的意見」を付加してシェアすること。なぜAさんの投稿は素晴らしいのか、どんな人に読んでもらいたいのか、Aさん自体がどんな人間で、どういうところをリスペクトしているのか。
こんなシェアをされたら、目上はイチコロである。愛い奴ランキングがトップ3に入ることは間違いない。
 
 
6、焼肉をオゴってもらったら、近いうちにコーヒーをオゴる。
目上が目下にオゴる機会は、未だにやはり多い。しかしそれに対してまともに返すには、目下の財布はあまりに寂しい。そんな時の返し方がこちら。
「こないだ焼肉オゴってもらったんで、全然釣り合わないですけどコーヒーだけオゴらせてください!あ、もちろん色々聞きたいのですみませんが、助けてください。」
目上は自分のノウハウや経験を誰かに話したくてたまらない。後継者を育てたいと思っている。それを、コーヒーオゴるから話聞かせてくれと言われたら、断れる人間はそうはいない。
 
 
7、ただただ話しかける。できれば異常な時間帯に。
目上の人間は、エース級になればなるほど、孤独である。これはどの会社、支社でも一緒で、実績がある人間になればなるほど、その数字から勝手にその他の人間が萎縮してしまい、気づいたら独りになっている。
先日も、とある会社のとある支社のとあるトップセールスが、「誰も俺に話しかけてこないんだよねー」とボヤいていた。彼はいつも周りに対してウェルカムであり、もちろんアドバイスはそれなりにレベルが高く厳しいが、しかし愛に溢れた人間である。しかし誰も彼に何も聞かない。
 
そんなときは、大きな不安を小脇に抱えながら、こういうアプローチをしてみると良い。
「Aさんがお忙しいのは理解してるんですが、どうしても色々アドバイスいただきたいので、明日朝6時からお時間いただけないでしょうか!?もしくは仕事終わりの26時ぐらいから。徹夜でもなんでもしますので!」
こういうのを、エース級の人材はめちゃくちゃ喜ぶ。やっと俺と同レベルで話そうとしてくるヤツが現れたか、と、表面上は変わらずとも内部では狂喜している。
クレクレ星人ばりにノウハウくれ!知識くれ!とタカっているだけなのに、目上はこういう目下を愛するようになる。
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上記いずれも、カネなし、コネなし、経験なしの三重苦に苛まれる目下の人間でも、今日からすぐにできる方法だと僕は確信している。ちょっとの頑張りと配慮、それから成長意欲があれば、この瞬間から活用できる。
人間は、自分の力だけでのし上がることはできない。どうしたって、優秀な人間から引き上げてもらうフェーズを必要とする。そういうのが不要という人がいたとしたら、よっぽどの天才か、身の程知らずのアホだと僕は思う。
自分は無力だから、若手だから、何にもないから。
そんなのは僕から言わせれば傲慢な人間の遠吠えであり、もっともっと頭を使って、
目の前の人間に何を提供できるか
を考えることを放棄しているだけなんじゃないかと思う。
ちなみに、1号機も2号機も、パパの変顔を全力で笑ってくれる。これだって、目下から目上への、素晴らしい贈り物の一つなのであります。
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。
退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!
我が生涯に一片の悔いなし!!!
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