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聞いてはいたけど恐ろしい。
何が恐ろしいって、女対女の戦い。
と言っても、陰湿な女子校の戦いではない。
それも十分恐ろしいが、表立っての全面戦争が起こる家庭内の戦いもかなり恐ろしい。
***
一方の怪獣は6歳児。今年小学生になったばかり。
「すてきなしょうがくせいになりたいの。」
が口癖だった年長さん時代の最後の方は、それはそれは殊勝な振る舞いをしていた。
粗相をしたら素敵な小学生になれないとでも思っていたのだろうか。
寂しがりやのくせに一人で部屋で寝ようとしたり、おなか一杯なのにご飯を食べようとしたり。
見ていて微笑ましい以外の言葉が見つからなかった。
 
しかし今年小学生になってから、何かタガが外れたかのようにワガママになってきた。
入学したから殊勝さとは縁を切ったのだろうか。最年少学年の気楽さからか、ワガママが目立つようになってきた。
平たく言うと、親の言うことを聞かなくなってきた。
何かにつけて、「なんで?」、「それどういういみ?」、「なんでいうこときかなくちゃいけないの?」とイチイチ腹が立つ。
ただ、勿論所詮は小学校1年生なので、本気で相手にする程ではない。立ち向かってきたとしても、まだまだ片手で捻れるぐらいだ。
ところが、家の中にはこの6歳の怪獣と真面目に全力で戦っているもう1頭の怪獣がいる。
***
もう一方の怪獣とは、すなわちうちの奥方。御歳永遠の25歳。
確かトライアスロンの仲間にも永遠の27歳の淑女がいたが、どうも女性というのは、ある一定年齢を超えると、現実に対して理想が上書きされる生き物らしい。
25歳の成獣が、6歳の幼獣を本気で相手にしている。
僕から見ると、どちらの口からも光線が出ている。互いが互いを全力で潰そうとしているように見える。
朝7時からそんな戦いをするなんて、なんて体力のあるヤツらだ。
僕は0歳の新生獣と一緒にブルブルと震えている。
***
6歳の幼獣は、0歳の新生獣に比べれば、6年違いということもあり圧倒的な能力差を誇る。
親の言っていることは全て理解している。
ご飯を自分で食べることができる。
なんならおつかいもできる。
トイレは自ら用を足し、当然文字通りの尻拭いもできる。
 
対して、新生獣の方は何も出来ない。
自分だけでは寝られない。
おむつがないと災害が起きる。
親が言っていることは5%も理解していない。
当然と言えば当然だ。
要するに何にも出来ない。
 
しかしながら、比較的なんでも出来る幼獣を成獣は怒りまくり叱りまくり、何にも出来ない新生獣に笑顔で接している。
怪獣たちのパフォーマンスについて怒っているのではないということだ。
では何に対して成獣は怒っているのだろうか?
 
それは、

期待値と現実の差

に対してである。
 
***
新生獣に対しては、大変失礼ながら何も出来ないのは知っているので何も期待しない。
ゴミを捨ててもらおうとも思わないし、自分でごはんを食べてもらおうとも思わない。
強いて言えば、寝るべき時間に寝てほしいということと、たまにでいいので笑顔で癒してほしいということぐらいだろうか。
今のところ、成獣が課している期待値に対して、新成獣は完璧にそれを満たしている。
トントンすれば夜は勝手に寝るし、笑顔は7パターンぐらい持っていて、見るたびに爆笑を誘う。
期待値が低い分、パフォーマンスとしては150%オーバーとなっている。
 
その一方、6歳の幼獣に対してはかなり高い期待値をもっている。
あれもできるはず、これもできるはず、あたし(=成獣)の言ってることを理解しているはず。
が、その期待値に反して、まだまだ精神的に安定していない幼獣は、たびたび、というかしょっちゅう期待を裏切る。
朝起きない、朝ごはんを食べない、宿題は簡単なところで間違える、成獣の言ったことに対して返事をしない、ちょっとプレッシャーをかけると睨んでくる。
対期待値としては、60%ぐらいしかないのだろうか。
成獣の期待値が高すぎるとも言えるし、期待値に対してのパフォーマンスにムラがありすぎるとも言える。
いずれにしても、期待値と現実のギャップに対して、成獣はキレまくっているのである。
***
この問題は結構難しい。
6歳の幼獣に対して、0歳の新生獣に対してするのと同じ程度の期待しかしなければ、怒りが湧くこともない。
しかしそれではあまりに幼獣に対して失礼だ。彼女は実際かなり何でもできる。ただパフォーマンスにムラがあるだけだ。
かと言って期待しすぎると、それが満たされない場合にはうちの25歳の成獣がそうであるように、怒りが湧いてくる。
僕としては、「君臨すれども統治せず」ではないが、「期待はすれども依存せず」の精神でいくのが今のところの正解であるように思う。
期待はする。それは幼獣に対する信頼の証だ。
しかしその期待に対して、僕自身が依存しない。
期待が裏切られたとしても、それは幼獣ゆえの不安定さや葛藤の表れであって、いつも安定していたらそれこそ幼獣としてはどこかヘンなのである。
期待はする。しかしその期待に依存しない。
幼獣は今日も期待をバシバシと裏切ってくれて、目下のところ成獣と全面戦争中である。
生まれたてのモスラが全力でゴジラに戦いを挑む様子は、いつも思うが清々しい。
引き続き僕と新生獣は、部屋の片隅でブルブルと震えている。
***

世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。

退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!

我が人生に一片の悔いなし!!!

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