本来ならば、幸せというのは「すでにあるものに感謝する」とか、「自分がどれだけ支えられて生きてきたかを考える」といった高尚な思考によって成立するものだと思うのだけれど、一方で意図的能動的に幸せを倍加できるような仕組みがあればなお良いのではないかと考える今日この頃。

周りを見渡せば、生まれてからこの方ずっと幸せなんじゃないの?と思うぐらいニコニコして生きている人がいて、そういう人はまさに思考も高僧の域に達しているが、数としては少ない。一方で、現状はそうでもないもっと幸せになりたい、幸せを手に入れたいという人は世の中のほとんどを占めるのではないだろうか。

日本はシリアやソマリアと違って基本的な安全保障や言論の自由が確立されていて、人権が蹂躙されることもなく、メディアの意味わかめな報道に翻弄され、くだらないバイトテロに怒ることができるぐらい、平和な国である。そういう国では表面的な不幸を抱える人はあまりいない。あとは十人十色の自分なりの幸せを追っていけば良い。

人間、生まれたからにはおそらく全員が幸せになりたいと考えているのであって、それがより確率高く引き起こせるのだとしたら、なかなかに良いライフハックではないかと思うのだ。待っていても結婚できる時代ではなくなったように、待っていても勝手に幸せになれる時代でもないのが現在。

皮肉なことに、以前に比べて経済力が高まり、安全が強化され、男女平等が促進され、自由が保証されるようになってるにも関わらず、なぜ以前のように自動的に幸せになることが難しいのかは本論に譲るとして、ざっくり言うと「もっと幸せになるためのライフハック」だと思って読んでいただければ嬉しい。

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昔は幸せを感じやすかった、その理由

ある思考実験をしてみたことがある。2人の人間が新卒で別々の会社に入社して、60歳までその会社で仕事をしたとして、どっちが幸せかというもの。

Aさん:新卒時点で年収360万円。30歳で500万、40歳で700万、50歳で1000万に到達し60歳までその水準でその後定年。

Bさん:新卒時点で年収は驚きの1000万。以後ずーっと1000万の超エリート。

 

経済学的に見れば総収入は1億円以上の差でAさんが圧勝する。購買力も違うし、貯蓄残高も違うし、若者にどっちがいい?と聞いたら多分Bさんと皆んな答えると思う。子供が最初から私立に行けるのはBさんだ。

が、経験上、間違いなく数十年のサラリーマン生活を通じての幸せ度合いは、Aさんの方が高い。考え方は色々あるかもねといった話ではなく、これに関しては例外はあるとは思わない。Aさんだと断言できる。

人間は、右肩上がりを幸せに感じるようにできている。

 

じゃあ圧倒的高収入のBさんはと言えば、入社当初こそ他を大きく凌駕する収入に狂喜乱舞するも、20代後半ぐらいになると「うちの会社、全然給料あがらねーんだよー」と漏らすようになる。

30代、40代になると収入は変わらずとも家族ができて出費が増え、可処分所得が減るため、不満は溜まる一方。日本中が羨むような賃金体系でありながら、彼がよほどできた人間でなければ、たぶん幸せからは一定の距離のある人生になる。

これは僕自身の経験からも言えることで、大してもらっていなかった割には働き始めて最初数年で年収が上がっていくのは、なんとも言えない幸せな気持ちだった。買えなかったものが買えるようになり、食べたかったものが食べられるようになった。

それは牛丼並が牛丼卵付きになった程度のささやかなものではあったが、その変化がたまらなく嬉しかった。あの頃、間違いなく僕は幸せを感じていた。
 

戦後から高度経済成長期、バブル期にかけて、日本全体がまさにこの仕組みに乗っかっていた。「右肩上がりのマジック」によって、その絶対値ではなく相対値によって、幸せを感じることができていた。

典型的なのは「三種の神器」や、「新三種の神器」。家に今まではなかった家電が追加されて、新しいことができるようになる喜びは、相当なものだっただろう。給料は10年で2倍に増える時代であり、戦後何もなかったところから日本はどんどん豊かになっていった。

今のそれと比べれば明らかにささやかな生活しかできていなかったにも関わらず、当時の日本人は幸せを感じる局面をそこかしこで経験していた。「あの頃は良かった」と言う人がいるのは、そのためである。日本全体が右肩上がりだったから、そこまで意識せずともみんな自動的に幸せになれた。
 

子供がみんな幸せそうに見えるのも、実は同じ構造になっている。

身体はある年齢まで勝手に成長し、大人が作ってくれた便利なカリキュラムに従っていれば、どんどん賢くなるように人生が設計されている。ボールは身体ができてくるに従ってどんどん速く強く投げられるようになり、身長が伸びれば褒められる。

ほとんど全ての子供が「右肩上がりの人生」を生きており、そしてそれは幸せを強く感じる感情に自動的に紐づいている。身体の成長を含めた環境が、彼らを幸せにしている。そんなわけで「こんなにおおきくなりまちた!」とか言ってめちゃくちゃ幸せそうな顔をしているうちの2号機は、幸せになる条件を完全に満たしているから幸せなのである。

ああ羨ましい。

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幸せを能動的に確率高く創り出す方法

さて、「今ある幸せを噛みしめる」というまこと原理原則に則った素晴らしい考え方に加えて、幸せをより能動的に、確率高く、創り出せるとしたら、どんな方法があるだろうか。

客観的に考えれば、現代人は昔より間違いなく幸せになってるはずだし、少なくともその条件は整っている。しかし幸せとは完全に主観的なものであり、周りから見れば全てが揃っているようにしか見えないマダムがめっちゃ人生に絶望してる、なんてことも残念ながら発生している。

逆に考えれば、主観的に幸せを創り出せればそれって結構良いアイデアなんじゃない?ということである。
 

具体的には、「生活のどこかに『右肩上がり』を取り入れる」というのを提案したい。

浅はかながらも僕が給料が上がるたびに狂喜していたように、子供たちができることが増えるたびに嬉しそうな顔をするように、昔のサラリーマン家庭が家電が増えるたびにお祝いしていたように、生活のどこかに「右肩上がり」な部門があれば、人はそれだけで結構幸せを感じることができる。

新卒サラリーマンであれば、黙って一生懸命働いていれば、20代後半ぐらいまでは勝手に給料が伸びていくので、それを以って幸せを感じることができるかもしれない。ただ、じゃあ50代のおっさんがそれをできるかというと、よほどの能力がなければ難しい。50代で給料が伸び続ける人はあんまりいない。
 

じゃあどうすれば良いのか?定期的に「何かの初心者」になるのがおすすめである。

分野は何でも良い。趣味を新しく始めても良いし、仕事の分野を少し変えても良い。今までやってなかった筋トレやダイエットを始めても良い。いずれも「初心者」を必ず経験することになる。初心者は初心者がゆえに普通に物事に取り組んでいれば、必ず右肩上がりに実力が上がっていく。

事業主である友人たちは、最近僕や他のランナーの影響を受けて、ある程度の年齢になってからマラソンにチャレンジさせられることになった。初心者の仲間入りである。当初5km走ってはぜーぜー言って、10km走っては死にそうになり、筋トレさせては地べたに這いつくばっていた。

それがどうだろう。数ヶ月もすると、全員フルマラソンをちゃんと完走しているではないか。完全に右肩上がり!ビバ右肩上がり!本人たちの中では偉業とも思えるフルマラソンを達成した彼らの表情は、幸せを強烈に感じていることが明白だった。
 

別にマラソンを走らなくても良い。

僕のようにブログを書いて、「あ、10号超えちゃった」、「いつのまにかもうすぐ100号やわ」と言って積み上がる実績に幸せを感じても良いし、500円玉貯金をして貯金箱がいっぱいになることを幸せの対象としても良い。子供たちがいるだけで、彼女らの成長が僕にとってはこの上ない成長だし、腕立てが10回しかできなかったのが20回できるようになれば、これも幸せを感じる一助になる。

要は、「右肩上がり」であれば何でもよく、「初心者」になるとそれが実現しやすいですよということ。ちなみに最近、ちょっと前まで明らかにビジネスの素人だった友人であり同志のコンサルをしているのだけれど、その彼がコンサルを開始してから過去最高益を挙げた。ほんの数ヶ月の話ではあるが、明らかに右肩上がりのその様子を見て、「ああ、自分のことじゃなくてもこんなに嬉しいんだな」と素直に思えた。人の成長を見ているのも、幸せにはしてくれる。

 

ちなみにちなみに、今ちょっとやろうと思っているのがウーバーイーツの宅配バイト

普段電車やタクシーで移動しているため、職住の範囲は狭いわりに街のことは何も知らない。自転車で走れば走るほど、今まで見ようともしてこなかった街の様子がわかるのは、これまた初心者から右肩上がりで成長する喜びになるのじゃないだろうか。

なお、とある友人はマラソンに加えて囲碁にもチャレンジすることが決定し(数ヶ月で初段を目指す)、たぶんしばらくは幸せホルモン出まくりな日々を過ごすことと思う。羨ましい。

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