ラオウを目指す羅王のブログ

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!我が生涯に一片の悔いなし!!!

「永遠の0」を読んで、以前と泣くところが少し変わってきたという話 #1407

time 2018/11/12


 

何度読んでも泣ける名作、「永遠の0」をまた読んだ。毀誉褒貶ある百田尚樹氏の作品ではあるけれど、本当に素晴らしい出来だと思う。

史実に忠実じゃないとか、特攻はこんなもんじゃないとか、知識不足で語るなとか、書いてる方も読んでる方も色々言われる作品だけども、「歴史」というものに世界トップクラスに疎い日本人諸氏が、そもそも歴史に興味を持つためのエントリー用の本としては、ダントツナンバーワンかと。

読んだことない人は買うべし。なお、作者の百田尚樹氏はこの作品を書いたことにより、

「『永遠の0』はつくづく可哀想な作品と思う。文学好きからはラノベとバカにされ、軍事オタクからはパクリと言われ、右翼からは軍の上層部批判を怒られ、左翼からは戦争賛美と非難され、宮崎駿監督からは捏造となじられ、自虐思想の人たちからは、作者がネトウヨ認定される。まさに全方向から集中砲火。」

となったそうな。

その「永遠の0」、かれこれ読むのは7回ぐらいになるが毎回泣いている。オチが分かっているのに泣いてしまうのは、涙腺が緩んでいるからだろうか。最近は娘の運動会見てても泣くぐらいだから、昔よりだいぶ涙ガバ(涙腺ガバガバ)になってるのかもしれない。

 

ただ、ここ数回は少し泣く場所が違ってきているかなという感覚がある。いや、違ってきているというよりは、増えてきているかなという感じ。

通常、7回も読んでいるとだいたいストーリーは分かっているはずだからここぞという場所でしか涙腺は緩まなくなるはずなのだけれど、なぜか読みこむにしたがって目にゴミが入る箇所が増えている。

その理由について少し触れてみたい。

***

「永遠の0」の内容については全国民が既知だろう・・・と言いたいところだけど、知らない人ももちろんいると思うので、ネタバレ80%程度の内容を下記に記す。もちろん、ウィキ様も参照されたし。複雑すぎて意味がわからないけども。

 

1、何の話?

太平洋戦争と特攻隊の話。

零戦を自由自在に乗り回した海軍兵士に焦点を当ててる物語なので、「永遠の0」の「0」はそこから来ている。太平洋戦争が始まった理由、すなわち「日本はなぜ戦争をしたのか?」についての詳述はほぼなく、どちらかというと「日本が戦争でどう負けたか?」について、海軍パイロットの戦いぶりを映し鏡として書かれている。

1941年12月8日の真珠湾攻撃から、1945年8月15日の終戦に至るまで、太平洋の制空権と兵站を巡る戦いの推移が描かれており、「戦争は終始ボロ負けだった」という学校教育で習った事前の印象を覆す内容。個々の能力と局所戦ではむしろ日本海軍が勝っており、躍動感溢れる空戦の模様は、男子なら結構萌える。

ちなみに邪推ながら、「0」には他にも複数の意味が込められていると思っている。局地戦の戦術はあれど、まともな戦略を持たなかった日本海軍の勝率はなんだかんだと「0」。現場の兵士は最強だったが、精神論と自己保身に依存し、まともな兵站とカイゼンを考えなかった海軍の首脳部の能力値が「0」。個々の物語や心情は涙なしではいられないものの、結局のところ作戦全体として見れば犬死にに過ぎなかった特攻隊の戦果が「0」。

いつの時代も、無能なリーダーと組織の硬直性が悲劇をもたらすという、歴史の教訓が詰まった一冊。怒りが湧いてくる。

 

2、誰の話?

海軍のパイロットとして八面六臂の活躍をし、最後は特攻で亡くなった宮部久蔵と、その孫の佐伯健太郎が主人公。

佐伯はふとしたことで「実の祖父」がいることを知り、その人間が特攻隊員であったことを知る。かろうじて生き残っている当時の海軍兵(みんな80歳超えたヨボヨボのおじいちゃん)を捕まえていろんな角度から祖父・宮部久蔵の話を聞いていくうちに、徐々に血が直接つながったご先祖様のヒトとして、軍人としての輪郭が明らかになっていく。

ある人は宮部久蔵を「卑怯なパイロット」と中傷し、ある人は「臆病だが腕の良い人間」と言う。またある人は「海軍内最強レベルの腕前」と評し、ある人は「生涯の天敵」、ある人は「命の恩人」と表現する。最初は角度があまりに違うので混乱していた孫の佐伯も、話を聞いていくにつれ、それらが一つの軸を持った祖父・宮部久蔵の生き方に紐づくものなのだと気づく。

「必ず生きて帰る」と当時の海軍兵としてはありえない「臆病」な信念を持ち、零戦でも敵機の撃墜より被弾しないことを最優先としていた宮部久蔵が、なぜ最終的に特攻隊に志願し、最期を迎えたのか。その思考の系譜を解き明かすうちに、自分がとんでもない奇跡の上にこの世に生を受けたを知る佐伯。何度読んでもラスト100ページぐらいで泣いてしまう。

 

3、読むとどうなるの?

誰かが言っていたし、何度も聞いたことがあるはずの言葉、「戦争を風化させてはいけない」の意味が、本当によく分かる。そして、自分の家族の系譜のことが知りたくなる。祖父は、祖母は、どんな人生を生きていたのか。何を大切に思い、誰を愛していたのか。何を思いながら死んでいったのか。

僕は正直、ある一定年齢まで、家族なんてめんどくさいと思っていたゲス男だった。しかし、それは本書を読んで少し変わった。よくある表現かもしれないけれど、ボタン一つの掛け違いで自分がこの世に生まれていなかったであろうその奇跡を思うと、先人たちへの感謝が湧いてくる。具体的に言えば、家系図を作りたくなる。「自分が何処から来たのか?」に俄然興味が湧いてくる。

「命がけ」という言葉が、本当にその通りだった時代の人たちと、平和が半ば当たり前になってしまい、それに対する感謝すら忘れつつある我々現代人。その彼我の持つ日々への覚悟の差に愕然とし、また申し訳ない気持ちになってくる。なんというか、もっとちゃんと生きよう、と思える。

 

非常にざっくり言うと、以上な感じが「永遠の0」の概要。さて、最後に感動のフィナーレを迎える本書ではあるが、そこで涙が出るのは当然として、中盤でも泣いている僕。以前と比較しどこで涙腺が緩んでいるのかをご紹介したい。

***

本書の大きなテーマの一つが「愛」であるならば、もう一つの大テーマは「無念」であると僕は思う。

直接的に日本人を殺したのは、もちろんアメリカ人である。しかし大局的に見れば、無能なリーダーたちが宮部久蔵はじめ、英霊となった当時の若者たちを殺したと言っても差し支えないほど、軍首脳の意思決定はひどい。

現代と違い発言の自由などはなく、心で思っているのと真逆のことを言わされ、あまつさえ命すら奪われる。そして、勝つ見込みのない作戦を立案し、兵站を軽視し、兵たちを戦死ではなく餓死させた将官たちは、責任すら問われず組織に守られる。

現代のサラリーマンが直面する組織の不条理などとは比較にならない当時の軍隊の描写を見るにつけ、とめどない怒りが湧いてくる。また、そこに生きねばならない、あるいは死なねばならない宮部たち現場の若者たちの引き裂かれんばかりの心情に思いを馳せると、涙が出てくる。

 

特攻隊の志願書の「志願する」の欄に、本心を押し殺して丸をして、明日死ぬ覚悟を決めた当時の若者たち。家族を想い、国を想い、未来を想い、死を以ってそれに資する覚悟を決めた彼らは、しかし、ほんの一部の人間を除いて犬死にに終わる。

その頃には邀撃や対空砲火で日本軍とはレベルの違う実力を誇っていた米海軍に、ほとんどの特攻機が撃ち落とされて海の藻屑となったのである。(米海軍は、最初は全然ダメだったが、カイゼンにカイゼンを重ねてここまでのレベルにもってきた)兵士を消耗品、飛行機を資産と考えていた日本海軍にとって、人命はあまりにも軽く、鉄や石油の価値は高かった。何も報われないとはこういうことか、と、ページを繰るたびに涙が出た。

 

また、死線をいくつもくぐり抜けた挙句、偶然と奇跡の積み重ねでなんとか生き残って帰っていった人たちに対する、衆愚のあまりに厳しい仕打ちと、それを助長する腐ったメディアのあり方。

そして、そんな絶望を甘受せざるをえなかった人たちの無念。これに対しても涙が止まらなかった。一生懸命仕事をして毎年社内コンテストに入賞してハワイに連れていっていたのに、ある日無邪気な娘に「パパー、もうハワイあきたー」と言われたときのあの無念さ。あれですら死にそうにショックだったのに、当時の人たちの悔しさたるや。

歴史の知識がなかった頃は読み飛ばしていた部分からも含め、ありとあらゆる形の「無念」が、「永遠の0」からは漂ってくる。

 

翻って、自分たちはなんと自由と安全が担保されている社会に生きているのだろうか。生きることが自由な上に、何を話すかも、何をするかも、どう生きるかも、ほとんど全て自由。

日本の劣化が云々という論調も分かると言えば分かるが、社会全体は戦時と比べて間違いなく前進しており、反面、その社会に生きる人間たちの甘さや軽薄さは肥大しているように感じる。

「永遠の0」を読めば全てが分かるとは言わない。全て正しいことが書いてあるとも思わない。しかし、まずは考える、知る、葛藤するといった、無知からの一歩が大切なのは言うまでもなく、その意味で「永遠の0」は入門編といて最適な書であると改めて思う。

帰ったら娘たちを抱きしめてあげたい。

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。
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羅王(AKBとも呼ぶ修羅も多いです)

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