8年ぶりにインドで逝ってきました。今回は随一の経済都市ムンバイ。
全く変わっていないインド、大きく変わったインドの両方が楽しめた旅でした。
インド5弱の衝撃をどうぞ。日本が抱える問題点の解決策を持ってる気がするのは気のせいだろうか。。。

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※主な登場人物

トミー(Tommy):世界屈指の外資系コンサル会社に勤めるエリートな漢。ふとしたきっかけからムンバイに赴任することとなり、今回の旅のホストして活躍。なぜか俺に色々と相談してくる。語学が堪能。ランチームアドミラル所属。

マッチ:某ITベンチャーの若きエグゼクティブVP。カラオケで必ずマッチの曲を歌うところからマッチと呼ばれている。体型もマッチ棒っぽい。息を吸いながら話し続けることが出来る特技の持ち主。ハートが異様に強い。語学は堪能とは言い難いが、魂で話す。

ザック:公認会計士に教える公認会計士。フルマラソン3時間30分切り(サブ3.5)まであと8秒というとても惜しい漢。会計士仲間の先輩には『おしゃべりクソヤロー』言われるほど普段は饒舌で俺から見てもとても話が上手いのだが、今回の旅では貝になっていた。ランチームアドミラル所属。語学は堪能に見えていたのに、結構とんでもない実力だった。

エンペラーの会:俺が主催する勉強会。共に学ぶ同志。

三人に共通するのは、全員心から尊敬すべき漢たちであり、卓越したビジネスパーソンでもあるということである。

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惜し過ぎる漢ザックと、インド人らしくないインド人クマール

目覚ましが鳴った。8年ぶりにインドで迎える朝だ。
8年前のあの日は、朝起きたらベッドの上に大量のアリが避難してきてて結構ビビったのだけれど、今回は念のため確かめたがアリが一匹もいない。
水力に難のあるトイレ、お湯が10分ぐらい出ないシャワー、ちっとも温度調節の出来ないエアコンと、日本スタンダードで考えれば色々と言いたいことはあるが、総じて快適と言えるレベルであった。さすがは三ツ星。
横を見ると、『ムンバイを早朝に走破します!』と息巻いていたザックが、まだぐーすか寝ている。起きないというよりは起き上がれないといった感じで、深々と眠りに入ったままだった。
約束した時間が過ぎてもなかなか起きないので、仕方なくブログを書いていると、おもむろにザックが夢から覚めてきた。
『・・・ん・・・ん・・・んあっ!』
と、目を背けたくなるような喘ぎ声が聞こえてきたのでそっと目を向けると、起きるなり早々、体幹トレーニングをしていた。見上げたストイックさだ。
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さらに出発が近づくにつれ、鞄からわらわらと参考文献を出してきて、勤勉をアピールしてきた。
『金持ちとうさん貧乏とうさん』:今更感があったが基本を大事にするのは良いことだ。
『地球の歩き方』:とにかくインドに関して奥さんが猛烈なレビューをしてくれたのが見て取れる。『水は飲むな』とか、『喜捨はほどほどに』みたいなところにエリート然としたマーカーが引いてある。
『影響力の武器』:言わずと知れた名著。
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引き続きおのぼりさんルックに身を包み、ドヤ顔で『影響力の武器』を見せてきたザックが、この国に滞在中、1ミリの影響力も発揮出来なかったことは、彼の名誉のためにも先に述べておこうと思う。エリートが生まれて初めてぶつかった壁は、インド製だった。
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前夜に、ザックに関するインド2強の衝撃があったので一応シェアしておきたい。大前提として、ザックは『スゴく惜しい漢』である。『ス』と『ゴ』の間に『ん』を入れたいぐらい惜しい。惜し過ぎて涙が出るほど惜しい。
僕たちが所属しているランチームでは、師匠である元帥閣下の指導のおかげもあり、フルマラソン4時間切りを何人ものド素人が達成している。
その中で、次なる目標であるサブ3.5(3時間半切り)に最も近いのが、ザックである。なんとそのタイム3時間30分7秒。
あと8秒!!!惜しい!!!惜し過ぎる!!!
ザックはこの驚異的なタイムをたたき出したレースで、出し切った達成感もあり、号泣したそうだ。『あと8秒、縮められなかったの?』と聞いた僕に対し、『出し切ったレースだったので無理でした』と言い切ったザックがかっこ良過ぎ。
で、持ってる実力は素晴らしいのに惜し過ぎる漢なザックが、インド2強の衝撃を与えてくれたのが前夜。
宿についた僕たちは、トミーの友人クマールに面通しされた。
クマールは、トミーが現地で友達となった数少ないインド人だ。12億人いても、悲しいかな信用出来るインド人というのはそんなに多くない。『話しかけてくる人は悪人』という不文律のあるインドでは、なかなか信用を出来ない。インドに着いた翌日は金曜日のためトミーは仕事で、クマールが案内してくれることになっていた。
明日からお世話になるクマールに対し、トミーは『ペラペラペラ〜』と僕たちを紹介してくれた。僕もトミーほどではないにしても一人旅でそれなりに鍛えた英語で『ペラペラペラ〜』と、クマールに挨拶した。クマールも、さすがのインド英語で『ペラペラペラ〜』と、話しかけてくれた。
さて、筋金入りのエリートのザックである。数十人から百人近くに及ぶ人数に対してのマスプレゼンテーションを日頃から行っており、コミュニケーションにも絶対の自信を持つ漢。先日エンペラーの会で開催した『すべらない話』でも、華麗なる話術で優勝をかっさらっていった。
エリートなので、英語には全く問題がないものと、僕もトミーも思っていた。会話に多少の巧拙はあるにしても、基本的文法は全て理解しているのが、日本のエリートの特徴だからだ。
そのザック、ついに口を開いた。この国に来てから数時間、初めて発した英語。
『な、な、な、ナイス トゥ ミートゥ』
・・・
・・・
惜し過ぎる漢、炸裂。惜し過ぎる言葉を口にした瞬間だった。
『Nice to meet too 』
で終わってしまっていた。文字にしてあとわずか3文字。
惜し過ぎる!!!YとOとUを足すだけで良かったのに!!!
インド2強の衝撃だった。
後から聞いたら、本当に本当に英語が苦手らしく、持ち前の要領の良さで土俵をズラしながらここまでエリート街道をひた走ってきたらしい。
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起床後、下に降りて朝ごはんを食べた後、約束の10分遅れでクマールが来た。
そのときのクマールが手を合わせて言ったセリフに、インド2弱の衝撃を受けた。
'Sorry to be late'
インド人が時間に関して謝った!!!!!
いや、大変インド人に対して失礼な物言いなのは分かっている。本当に申し訳ないと思う。でも、僕が知っているインド人というのは、大半が筋金入りで適当なのだ。
首都であるデリー駅には、政府管轄のツーリストインフォメーションのすぐそばに、偽物のツーリストインフォメーションが設置されていて、悪行の限りを尽くしている。日本で言えば、東京駅のみどりの窓口のすぐそばにきみどりの窓口があって、そこで、やれ『その新幹線は欠航だ、他の便にしろ』とか、『普通席は満席でグリーン車しか空いてない』という状況だと表現すれば、イメージしやすいだろうか。
そんな国なので、時間で言えば10分どころか、電車が数時間遅れるのすら当たり前。一度、駅で7時間ほど待ったことがある。飛行機でも定刻にまともに飛ぶ事は稀。
な国の普通の人間が、なんと10分遅れで来たことを詫びた。クマール、信頼出来るいいヤツ間違いなし!!!
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クマールが連れていってくれたのは、ムンバイからフェリーで1時間ほどの場所にある、エレファンタ島。
Elephanta-map
 (Source:Tommy)
『インド門』というアバウトきわまりない名前の門のところから、フェリーに乗っていく。ここでクマールは、僕たちが直接交渉すると高いからと、現地人価格に値切る交渉をしてくれた。
ザックは弟みたいで可愛いが、そう甘やかすのも良くはない。僕はクマールに、『ザックに英語の教師を頼む』とお願いして、フェリーの道中、さっさと寝ることに決めた。揉まれる中での経験値というのは、逐一指導されたときの何倍もの成長につながる。
おかげで、奥さんのチェックの入りまくったガイドブックに頼りながらも、なんとかコミュニケーション出来るようになったようだ。スーパーマリオを少し長く伸ばした感じのクマールは、必ずカメラ目線。
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島に着くと、早速インドの洗礼。ちょっと見づらいが、『インド人:10ルピー、外人:250ルピー』とな。どうやらここも、クマールの神対応で10ルピーにしてもらったと思われる。日本には、日本人価格、外国人価格といったものはない。それが当たり前の国に来たんだということを、イヤでも感じることとなった。
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エレファンタ島では、ヒンドゥ教の神様の一つである、シヴァ神がまつられていた。この島に滞在していた1時間強で、僕とザックは日本で有数のシヴァ知識を身につけられたと思う。インドは、シヴァやパルバティ、日本でも有名なガネーシャなど、数々の神様が生活に深く根付いているんだなと感心した。
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そういえば、学生時代にいったエジプトで、一度3時間ほどモスクに監禁されてイスラム教に誘われたことがあった。コーラン片手に、一文何か話すごとに『ドーユーアンダスタン?』と確認されるのを158回ぐらい繰り返しながら、明らかに一般人に見えるにーちゃんに誘われたのだ。
そのとき、『仏教とキリスト教と君の信じるイスラム教は、何がどう違うの?イスラム教の何がスゴいの?』と今思えば冷や汗ものの質問をしてみたら、帰ってきた答えがこちら。
『ブッダもキリストも人間。アッラーだけは姿のない神。だからアッラーが一番エラい。』
偶像崇拝の禁止されているイスラム教では、確かにアッラーの神のイメージはない。それはどこか崇高で、恐れ多い畏敬の対象としての神。
シヴァを初めとした、ヒンドゥ教の神様からは、違う印象を受けた。
『シヴァと奥さんは知り合いのススメで見合い結婚したが、奥さんが結婚と同時に胸ポケットのある左側にポジショニングするようになった。それは、左の胸ポケットにお金を入れている男が多いからであり、そこからシヴァのお金をたらふくくすねた奥さんは、みるみる間に太って、同様に太い宝石を身につけるようになった。ある日奥さんに他の女性に配慮してるところを見つかって激怒されたシヴァは、泣く泣く奥さんに詫びの品を差し入れた。』
という、とってもありそうな人間ドラマを抱えた神様だった。シヴァってファイナルファンタジーに出てくるクールなイメージだったけど、結構ダメじゃん。
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シヴァの像が十数体も展示されてる石窟を撮って、このエレファンタ島を後にすることにした。こんな巨大な石窟が、山を削って作られているというのがスゴい。つまりは一つの岩の塊から出来ている。
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上記の解説でシヴァ神をぐっと身近なものに感じさせてくれたのは、女性ガイドのトーマス。クマールがエレファンタ島で手配してくれた敏腕ガイドだ。
この旅で僕たちが唯一覚えたインド人の名前は、ご存知クマール。その他の人はあまりに名前が長かったり、舌を噛みそうだったので、大変失礼ながら『トーマス』で統一させてもらうことにした。
これから、色んなトーマスが出てくることになる。
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エレファンタ島を後にし、次に向かうは僕たちの泊まっているGODWINホテルだ。第三のエンペラー、マッチ帝がついに合流する。
インドにインド3強の衝撃を与えに来たこの漢について、次章では触れたいと思う。
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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

引かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

 
 
 
 
 
 
 
ないすとぅみーとぅ

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