今日のトップニュースと言えば、間違いなくこれだろう。

イチロー、ついに引退

おそらくは全日本と全シアトルが泣いただろうし、ニューヨークとマイアミも泣いてて欲しい。一つの時代が幕を閉じた日だと言える。僕自身、かねてからイチローが口にしていた通り、50歳までは現役を続けてくれると信じていたので、少なからぬ驚きと深い失望感に襲われている。実を言えば、まだ信じたくはない。でも、現実にそれは起こってしまった。

これからは、野球をするイチローを見ることはできない。(引退試合が別途あるかもだけど)オリックスに復帰するかもと淡い期待もされていたけれど、その希望も彼方へと消えた。個人的な読みでは、これからは間違いなく、ニッチローがさらにブレイクするはずと思われる。イチローの姿を見たくても見られない「イチローロス」に苛まれる人々が、禁断症状を緩和するためにニッチローの鍛え抜かれたモノマネに殺到するはずだ。

 

 

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偉大すぎるイチローの記録

イチローは、間違いなく球史に残る名プレイヤーであった。残した記録は「偉大」以外の言葉では語れない。

▼日米通算4367安打

▼シーズン262安打(2004年)

▼10年連続200本安打(2001年ー2010年)

いずれも名球会入りのための資格どころか、歴史の本に載ってもおかしくない記録だ。

 

さらに、イチローはプロフェッショナルとして、目で見て楽しむ野球と記録にこだわる野球を両立させていた。

▼あまりにも有名な「レーザービーム」

▼練習で時折見せる背面キャッチ

▼バッターボックスから一塁までの到達時間がわずか3.7秒(若い頃)

▼走りながら打つ独特の逃がし打ち

▼イチロー以外にはできない内野安打の量産

▼ワンバウンドのボールですらヒットにするバットコントロール

 

さらにさらに、イチローに関連する名言もたくさん存在する。メッシやCR7は記録と記憶を残したが、イチローはそれらに加えて言葉も残した。あまりに素晴らしい名言が多いので、僕が注目したいくつかの言葉だけ後ほどシェアをしておきたい。

戦争を止められない人たちが読んでる聖書もコーランも要らないから、イチロー語録集を文科省が公式に配ればこの国はもう少し良くなるのじゃないかと本気で思う。

 

イチローが、史上最強の野球選手であったかどうかは、野球にあまり興味のない僕には分からない。史上最強のヒットメーカーであったのかも、史上最強の守備力を持つ漢だったのかも、史上最強の内野安打製造機だったのかも、判断できない。

記録上は他にも素晴らしい数字を残した選手はたくさんとは言わないまでも幾人かはいるし、イチローがベーブ・ルースやデレク・ジーターのような誰もが認めるレジェンドになれるのかどうかは、分からない。

しかし、イチローが間違いなく史上最強だなと思う点が1つある。誰も比肩する人がおらず、なんぴと足りとも比較の土台にすら載らず、後にも先にもイチロー以上の人は出てこないだろうと確信できる何か。

それは、「準備力」である。これに関してだけは、イチローはあらゆるスポーツを通じても史上最強で、そしてこれからも史上最強であり続けるのじゃないかと思う。それぐらいイチローの「準備力」は凄い。僕は正直、イチローのバッティングよりも強肩よりも守備や走塁よりも、イチローにしかない圧倒的な「準備力」に萌える。

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イチローの驚嘆すべき「準備力」

イチローば準備に時間と労力と、そしてお金をめちゃめちゃかけていることは結構知られている話だけれど、改めて「イチロー×準備」や「イチロー×ルーティン」などのワードで検索すると、本当に史上最強の「準備力」を持ってる人なのだと改めて驚かされる。

▼メジャーに渡ってからの約20年間で、なんと500g程度しか体重が変わっていない。

▼試合の日には誰よりも早く球場に現れ、誰よりも長く練習とストレッチを行う。

▼バッターボックスに立つ際のルーティンは全て同じ。

▼ホームゲームでは、イチロー専用の「カラダの可動域広げマシーン」を10種類ぐらい試合前に爆食。

▼(直近数年は変わったけれど)朝昼兼用の夫人特製カレーを食べ続けていた。カレーの味の感じ方で体調が分かるほどという噂。

▼移動時には除湿剤の入ったジュラルミンケースにバットを入れて持ち歩き、徹底的に湿度を管理。

▼試合後には他の選手がビールを飲んでいても、グラブを自らの手で磨く。

▼帰宅後はマシーンでトレーニングをしたあと、寝る前に2時間のマッサージを毎日受ける。

▼遠征先のホテルでは、目を守るためにわざわざ部屋の電球を明るいものに替えさせる。

▼同じく目を守るため、極力活字も読まずテレビも見ない。メールは夫人が口頭で読み上げる。

▼通常、スタメンを外された選手は試合の前半をベンチで見る。しかしイチローは2イング目には室内練習場で打撃練習を開始する。

結婚前後での違い、日米での違いはあるのだろうけれど、上記のような準備を20年以上に渡って続けてきたイチロー。これだけの準備を、これだけの長期間に渡って1日も休まず続けてきたイチローは、おそらくは才能も体躯もトップレベルではないなかで、徹底的に自らの力を高めること、それを維持すること、そしてそれを出し切ることにこだわり抜いた。

 

イチローの発言を仔細に集めて見ると、こと「準備力」に関連したものが非常に多い。「ヒットはこう打つんだよ」、「走塁のタイミングはね」といったテクニカルな話は皆無に近い一方、「準備とはこういうものだ」といった類の言葉は、他のどのカテゴリよりも多い。

ハイレベルのスピードでプレイするために、ぼくは絶えず体と心の準備はしています。自分にとっていちばん大切なことは、試合前に完璧な準備をすることです。

 

やれることはすべてやったし、手を抜いたことはありません。常にやれることをやろうとした自分がいたこと、それに対して、準備した自分がいたことを誇りに思っています。

 

準備というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していく、そのために考え得るすべてのことをこなしていくこと。

 

プロ野球選手は、怪我をしてから治す人がほとんどです。しかし、大切なのは怪我をしないように、普段から調整することです。怪我をしてからでは遅いのです。

 

試合開始が遅れることを聞いて寝ました。こういうときのために自分の枕を持ってきています。

 

しっかりと準備もしていないのに、目標を語る資格はない。

 

手抜きをして存在できるものが、成立することがおかしい。

 

アップの時に全力で走るとか、早く来て個人で練習しているとか、そんなことは僕にとって当たり前のこと。

 

キャンプでいろいろと試すことは、ムダではありません。ムダなことを考えて、ムダなことをしないと伸びません。

 

今自分にできること。頑張ればできそうなこと。そういうことを積み重ねていかないと遠くの目標は近づいてこない。

 

妥協は沢山してきた。自分に負けたこともいっぱいあります。ただ、野球に関してはそれがない。

 

「やれることはすべてやる」。それを毎日継続して行うのは一番苦しいことであり、とても大変なことである。でもそれさえちゃんとしていれば、結果が出てない時でも後悔せずに満足できる。

 

びっくりするような好プレーが、勝ちに結びつくことは少ないです。確実にこなさないといけないプレーを、確実にこなせるチームが強い。

 

おそらく、イチローよりもバッティングが上手い人はかつていただろうしこれから出てくるだろう。守備もしかり、走塁もしかり。数字面だけで言えば、イチローを超える人はそんなに低くない確率で出てくるのだろう。

しかし、今できる最大限の準備をする、そしてその最大限の準備を長期間に渡って変わらず継続するという掛け算から生まれる準備の面積の広さに関しては、他の誰も追随できない存在であることは間違いない。どれ一つとっても、「今日だけやってみ」と言われたら誰でもできることばかり。しかしそれを、数十年続けろと言われたら、たぶんイチロー以外には不可能なのだろう。

翻って自分は・・・と考えた時に、おそらく地球上の誰もが、イチローの「準備力」の基準からすれば、まだまだ甘いと痛感させられるのじゃないだろうか。イチローは真に偉大な「準備の人」であった。必ずしも「才能」で勝負したわけでも、「気合い」で勝負したわけでも、「ファインプレー」で魅せたわけでもない。

イチローをイチローたらしめた、「準備力」に敬意を表するとともに、一時代の終わりに対して「ありがとう」を言いたい。長い間、本当におつかれさまでした。

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