世間的には、節分の豆まきは季節の分かれ目を認識する意味と、厄除けを目的として実施するものだと言われているのだけれど、我が家でのそれは季節的な行事という以上に「教育のファーストステップ」を目的として行われているよ、という話。

お父さんとしては毎年仮装の出番が3回(ハロウィン、クリスマス、節分)だけあるうちの1回で、今回も散々豆をぶつけられることとなった。


(鬼を退治する側なのに鬼になりきる2号機。豆入れバッグも手作り。)

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人間にとって大事なのは「自己概念」

最近、人間にとって大事なのは1にも2にも「自己概念」だなと感じる。それは「自分にはできる」という自己肯定感であり、「自分には価値がある」という存在承認であり、「自分なら大丈夫」という安心感である。

これがないと人間は最初の一歩を踏み出せないし、最初の一歩を踏み出せないから二歩目も三歩目も当然のことながら存在しない。後々振り返って気づいたらここまで来てた、と言えるのは、最初の一歩を踏み出して、その後の歩みを止めなかった人だけだ。

 

これを強く感じたのは、最近自分の中でライフワークになりつつある「1日署長」ならぬ「1コマGTO(Great Teacher Oresama)」業の最中だった。教育系NGOにより都立高校に派遣され、HRの時間に1コマだけ授業を担当させてもらうというプロジェクトがそれ。

 

行く高校によって偏差値や雰囲気は全然違うのだけれど、一つ発見があったとするならば、いやらしい話ではあるが学校の偏差値と生徒たちの自己概念はほぼリンクしているということだった。雰囲気は元気だとかおしとやかとかいくつかのパターンがあるが、それとは別に生徒たちからにじみ出ている自己概念の高低は、如実に偏差値に比例していたのである。

僕は本来「偏差値なんてカンケーねーよ」と言いたい派なのに、残念ながら現実はそうではなかった。偏差値50前後だとみんな元気なのに、40台前半からそれ以下の水準になると、ガクッとクラスの雰囲気は暗くなる。クラスのうちの数分の一子の目はそれと分かるぐらい死んでいて、いたたまれない気持ちになった。
 

基本的に、人間が一生で関わるもののなかで、勉強はもっとも報われやすいうちの一つである。たとえば恋愛なんてそうそう報われないし(涙)、運動神経が悪ければサッカーが下手な子は本当にうまくならない。逆に、ある程度ちゃんと学校に行っていて識字率の統計から漏れる人など、特別な事情を除けばほとんどいない。

その勉強を、偏差値の低い学校の子たちはしない。やれば報われるものであり、やらないから報われてないだけである。能力の有無ではなく、やったかやらないかだけの差で、偏差値なるものでタグ付けされてしまっている。ただそれだけのことなのに、彼らはやらない。

なぜかといえば、先述した通り、自己概念が低いからである。親や友人、先生のいずれかが強烈に自己概念を担保してくれる存在であれば、人間そんなに腐ったりしないもの。しかしこの三者からの承認がなく、自分で自分を認められていないのだと推察する。だからやれば報われるものにも手が出ず、「どうせ自分なんて」と思ってしまう。
 
これは根深い問題なのでこの話は一旦ここで終了とするが、ともあれ学んだのは、

自己概念が低いとなんにもやる気が起きない

ということであった。ちなみに、そういう学校は先生たちのテンションも著しく低い。中には素晴らしい先生もいるにはいるが、正直申し上げて全く素晴らしくない先生の方が多い。聖職者頑張れ。もう何をどこから直せば良いのか、分からない。教育の問題は一筋縄ではいかない。

教育というと国語や算数が第一手として思い浮かぶが、少なからぬ経験で学んだことから、明確に違うと言いたい。

自己概念を上げることが、教育のファーストステップであるべきだ。そうじゃないと、何も始まらない。

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豆まきは自己概念爆上げイベント

話戻り、豆まきの話。

顔のサイズの半分ほどの子供用の鬼のお面を被った僕を、お約束のごとくこの日姉妹はボコボコにした。「悪い子はおらんかぁ」と誤ってなまはげのセリフを叫びながらドアから現れたパパ鬼に対し、これでもかというほど豆をぶつけていく。鬼は豆がぶつけられるたびにカラダをびくんびくん痙攣させながら、ダメージを受けていく。

最初怖がっていた2号機もだんだん笑顔になり、豆をさらなる勢いでぶつけていく。そうして、鬼はフラフラになりながら退散していく。終了後にパパに戻り、「鬼どうだった?」と聞くと、

「おにはね、かんたんにたおしたの。もうね、おにもたおせるしきょうりゅうもこわくないし、トラックもこわしてあげる。パパはまけるけどあたしはかてるよ。」

と世界最強な気分になっているようだった。なんという自己概念!エベレスト級である。

「ピッコロ なんという」の画像検索結果

(ドラゴンボールより)

たかだか豆まきではあるのだけれど、これは捨て置けない発見だなと思わされた出来事だった。豆まきで得られる自己概念は、バカにできないほどの効力を持っている。

鬼という強敵を蹂躙するほどの実力を持っていると自分が思えること。これは2号機の心には少なからぬ程度に前に進むための栄養になったようだった。その後も下手くそな塗り絵をして見せてきたり、間違いだらけの"Let it go"を歌いまくりと、過ちを全く恐れない姿に、こいつの自己概念やばいなと思わされたのであった。

毎日抱きしめられて、「生まれてきてくれてありがとう」、「パパの子供になってくれてありがとう」と言われている2号機は、世界最強の自己概念を持っている。ちなみに一方の1号機はというと、最近親ゴジラに口からビームを食いまくっているせいか(勉強しないから)、ややネガティブな面も見せはじめている。

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自己概念を上げる方法、下げるアレ

ここから先はいろんな本で紹介されているので詳細はそちらに譲るとして、個人的に第一歩を踏み出すために必要な自己概念の上げ方、また反対にこれやると下がるんちゃいますのというものについて、軽くご紹介。
自己概念を上げる方法は簡単で、「必ず報われること」をやると良い。おすすめは、

1、掃除
2、筋トレ
3、ランニング

である。掃除は初歩の自己概念アップ策としてはかなり優秀。モノを捨てまくり、整理しまくると不思議と心が現れてくる。これだけでも全然違う。両津勘吉のような汚部屋に住んでいては、自己概念も何もないし本当にやる気が出ない。

筋トレ、ランニングはもう語り尽くしてきた感はあるが、それでもまだしつこく進めたい。やってる最中は苦しいけど、その後の爽快感たるや。そして具体的に筋肉や体力がついてきたときのあの満足感。誰からの評価も気にせず、自分のペースでやった方が良い。間違いなく自己概念が上がる。

「高い目標を設定してそれにチャレンジする」なんてのは、ある程度自己概念が上がった段階でなら手を伸ばすことができるが、そうでないならば上記3つぐらいからゆっくりはじめた方が良い。時には、必ず勝てると分かっているスライムを倒しまくることで戦いになれることも必要なのである。強敵と対峙するのは、その後で良い。
 

ちなみに逆はというと、まず第一にSNSはおすすめしない。人とつながることができるとかメリットもないではないが、一般的には「SNS疲れ」に代表されるように、マイナスの効果の方が高いのではないかと思う。巷の「最強」たちがチラチラと目につくからだ。


(ドラゴンボール)

例えばビジネスの「最強」で言えば、やはり"GAFA"。だいたいネットを見ているとGoogleかAppleかFacebookかAmazonの話が出てくる。これらの企業はその経済的インパクトもさることながら、徹底的に従業員を大事にしていたりもする。こんな職場で働きたい、しかし自分の会社は全然ダメ。こんな気分になってくる。

 

新聞やニュースを見ればどこもかしこもGAFA、GAFA、GAFA。自分の会社がどんなに頑張ったところで、いち国家のGDPをすら凌ぐGAFAの足元にも及ばない。

どうせ全部GAFAに取られるんだから、任しときゃいいんじゃないの?なんて投げやりな気にもなってくる。人間は自分にできることを粛々とやるのが一番幸せに近づける道なのだけれど、なんかできないこと、持ってないものばかりが浮き彫りになってくる。
 

SNSには、世間の皆さんのプライベートに関しても「最強」がそこかしこに目につく。とある友人はハワイに年に1回しか言っておらず、それを年に1回アップしているだけのはずなのに、それを何人分か見ると「みんなハワイ行きまくっててでなんであたいだけ国内なんやー!」となってしまう。

人の旅行も結婚も出産も、自己概念がある程度整っているときには嬉しくなったりお祝いの気持ちも湧いてくるが、そうではないときはただの毒になる。嫉妬ほど疲れる感情はない。

今は恐ろしい時代で、世界のトップ各社が我々の隙間時間を狙いに狙っている。指をちょっと動かせばSNSが見られて、それが自己概念を下げるのだから恐ろしい。弱っているときは、避けるべきである。

他にも色々あるが、まずはSNS断ちが第一歩じゃないだろうか。社畜化して死にそうなときに、イケハヤの「まだ社畜で消耗してんの?」なんて投稿を見てしまうと、萎えること請け合い。
 

豆まきで豆をぶつけられて痙攣した全国のお父さんたち、先生たち、おつかれさまでした。
皆さんは子供たちの自己概念を爆上げすることに成功したので、非常に価値あるコスプレでありました。来年はさらに痙攣してあげてください。


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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。
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