今日は参画して3年目になるNPOの活動の一環で、「社長のなり方講座」の授業を、とある都立高校の2年生向けに実施した。
「社長のなり方講座」は、よくある社会を知ろう運動の一つで、様々な仕事を持った大人たちが、不定期でHRの時間に授業を行うというもの。2年ちょっと前からこの活動には参加させていただいていて、毎回授業をしているこちら側にとっても、大きな学びになっている。
 
アパレルの人は「アパレルとはこんな仕事だよ」と説明し、広告の人は「広告ってこんなに楽しいよ」と宣伝するらしいが、僕たちの担当は、業種を問わず「君たちには将来社長になるという選択肢があるんだよ」と周知すること。
考えてみれば、僕たちの時代にはそんな風に大人と触れ合う授業自体がなかった。社長という人種と触れ合う機会もなかった。教育環境も少しずつ変わってきているようだ。
過去に実施した授業の模様、感想はこちら。この時は「てんや」で一人で泣いた。GTR(Great Teacher 羅王)をやっていて本当によかったと思った。

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天国と地獄
僕と社長仲間たちは過去に数十回こうした授業に登壇しているのだけれど、全ての学校を同列に語ることはできない。授業をやっていて「天国」と思える学校と、失礼ながら「地獄」としか思えない学校がある。
これは判断基準が参加社長の中でほぼ全員共通していて、
天国=生徒が話を聞いてくれる学校
地獄=生徒が話を聞いてくれない学校
という分かりやすいものとなっている。そりゃそうだ。誰だって、せっかく出張ったのに聞いてもらえなかったら萎える。
 
昔、自分が話を全く聞かない生徒側だったくせにこんなことを言うのも当時の先生たちに申し訳ないが、やはり話を聞いてもらえる学校は居心地が良いし、そうではない学校はそうではない。
今日は天国寄りの学校だったので、すこぶる快適だった。しかし、先日登壇した学校は地獄を超えた修羅の国だった。誰一人時間通りに座ることはなく、先生の号令は虚しくスルーされるだけ。もちろん、外から来たおっさんの話など、まともには聞いてもらえない。
 
そして、極めて不都合な真実だとは思うが、しかし否定したくてもできないファクトを一つ申し上げる。僕たちの話を聞いてくれるかくれないかは、結局のところ、その高校の偏差値に大きく依存する。
これは結構残酷なまでに統計がはっきりしていて、偏差値がある数字を割り込むと、途端に統制が取れなくなってくる。このあたりは日本を変えるだなんだと大きなことを言ってる手前、今後の研究対象にしていかねばならないと思っている。
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話変わって、ケンカの話
話をだいぶ変える。
 
僕は中学生時代、毎日のようにゲームセンターに通い、毎日のようにパンチングマシーンでパンチ力を測っていた。その数字がまぁまぁ大きかったため、何を勘違いしたのか、「高校生3人までなら相手にできる」と豪語していた。
時は経ち、僕は大学生になって極真空手を始めた。高校生時代はサッカー部で63kgの美ボディだったのだけれど、空手を始めてからカラダが大きくなったのか、80kgをゆうに超えるようになった。(今は90kg、重すぎ)
そこで分かったことは、「よほどじゃないと、人数には勝てない」ということだった。これは拳を放ち、蹴りを繰り出し、実際に相手に当てたり被弾したりを繰り返す極真空手だから分かったことなのかもしれないが、人間はそう簡単に孫悟空やベジータさんのようにはなれないものである。
 
例えば、僕が同じ体格の、しかし素人の人間とケンカをしたら、十中八九僕が勝つと思う。しかしこれが、素人2人とのケンカになると、ちょっときつい。場合によっては負けると思う。さらに1対3以上になると、たぶん普通にボコられる。
ランチェスター戦略の一次法則では、近接戦闘における戦闘力=武器効率×兵力数であるとされている。武器効率(=腕力や技術)が空手をやっている僕の方がちょっと強かったとしても、結局は兵力数によって彼我の戦闘力費は決まる。
1対5だったらどうか?ほぼ絶望的だと言って良い。空手をやってようが、僕程度(極真茶帯)ではまず勝てない。
秀吉は常に大軍で相手を蹂躙したと言うし、ナポレオンもしかり。寡兵でなんとかなると思っていたのは、旧日本軍ぐらいのものではないだろうか。
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環境は超手強い
なんでこんな話をしたのかというと、大人になって最近ようやく分かったことを一つシェアしたかったからだ。
よく、色々な本やセミナーで、環境を整備することの重要性が叫ばれている。早寝早起きをしたいなら、その環境をつくる。成功したいなら、成功している人を周りに置く。マッチョになりたいなら、ゴールドジムに行く。
これは本当にその通りで、人生これが全てだと言っても良いとすら、最近では思っている。環境のコントロールは、全てに優先する。
 
環境というのは1対5でケンカをするときの、5人いるケンカ相手のようなもので、相当な実力や信念がない限り、それに抗うことは難しい。
少なくとも偏差値80以上の圧倒的な実力がないとダメで、ちょっと優れている程度、例えば偏差値55や60程度の能力値では、環境の力に屈すること請け合いである。
井上尚弥やメイウェザーが同体格の5人に襲われても返り討ちにするだろうけれど、僕は同じ体格の5人に襲われたら完全にアウトである。環境が作り出す空気、雰囲気、ルール、圧力、全てが、自分をそこに同調させようとしてくる。
 
だから、ブラック企業を辞められない人に対して、「え?ただ辞めればいいだけじゃん」ともっともなことを言いたい気持ちは分かるが、もしそれが精神的肉体的に極めてしにくい環境があるとするならば、やはりさっさと退職することは難しい。ブラック企業の精神掌握術は凄まじい。
周りがタバコを吸って、酒を飲みまくっている人たちばかりなのに、自分だけは酒もタバコもやらない、ということをなんの軋轢も起こさずに貫ける人は、一体どれぐらいいるのだろうか。僕は少なくともできない。吸わないのは、周りがほとんど吸わないからだ。
親が腐っていると、子供がそのおかしさに気づいて自分で考えて抜け出すことはとても難しい。中にはそれができる子もいるかもしれないけれど、普通にいけば勉強しない親の子供は勉強しないし、暴力的な親の子供は暴力的になる。
 
逆も然り。
全員が真剣に甲子園を目指しているようなチームにあって、「いやー僕は楽しければいいんで」と3年間自分を貫ける子がいたとしたら、それはそれで尊敬してしまう。普通に考えれば、皆んなの熱に当てられて、自分もいつのまにかガチな甲子園球児になってしまうはずである。
周りがアメリカ人だらけであったら、数年あればあっちで暮らすのに困らない程度の英語力には、放っておいてもなる。留学や赴任をしていても話せない人は、あっちで日本人とばかりつるんでいるからである。
この数年、起業家や独立事業主ばかりが周りにいるようになったおかげで、僕の頭の中もいつの間にか独立起業に占められるようになってしまった。そして実際に、2017年に一歩を踏み出すことになった。
 
環境の力はかくも偉大である。
それは環境をコントロールする力を持たず、基本的には親と先生と周りの友達が提供してくれる環境が世界の全てになっている子供たちの場合、より顕著に人生に影響する。
今日の子たちは、育ちが良さそうな子たちばかりであった。おそらく親はちゃんとしているのだろうし、先生たちは熱を込めて指導しているのだろう。友達関係も良さそうだ。
でもそれは、彼らがそういう環境をたまたま手に入れているから、そういうふうに育ったのだろうと思った。
 
先日遭遇したのはまさにその真逆の文化を持った生徒たちだった。
誰かが具体的に悪いわけではない。しかし、正直将来はとても心配になってしまった。そして、それを変える唯一の方策である環境のコントロールも、このままだと相当難しいように思えた。
なぜなら、本人たちがどうかという前に、周りにいる親、先生、友達が、とてつもない引力を持った環境をすでに用意しているからだ。そこでは、人の話を全く聞かず、授業中でもスマホゲームを音を出しながらし、ゲストに対する敬意を1ミリも払わないという行為がごく当たり前に許されている。
このような状況下で、誰かが決意したとして、その子がそこから抜け出すことはとてつもなく難しい。1対5の戦力比を覆すほどの実力があれば関係ないのかもしれないけれど、僕の見た所、そんなのはスティーブ・ジョブズやイーロン・マスク、日本人だと孫正義級の人間だけなんじゃないだろうか。
 
環境を覆すことは相当以上に難しい。出来るとしたら、自分が望む環境を提供してくれる場を選ぶことだけだ。
「北斗の拳」で略奪を繰り返すモヒカンたちも、ほんとは良い子たちなのかもしれないが、あの状況では略奪する以外に選択肢がないのだろうと思う。
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。
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