今までやっていたことを継続するとき、あるいは新しい何かを始めるとき、人はどんな基準で意思決定をするのだろうかと考えることが最近多い。

経営者の仕事の最たるものは、セールスでもなくマーケティングでもなくファイナンスでもなく、意思決定そのものであり、それは大企業の社長でも中小零細企業の社長でも、あるいは人生の経営者たる僕たち一人一人でも変わらない。意思決定の質を上げていかないと会社は良くならないし、個人個人の人生の質も良くなっていかない。

1日は24時間しかなく、1440分しかなく、86400秒しかない。その時事刻々に数千の意思決定をするのが我々人間の1日であり、今の時代のように選択肢が増えれば増えるほど、どの基準を以って意思決定をするのかをあらかじめ決めておくことは、結構大事なように思われる。

今日はよく言われる"ROI"(Return on Investment)でもいいけど"ROL(Return on Life)"という考え方もいいんでないの?という個人的意見についてシェアしたい。
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"ROI"で突き進んだ10代と20代

僕は若い頃は"ROI"を重視していた。

勉強は遊びや部活の時間を確保するために、いかに手を抜いて高得点を取るかが勝負だったし(が、勉強しなさすぎて現代文は偏差値8、数学は偏差値20まで落ちた)、いかに少ない労力でモテるか(全くモテなかったが)を考えていた。

20代になって社会に出てからは、いかに「稼ぐ」かが思考の矛先となった。稼ぐ対象は信頼であり、実績であり、経験であり、その結果としての報酬だったりした。誰も信じてはくれないがカラダが弱いため、「死ぬほど働いた」とは言い難いかもしれないが、その代わり自己投資は相当した。

お金がない中でもなるべく目上、格上と付き合うようにし、専門分野の勉強も怠らず必死に自分の戦闘力を上げた。結果としてある程度社内の表彰には「あいついつもいるよね」程度には載ることができるようになったし、それを対価として受け取るだけの仕事はしてきたつもりだ。顧客の人生を、僕が介在することによって少なからぬ程度に良い方向に導いた自負もある。

10代はどちらかというとReturnはそこそこにInvestmentを最小化する努力ばっかりしている感じで、20代はInvestmentをたっぷりしてReturnも最大限取りにいく、という戦い方をしてきたように思う。いずれにしろ、思考のほとんどはROIの観点で占められていた。
 

30代になってから、少し風向きが変わってきた。手詰まり感が出てきたのである。

確かに努力はしていた。成果もある程度は出していた。しかしそこ止まり。そして能力の向上とともにどんどん仕事は楽になり、それは悪いことではないのだけれど、なんとなく日々出し切らないまま終えてる自分に危機感を覚えるようになっていった。

子供も生まれ、知らず知らずのうちに保守的になってもおかしくないお年頃だったから、というのもあるのかもしれない。このままでは、自分がどんどん「できること」しかやらない人間になっていくであろうことが、この時点で明確だった。確か31歳頃に、そういうことを考えていたと思う。

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"ROL"という考え方に到達

この頃から、思考は"ROI"から"ROL"に変化していったように思う。より具体的に言えば、「人生全体」で考えて「それ」を続けるべきか、「それ」にチャレンジすべきかを考えるようになった。

この頃にブログを開設し、タイトルを「ラオウを目指す羅王のブログ」としたことも大きい。ジャンプ世代各位ならご存知の通り、フリーザ様や山王工業と並ぶ名敵役である「北斗の拳」のラオウの辞世の句は、「我が生涯に一片の悔いなし!」である。人生全体で考えて、死ぬ時に悔いがないように生きなきゃなーと思うようになった。名が体を表すとはこのことだ。
 

そんなわけで、思考のスコープが人生全体に広がった。人生の終わりに「あれやっときゃよかった」と思わなくて済むように、とりあえずやってみたいなとちょっとぐらい思ったことは、ちょっとだけやってみることにした。「人生でいつか1回ぐらいはやってみても良いかな」と思うことは、「いつか」をなるべく「今でしょ」に近づけるようにした。

手始めにやったのは、富士登山だった。もともと僕は山登りには全く興味がない。そして、今もほとんどない。しかし、「富士山のご来光」にはほんのちょっとだけ興味があった。少なくとも「一生に1回ぐらいは」とは思っていた。なので2013年に登ってみた。良かった。日本人で良かったと思った。

富士山をROI的な考え方で見ると、特に登る必要はなかった。仕事に差し支えるし、数万払って2日使って山に登って多分高山病になって日の光を浴びる、なんて、あまり意味があることのようには思えない。でもLifeという視点で見ればやるべきだと思ったので、やってみた。
 

次に、フルマラソンにチャレンジしてみた。

格闘技をやっていたので85kgオーバーなこのカラダは、完全にランニングに不向き。そして、僕は走るのが好きではない。(これは今も)ただ、フルマラソンに関しても今すぐやりたいとは思わないが、「一生に1回ぐらいは」と思っていた。

なので同年に決行した。以来、毎年数本のフルマラソンを走るようになってしまった。もはや完全な趣味だ。

 

次に「一生に1回ぐらいは」と思っていた100kmマラソンにチャレンジした。

フルですら死にそうなのに、100kmなんて想像もつかなかったが、おそらく最重不倒(全参加者中、ゴールした人の中では一番重い)でゴール。しかもその2週間後には2本目の100kmマラソンも完走してしまった。

そしてその3ヶ月後には、「まぁやらないだろうけど、でも一生に1回ぐらいは」と思っていたトライアスロンに、しかも一番長いアイアンマンにチャレンジしていた。マラソン以上に距離が遠いと思っていたのは、塩水が嫌いだからだ。甘い水なら飲みながら泳げるけど、何が悲しくて塩水を口にいれないといかんのか!と反感を持っていた。

 

その次には、囲碁に手を出してみた。

「経営には囲碁が効く」と言っている有名経営者が何人かいて、調べて見ると信長も秀吉も家康も囲碁の有段者だった。特に、あの短気な信長が四方を斉藤家や今川家や武田家に囲まれてお家撲滅の危機にありながらも、わざわざ囲碁に時間を割いていたという事実には興味があり、経営をしていない身ながらも経営者を相手にする機会が多かったので、彼らの思考を理解しようと囲碁をやってみることにした。

結論から言うと半年で初段になり、1年半で三段になった。
 

さらに、Returnを人生全体で考え始めてからは、「起業」は避けて通れない問題となりつつあった。

会う経営者会う経営者に「まだ?」と言われ続け、だんだんその気になっていったことも大きい。また、この頃から日本を変えたい、娘たちの住むこの国の未来をもっと良い状態にして引き継ぎたいという想いがふつふつと湧き上がり、それを実現するためにも起業はしないわけにはいかなかった。

前職の東京◯上も愛していたが、変わりつつある金融市場の流れから考えて、対顧客でより正直でいられる代理店形式(全社扱える)での生保ビジネスに舵を切ることが、一社専属を貫くことよりはより正義に近いことは明らかだった。

また、所詮は、と言っては失礼かもしれないが、やはり大企業ならではのブランド気にしいな施策の数々(ブログ書くなとか情報発信やめろ、テンプレに従えいう匂いがプンプンした)は、気持ちはわかるけどこれからの個人の時代に合ってないような気がした。副業ももちろん不可能であった。

生保業で「今ある顧客の財産を最適化」することももちろん誇りを持てる仕事なのでずっとやりたかったが、一方で日本の問題である「普通の人たち」の生産性向上もビジネスにしたかった。ボランティアでは志は長くは続かない。きちんとsustainableでなければならない。それには、起業するしかなく、そのためには東◯海上を辞めねばならなかった。

起業と転職を同時にしたため前職の収入など多くを失ったが、人生全体で考えれば遅かれ早かれやっていたことなので、良かったと思う。Lifeという視点で考えなければ、僕はまだ前職の「エグゼクティブ」職で満足していたことと思う。

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今後"ROL"的に考えてやりたいこと

このブログは、完全にROLという考え方に基づいて書いている。稼ぎたければアフィリエイトをやれば良いし、広告を貼れば良い。しかし今の所やってない。

僕にとっては、娘たちが文字をちゃんと読める頃になって「あ、パパこんなこと考えてたんだ?」と思ってくれたり、300年後ぐらいの子孫が「ご先祖様、めっちゃマヌケやん!」と笑ってくれる事の方がよほど重要だ。ROI的に考えれば、そんなことのために毎日30分から1時間も割くなんてなんの生産性もないけれど、僕的にはこれで良い。だからブログを続けている。

人生全体で考えれば、今後まだまだやりたいことはある。たとえば海外視察や、ゆくゆくは海外進出。今の所旧ソ連のエストニアと、アフリカのルワンダに興味があり、近々行って様子を見て来ようと思う。出版もやるやる詐欺ですでに数年経ってしまっているが、やっぱり人生全体で考えればやるべきなので、多少の生産性の低下は承知の上で、今年中に仕上げたい。

 

あれもしたい。これもしたい。もっとしたい、もっともっとしたいー。

他にはやると決めてることとして、うまくて新鮮な肉を出す焼肉屋を経営する、社会人経験のある一線級の人材を揃えた学校を作る、1年のうち3ヶ月は日本/3ヶ月はスイスなど先進国/3ヶ月はアフリカやアジアなどの途上国/3ヶ月はハワイに暮らしてどこでも仕事できるようにする、

100歳まで生きる、娘たちとミュージカルで共演する、娘たちと同じ大学に留学して虫がつかないか見張る、サハラマラソンを完走する、北極南極マラソンを走る、アイウエオバックパッカー(アルメニア、アルバニア、アンゴラ、アンドラ、アゼルバイジャン・・・とあ行から順に制覇)などなど。

ROIで考えれば思考の枠から外れることが、ROLで考えるとたくさん出てくる。ぜひ、全部やりたいっす!ちなみに"ROL"て商標登録できんじゃない?と思って調べてみたら、もうアメリカにそういうことを生業としてるコンサルタントがいた。ガッデム!

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世知辛い世紀末にこのエントリを読んでいただいたことを感謝します。
退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!!
我が生涯に一片の悔いなし!!!
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